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博報堂テクノロジーズ✕会津大学によるメディア・コンテンツ共同研究開発の発展:大規模言語モデル(LLM)を活用したメディア視聴行動のシミュレーション


博報堂テクノロジーズはこれまで会津大学と共同で、データやテクノロジーを活用したテレビ番組コンテンツの開発や、メディアソリューション開発のための研究、会津大学学部生に対するデータサイエンス特別講座の提供を行ってまいりました。 

本年度は、さらなる連携強化に向けた取り組みの一環として、大規模言語モデル(LLM)の活用研究に関する4日間のワークショップを行いました。本記事ではこれまでの会津大学との取り組みやワークショップの内容をご紹介していきます。 


共同研究パートナー紹介

  • 株式会社博報堂テクノロジーズ / メディアDXセンター データテクノロジー部
マーケティングとテクノロジーの力で新たな価値を創造することを目的に、博報堂DYグループのテクノロジー開発体制を集約し、2022年4月に誕生した博報堂テクノロジーズ。同センターのデータテクノロジー部は、ビッグデータ、データサイエンスを用いたメディア・コンテンツ開発、ソリューション開発を担当。データを用いたTV番組企画立案・制作、GPS位置情報データを用いた観光マーケティングなど事例多数。
  • 会津大学 / データサイエンス&エンジニアリング研究クラスター
  • 福島テレビ株式会社 / 編成制作局メディア戦略部


会津大学、福島テレビとのメディア視聴行動の研究、コンテンツ開発 

博報堂テクノロジーズおよび博報堂DYメディアパートナーズは、2018年より会津大学、福島テレビとメディア視聴行動の研究、およびメディア・コンテンツ開発の取り組みを開始しました。

メディア視聴行動の研究では、テレビ視聴行動分析を目的として、テレビ番組の独自クラスタ分類やテレビ番組の台本データを用いた分析などを行いました。 

またメディア・コンテンツ開発のトライアルとして、福島テレビの情報バラエティ番組「サタふく」のコーナー企画として「2019年当時新型コロナ感染者0の会津若松市民の日常行動を、GPS位置情報データを用いて分析」を提供したり、データを活用した検証番組「アルピーの福島あるある認定委員会」では、「福島県民は朝からラーメンを食べるなどの"福島あるある"を位置情報データやSNSデータを用いて検証」した結果を提供、制作協力しました。 


LLMを用いたメディア視聴行動シミュレーションのワークショップ 

本年度は、これまでの共同研究、メディア・コンテンツ開発のテーマの延長として、共同研究メンバーに加えて、有志の会津大学生を交えた4日間のワークショップを会津大学にて行いました。

このワークショップでは4日間を通して近年話題の大規模言語モデル(LLM)を用いて自分自身を模したエージェントを開発し、自分自身がとあるテレビ番組を視聴するか否かを予測することを題材としました。

博報堂テクノロジーズのメンバーからはオリエンテーションおよびLLMのこれまでの発展や開発フローの説明、そしてアンケート調査回答によるエージェントの生成や、fitbitのデータや自己紹介のスライド資料、講義中に録音した音声など様々なデータを用いて自分自身を再現するTipsや、OpenAIのAPIを用いた高度なLLM活用のノウハウ、LLMを活用したマルチエージェントシミュレーションに関する最新論文を紹介しました。各日程の午後は個人ワークとして学生達が手を動かしながらエージェントを開発、実装において悩んだ点は1日の最後にフォローアップとして博報堂テクノロジーズのメンバーや会津大学教員メンバーにてサポートしました。

そして最終日は成果発表会として福島民友様、福島民報様の取材が入る中、福島テレビ様をゲストとしてお呼びし、学生たちが自身の作ったエージェントの動作デモを発表しました。発表においては、福島テレビの方からその場で該当の番組が指定された上で、自分を模したエージェントにより番組視聴とその理由をシミュレーションしてもらい、開発背景とともに述べてもらいました。さらに会津大学教員から「雨が降った」「友人との約束が入った」などイレギュラーな要因を伝えられ、その条件のもとでエージェントの動作がどのように変化するかをシミュレーションしてもらいました。

自分自身の特徴をエージェントに入力するために、性格診断結果、動画閲覧サイトの視聴カテゴリ傾向など様々なデータ活用がみられました。ある学生は「自分自身の曜日時間帯ごとの移動履歴を機械学習し、該当テレビ番組の時間帯の自分の外出傾向をもとに予測」、別の学生は「自分の中の様々な側面を別のエージェントとして生成し、マルチエージェントシミュレーションにより議論させる」といった工夫が見られました。



今後のメディアソリューション・コンテンツ開発に向けて

本取り組みは一過性のものではなく、ワークショップで得られた知見を参考に、今後もメディアソリューション・コンテンツ開発のための大規模言語モデル活用、エージェントシミュレーションの研究として継続してまいります。得られた成果はAaaS各ソリューションのアルゴリズム改善につなげていくほか、福島テレビ様のご協力のもと、新しいメディア・コンテンツ開発のトライアルとして発表していきたいと思います。





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