私は、企業する前は、一般の企業に勤めていました。小規模の建設会社、現在と同じような土木会社です。
以前から資金繰りに苦労はしていたものの、何とか返済しつつもどうにか少しずつ利益も上げていきながら何とかギリギリのところでその会社は続いていました。
が、やはりその時はやってきました。返済の為に少し足らないだけの資金を借りることができない。
私は、特に社歴が長かった訳でもなく、役員でも何でもない、ただ現場のボウシン程度のポジションでしたが、会社が好きでしたし、何とかしたいという気持ちは強かったので、自分の給料はもらえずとも残っていた貯金をはたいて業務に必要な建築資材を購入したりしていました。
けれどそんなもんじゃ事足りるわけもなく、倒産という選択肢を選ばざるを得なかった。
当時の社長とは、距離も近かったので、おそらく表面だけではありますがその状況を見る事ができました。
それは、何となく当時の社長にとっては毎日が、時には味方、時には敵になる、お金というモンスターと戦いのように感じました。
倒産を決めてからは、人から逃げるような、隠れるような生活をされていました。
もちろん私にも毎日、居場所を聞いてくる電話がかかってきていました。
もちろん倒産させた当時の社長が力及ばずであったことには違いないのですが、人の脆さも垣間見えたような気がします。
色んな人が色々と言いますが、最後までもがいた社長の姿を見た私には、社長を責めることはできません。
正直言って、いつ自分の会社がそうなるか分かりません。
万が一そうなっても、やはり社員だけは絶対守りたいとですし、倒産したとしても恥じることのないような会社経営を行っていきたいと思っています。
来年の事が分からない時代ですが、決めるのは自分しかいません。
何があってもただ先を見て歩き続けるだけです。