エンタメ業界にアップデートを仕掛けるセンクシャの、メンバーの素顔に迫るインタビュー連載「センクシャの本音と野望」。
今回はコーポレートの林佳儒。
2013年に交換留学生として来日。大学院を卒業後、人材会社での営業からキャリアをスタート。その後人事へとジョブチェンジし、台湾本社のITベンチャーなど数社を経て、2023年9月にセンクシャへジョイン。現在は2人目のコーポレートチームとして、人事をメインに組織づくりや社内制度の整備に邁進している。
入社前から「リンちゃん」と愛称で呼ばれ、初顔合わせだった全体会議では、ずっと前からメンバーの一員だったかのような存在感。独特のポジションを確立している林が考える、センクシャの現在地、仕事や趣味への向き合い方、自分の未来……その本心に迫る。
▼目次
・0から1を作るのが好き。だから一緒に組織を作っていける会社が良かった
・野外の開放感と、新しい音楽との出会い、フェス飯とビール。フェスは本気で楽しみに行く。
・大嫌いな「先入観」を、私自身が持っていたことに気付かされた。
0から1を作るのが好き。だから一緒に組織を作っていける会社が良かった。
――:センクシャを知ったキッカケを教えてください。
元々エンターテイメントや音楽が大好きで、こういう業界を支えていけたらいいなと思って、求人を探しているときに出てきたのがセンクシャです。エンターテイメント業界で募集がかかっているのは、漫画や動画、キャラクターIPを扱う会社ばかりでした。
私は0から1をつくるのが好きなので、すでに完成されている会社よりも、一緒に組織を作っていける場所がいいなと思って。そういう会社で人事を募集している会社は、他になかなか無いんですよ。
仕事の内容はもちろん「現状に囚われず、新しいものを作っていこう」という姿勢にすごく共感して。
今までの業界のやり方や、習慣になっているものでも、今の時代に合わせたほうが良くなることも多いはず。私も人事の方からサポートできるものがあるんじゃないかなと思って、話を聞きに行きました。
自分がこうやりたいって方向性が決まると、いつも出会いが来るんです。会社との出会いとか、人との出会いとか。転職も、そろそろかなと思って動き出すと、その時に自分にとって一番ベストな会社と出会える。今回センクシャも、直感で「この会社がいい!」と思いました。
面接をしてくれた古川さんは、会社の良いところだけでなく、実際の状況を率直に伝えてくれました。私もこの会社の現状を理解した上で判断ができたし、逆に会社の中に色々な課題がある方が、可能性がいっぱいあってワクワクするんですよね。まだ採用前の面談なのに、「こうしたほうがいいんじゃないですか」とアドバイスまでしちゃいました(笑)
小松﨑さんとは、人事の可能性やスタンスについての話をたくさんしました。私、興味を持っていることに対して結構熱くなってしまうんです。特に音楽とか仕事とかに対して。音楽業界への思いや、裏方で頑張っている人たちを応援したい気持ちを熱弁しましたね。
野外の開放感と、新しい音楽との出会い、フェス飯とビール。フェスは本気で楽しみに行く。
――:仕事で楽しいと感じることはどんなところですか?
プレッシャーがある方が燃えるんです。課題があったほうが楽しくて、ひとつクリアできたら達成感もすごくて。自分の仕事のエネルギーの素でもあるんですよね。
何も決まっていないからこそ、可能性が無限という状態が好き。しかも、その無限が自分によって作られることも。私の思いだけじゃなくて、皆と一緒に話していたアイデアが形になる過程がいいんですよ。ベンチャーはまだ決まっていないことがたくさんある中で、価値を作れるのも楽しいです。
一度形にして、だめだったらすこしずつ修正していく、そうやってまた挑戦していく。結局、正解なんてないですし、時代や会社の段階に合わせて、やりながら変えていかなければいけないですよね。
でも、ちゃんと仕事をする時間と遊ぶ時間を分けるようにしているんです。仕事に集中している時間と、趣味で集中している自分がどっちも好きで。
ベンチャーだとありがちですけど、長時間働いていたり、休日にも全部のメッセージに対応していたりすると、「自分の生活のリラックスできる時間、どこ?」みたいな感じになってしまう。
ここ数年はずっと働きながらワンオペで子育てをしていて、自分の時間が全くない状況には、少なからずストレスを感じていました。今年、ようやく一人で仕事に集中できる時間が作れるようになった。これからは遊ぶ時は遊んで、仕事も決まった時間内でできることをやるほうが、効率がいいし無駄がない。
そもそも私は残業が好きじゃないタイプ。無駄にぼーっとしている時間はあまり好きじゃなくて、疲れている日は早めに切り上げて、翌日に頑張ればいい。その上で成果物をちゃんと予定通りに出せるように、常に考えています。
――:趣味の時間は何をしていることが多いんですか?
最近は、音楽に関することが多いかな。今年はやっとフジロックに行けたんです。やるなら全部やろうという気持ちだったんで、前夜祭から、買ったばかりのキャンプ道具を持ってソロキャンで。
今年はフジロックと朝霧JAM。来年は愛知の森、道、市場という大きいフェスにも行ってみたい。センクシャに入って他にも色々なフェスを知ることができたから、他の地方のフェスにも行けたらいいなと思っています。
非現実的なイベントに行く予定を立てると、その日に向けて仕事を頑張れるんですよね。
野外の開放感と、新しい音楽との出会い。フェス飯とビールの組み合わせも最高。学生時代から、ROCK IN JAPANやVIVA LA ROCK、JAPAN JAM…色々なフェスを楽しんできました。
フェスの他にも、ライブハウスに好きなバンドを見に行ったり、知り合いの音楽イベントに遊びに行ったり、音楽好きが集まるDJバーやレコードバーにも行き始めました。
音楽という大きい共通のジャンルの中に皆得意不得意があって、お互いに知識を教え合えるコミュニティが好きなんです。色んな人がいるから、新しい出会いが仕事のアイデアに繋がることもありますしね。
私、人と人との縁を大事にしているんです。必ずなにかの意味があって出会っていると思っていて。今すぐ一緒になにかできなくても、もしかすると将来何か一緒に生み出すかもしれない。
最近よく、「バイブスがすごい」って言われます。でも、自分は楽しんでやっているだけ。新しい場所や新しい組織に抵抗がないから、イベントに行ったときも、色々な人に自分から声をかけに行っちゃうんですよね。それが私の特技って言えるかな。バイブスモンスターです(笑)
大嫌いな「先入観」を、私自身が持っていたことに気付かされた。
――:今、センクシャに必要なことはなんだと思いますか?
まず、しっかり基礎を作ること。ジャズで例えるなら、ベース、サックス、ピアノ、ドラム、どれも基礎能力がないとアレンジができない。自分の気持ちを表現できなくなっちゃうんです。
この間、ジャズを題材にした『BLUE GIANT』を映画館に観に行ったんです。ジャズプレイヤーを目指す主人公が、自分の思いを音で伝えたいという熱量に対して、スキルがまだ追いつかないシーンや、新しいやり方を批判されるシーンは、仕事にも当てはまるなって。とても共感して、映画館で号泣してしまいました(笑)
映画を観ると、すごく色んなことを考えます。私はこういう生き方でいいのか、なにが正解なのか。
センクシャに入ってから、今まで人事をやってきた経験を踏まえて「◯◯が多いんですよ」と話していたら、人事未経験の古川さんから「▲▲でもいいんじゃないですか?」と言われたことがありました。その瞬間に、大嫌いな「先入観」を、私自身が持っていたことに気付かされたんです。フラットな気持ちでいようと頑張っていたけど、気づかないうちに偏ってしまうこともある。
常に肯定ではなく、批判的な見方もできるようにしておきたい。でも、周りと上手くやっていく上では、ずっと批判的な行動をすべきではない。自分のわがままだけでやっていくと、壁にぶつかって無駄な時間がかかってしまうのも好きじゃないし、効率よく自分の最終目的を達成できたほうがいいなと。うまくバランスを取りながら、その時に最善な方法を選ぶべきだと思っています。
――:何年後かに、今では想像がつかないような仕事をしているかもしれないですね。
父が台湾で起業したのを見ていたので、自分もなにかやりたいなとは思っているんです。でも、小松﨑さんみたいに「これを変えたい」というアイデアを持って進む方針を決めることは、今の私にはまだできない自覚がある。でも、今はアイデアを持っている人たちを応援する立場で楽しくやっています。
その人の夢を一緒に作っていく。仕事だけじゃなくて、友達がオーガナイズしているイベントを応援したりするのも同じです。アイデアを持つ人たちの夢が形になっていくところを見届けるのが好きで、そういう人が輝いて見えるんです。羨ましいんですよ。
今の私は「これをやります」って言えないけれど、今は言えない自分でいい。輝いている人を見ると「私ができることをやろう」と思えるし、一緒にやっているうちに誇りを持つようになると思います。
パッと思いついたら、やらないと気が済まないから、もし思いついたらやるんじゃないかな。仕組みがわかっていれば、アイデアが出てきたときにすぐ動ける。それが起業なのかはまだわからないけど、今サポート側にいるのは、そのタイミングへの準備でもあると思います。
だから私はセンクシャで、自分のできること、会社にとって必要なこと、そしてし未来に向けてやりたいこと、3つの面に向かって全力で走っていきたいです。
色んなことが決まっていない状況こそ、私にとって可能性が無限大になります!