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「デザイナーとしての能力をもっと広げたい。自分の想いと、会社の目指す未来が重なった転職。」センクシャの本音と野望|山縣厚志

エンタメ業界にアップデートを仕掛けるセンクシャの、メンバーの素顔に迫るインタビュー連載「センクシャの本音と野望」。

今回は空間デザイナー・山縣厚志。舞台制作大手・シミズオクトで12年間デザイナーとして多くの舞台で活躍し、2023年2月にセンクシャへ入社。これからのセンクシャ、そしてエンタメ業界を担う鍵となるポジションでもある。

入社から3ヶ月経ったいま見えてきた、新たな環境での変化や発見、この先の未来。……その本心に迫る。

▼目次

・たった2時間の本番に込めるもの。一気に高められる魅力に感動がある。
・センクシャの忙しさは、これまでと種類が違う。日々、怒涛のようなスピード感。
・これからは、「こういう世界を作りたい」と思った人がデザイナー、クリエイターになる時代

たった2時間の本番に込めるもの。一気に高められる魅力に感動がある。

――今までのキャリアと、業界に入ったキッカケを教えてください。

前職のシミズオクトには、新卒から12年間在籍しました。コンサートの空間デザイン、図面や意匠図、イメージパースの作成を担当していました。

就活を始めたときは、インテリア、イベント展示の業界に絞っていたんです。当時は就職が厳しい時代で、募集が少なかったんですよ。ライバルたちも多い中で、なかなか希望の会社に受からなくてどうしようかなと悩みながらも、何かデザイン関係に携わりたいという思いがずっとありました。

業界の幅を広げようかと求人を見ていたら、”コンサート”っていうのを見つけて。チャレンジしてみようと応募したのがきっかけです。

当時はコンサート制作の業種って、今よりも更に仕事として知られていなかったと思います。だから、友達とか先生に言っても「何?」みたいな感じでしたね。

――この仕事のやりがいはどんなところですか?

自分が絵(イメージパース)に起こしたものが実際に作られて、いざ本番。完成した舞台を見たときの達成感と感動は、やっぱりやりがいがあるなと感じますね。

コンサートに向けて準備をする時間は膨大です。たくさんの人が携わって、たくさんの時間をかける。でも、本番はたった2時間程度なんです。

この儚い2時間だからこそ、集中的にその空間が一気にみんなのパワーで盛り上がって、より一層魅力を引き出すというか。それも相まって自分の感動、達成感につながってくるのかなとは思っていますね。

――今までで思い出に残っている仕事はありますか?

大変だった大規模コンサートは、やっぱり忘れられませんね。

会場の規模が大きいと、図面もイメージパースもたくさん必要です。関係者のいろんな意向もあってなかなか決まらず、納期まで時間がなくてどうしようみたいなときもありました。

僕はデザイナーなので実際に制作を担当するのは別のチームなんですが、あまりに時間がなくて、本番までに間に合わないからと、僕自身も大道具の塗装を手伝ったこともありました。

本番の前に仮組みの舞台で実際に絵を描きながら調整した現場や、制作チームに寸法の指示を出しながら塗装作業までこなした現場など、大変な状況のなかでも、みんなで作り上げていった思い出は忘れられませんね(笑)。

本番前は、楽しみな部分のなかに不安もあります。そのときは、本番後はきっと乗り切ってるはずだろうと、自分に言い聞かせていましたね。ホッとしている自分、やった、やりきったぞ、みたいな自分がいるはずだ、とイメージして。日々それで乗り切っていました。

センクシャの忙しさは、これまでと種類が違う。日々、怒涛のようなスピード感。

――センクシャへ入社を決めた理由はなんですか?

代表の小松﨑さんとはシミズオクト時代の同僚です。年齢が近いこともあって、飲み仲間でもありました。小松﨑さんがシミズオクトを辞めて、センクシャを立ち上げたのはもちろん知っていましたが、会社についてあまり突っ込んだ話はしていなかったんです。

それがあるとき、小松﨑さんと飲んでいるときに「センクシャはもっと3Dに力を入れていく」という話を聞いて、すごく共感したんです。

僕はずっと、成長をしたいなと思っていました。そのときに勉強したいと思っていたのが3D。ツインモーションが出てきたりして、時代の流れもありましたし、なにより新たなソフトを取り入れて勉強して、自分のデザイナーとしての能力をもっと広げたかった。でも、日々の業務が忙しすぎて、どうしても勉強に時間を割けないもどかしさを感じていたんです。

小松﨑さんにその悩みを話したら、「センクシャだったらそういう機会を与えられるし、環境も整えていこうと思っている」と言ってもらえて、入社を決意しました。

ちょうど子供が生まれて、育児環境に悩みがあったというのも大きかったです。

僕と妻がそれぞれ担当する案件の、本当に忙しい時期が重なってしまって。2人とも家にいられない、でも仕事も育児もやらなきゃいけない。無理やり生活時間をずらして、妻は朝早く仕事に出る、僕は徹夜する、みたいな状況でした。家庭的にもいつか壊れるんじゃないかなと思いました。

上司に相談して協力してもらったりもしたんですけど、当時はどうしても上手くいかなかった。

そういう状況に対しても、センクシャは働き方も考えていくという話をしてもらいました。例えば子供の体調が悪ければ在宅でも良いし、臨機応変に自分で決めていいと。一定の融通がきけば、夫婦がお互い忙しくても好きな仕事を続けられる。それも決め手ではありますね。

――センクシャは「これから作っていく会社」ではありますよね。

センクシャのほうが楽なんてことはない。ただ、前職とは忙しさの種類がすこし違う感覚です。スピード感がとにかく早い。初めての転職ということもあり、新たな環境に戸惑いはあります。こんな新しいことを取り入れてるんだ、と驚くことも多々ありました。更には、僕が入社してからいろんなツールを怒涛のように取り入れて日々変わっている。すこし戸惑いつつも、だんだん慣れてきましたけどね(笑)

これからは、「こういう世界を作りたい」と思った人がデザイナー、クリエイターになる時代。

――人生において大事にしている考えはありますか?

やってみたいことはとりあえずやってみよう、ですね。

一回失敗してもいいから、とりあえずチャレンジして、やらないで後悔するよりも、やって後悔したほうがいいって自分の中で決めています。

いまはデザインの仕事をしていて、そのために美大に行きましたが、通っていたのは普通の高校だったんです。進路を考えたとき、絵を描くこと、ファッション、ものづくりが好きだと思いなおし、そこから美術予備校へ通って、1年遠回りをして美大に入ることができたんです。

日々ふつふつと「これでいいのか」って考えるクセがあるんです。普段は気づいていないけど、日々自問自答していて、ちょっとずつ思いを積み重ねていって、あるとき「やってみよう」と決断に至る。大学受験のときも、センクシャへの転職も、そういう意味では変わらないのかもしれないですね。

――これからどんなことにチャレンジしますか?

今やってみたいこと、チャレンジしたいことは3DCG、3Dで見せる動画です。3Dの新しいソフトにもチャレンジしてみたい。僕がやりたいことでもあったし、センクシャのデジタルツインにつながってくると感じています。

動画はイメージがより伝わりやすくなりますし、CGで作り上げたデータを基に、現実世界に作り上げることができれば、その場所に行かなくても、各々が自分のいる場で体験できる。それはセンクシャの目指す世界にもつながってくるのかなとは思いますね。

――そういう世界になると、デザイナーの役割ってなんだと思いますか?

これからの時代は、みんながデザイナー、クリエイター。リアル、バーチャルに限らず、「こういう世界を作りたい」と思った人がデザイナー、クリエイターになっていくんですかね。

さらに、人の手でそれを作り上げるんじゃなくて、デザインを別のソフトに吸い出してデジタルファブリケーションにつなげていくことだって、実現できてしまうかもしれないですよね。

――新しい仲間とどんな関係になりたいですか?

なんでも相談できる関係でありたいなと思いますね。今までみんな違う会社にいて、いろんな知識を持っていると思うんで、いろんな価値観を取り入れて成長したい。

センクシャのメンバーはみんな性格が違う。僕も変わってると言われるんで、人のことはなんとも言えないですけど(笑)

小松﨑さんのように芯を持った強い人もいれば、瓜田さんのように人望が厚い人、古川さんのように周りを元気にしてくれる人、小出さんのように内に秘めた知識量の人もいますしね。

センクシャのバリューのひとつに「ブライトな多様性」があります。多様性のあるなかで、ちょっとでも歩み寄れる、思いやりを持って接することができるというのが、大事なポイントなのかな。

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