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フリーランスは法人成りすべきか?法人成りのメリットデメリット

100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスの山崎レモンサワーです。

今日も複業メディア「ウィズパラ」で取り扱ったテーマ「フリーランスは法人成りすべきか?法人成りのメリットデメリット」について話していきます。(元記事:https://wizpara.com/2413/

じぶんはフリーランスとして独立し、14年以上が経過している超ベテランです。

今でも法人化することなく、フリーランス(個人事業主)として活動しています。

かたや同じく会社組織から独立してフリーになった知人の多くは、早々に法人化し、株式会社の経営者として活動しています。

法人化して株式会社の社長として事業を行うか、フリーランス(個人事業主)のまま事業を行うか、判断に迷うフリーランスの方は多いのではないでしょうか?

単純にどちらかがメリットが多いという話ではなく、働き方や価値観、売り上げ、リスクヘッジ面など様々な点を考慮しなければなりません。

本日はフリーランスが法人化する事のメリット・デメリットを詳しく解説していこうと思います。

フリーランスが法人化する事のメリット


社会的信用を獲得

一番大きなメリットと言っても過言ではないのが、社会的信用の獲得だと思います。

仕事相手が個人の「○○○○さん」よりも、企業体の「株式会社○○○○」の方が、なんとなくしっかりしてそうで、取り引きしても大丈夫と思わせるのに効果は間違いなくあります。

取引先だけでなく、金融機関からの信用も高まります。

おのずと融資を集めやすくなるでしょう。

とくに銀行さんは、社会的なステータスのみで一元的に判断する面がありますから・・。

さらにクライアントや金融機関からの信用・信頼だけでなく、社会全般から広範囲で信用が一段階上がります。

やはりフリーランス(個人事業主)の○○○○さんと、株式会社代表取締役の○○○○さんでは、人に与える印象はだいぶ違いますよね。

信用が上がれば、人材も集めやすくなり、経営がしやくもなります。

人を雇用して事業を展開していくのであれば、法人化は必須の選択肢となるでしょう。

有限責任にできる


仕事で発生した負債を有限責任にできることも、フリーランスから法人化した際のメリットの一つです。

これも大きな大きなメリットになります。

経営悪化などで返済できていない借入や、滞納中の税金、裁判で責任を問われ賠償責任を負う場合など、フリーランスの場合は個人の資産から返済する必要があります。

しかし、法人化することによって、法人格にて事業を行い、その事業(法人格)にて生じた損失・負債・賠償責任など個人としての返済義務がなくなります。

ただ、金融機関から借入を行う際に、個人自らが連帯保証人になる場合は、フリーランスと同じく返済義務が発生するためこの限りではありません。

何にせよ、個人と法人で責任を完全に分離できるということは、個人からしてみれば積極的で攻め気な経営をすることができるようになる大きすぎるメリットと言っても良いでしょう。

高収入の人ほど節税効果が高い

利益が大きいほど、法人のほうが税金が安くなります。

フリーランス・個人事業主の所得税では、利益が高くなればなるほど、税率が高くなる累進課税制度を採用しています。

最高税率は、45%まで上がります。

一方法人では、中小企業の場合、税率は所得金額800万円以下と800万円超の2段階だけです。

最高税率も23.20%と個人より低くなっています。

所得税の税率表

課税対象となる所得の金額税率控除金額195万円以下0.050円195万円超〜330万円以下0.197,500円330万円超〜695万円以下0.2427,500円695万円超〜900万円以下0.23636,000円900万円超〜1,800万円以下0.331,536,000円1,800万円超〜4,000万円以下0.42,796,000円4,000万円超0.454,796,000円

法人税の税率表

課税される所得金額税率所得800万円以下15%所得800万円超23.2%

収入が大きくなれば法人化した方が節税メリットが大きくなるという点がこの税率の仕組みですね。

よく売り上げが1,000万円を超えたら法人化しようなどと言われるのはこのためです。

ただ、法人であげた収益から自分個人へ支払う報酬には、所得税がかかるわけですから、個人視点で見れば節税メリットもそこまで気にする必要もないかなと考えています。

最大2年間、消費税の支払が免除される

原則として、開業時や会社設立時は2年間、消費税の納税義務が免除されます。

その後、「課税売上高」が1,000万円を超えた場合に初めて消費税の納税義務が生じます。

よくフリーランス「課税売上高」が1,000万円を超えて2年後に納税義務が生じるタイミングで法人化し、さらに2年間消費税の納税義務が免除してもらおうという判断をするケースが多いです。

ルールにのっとった節税は悪い事ではないので、こういった税制を知っておくことで、間違いなく事業に有利に働きますよね。

社会保険に加入できる

フリーランス(個人事業主)は、国民保健、国民年金に加入しますが、法人化すると、本人や従業員が社会保険(厚生年金や健康保険)に加入することができます。

もちろん社会保険に加入するには多少の金銭的なコストが生じるのですが、社会保険に加入することによって、会社の福利厚生が充実し、社員の採用がしやすくなったり、離職率を低下させたりするなど、人材確保に有利になると期待できます。

事業主本人も国民年金よりも老後の年金が増えます。

その他、決算期が選べたり、欠損金の繰越控除を受けられる期間が長くなったり、経費として計上できるものの幅が広がったりとフリーランスが法人化することで様々なメリットを享受できます。

フリーランスが法人化する事のデメリット

ここまで挙げた法人化メリットは実に大きいのですが、やはり法人化にはデメリットも存在します。


設立・登記・税務などの手続きに労力・費用を要する

フリーランスでも事業を行うには、開業届を出したり、日々、様々な書類や手続き、確定申告などを行わなければなりませんが、法人化するとなると手続き・税務の煩わしさはもう一段階上がります。

法人化する場合、法務局に設立登記申請に行かなくてはなりません。

また、登記の際には、株式会社の場合、登記代、印紙代だけで24万円ほどの費用がかかるうえ、書類一式を揃えたり、出資金を準備したりと、かなり手続きに手間と時間を要します。

書類は国税局のHPなどでダウンロードでき、手続きに関する説明本も多数出ているので、独学で実施することもできますが、さすがに煩わしいので司法書士や行政書士、税理士の方などにすべての手続きをお願いすることも視野に入ってきます。

ただ、その場合はさらに追加で10万円前後の費用が発生します。

フリーランスに比べて、手間や費用がさらにかかるということです。

赤字でも税金が課せられる

法人の場合、都道府県民税や市区町村民税に「均等割」があり、会社の利益に関係なく、毎年7万円ほどの均等割を支払う必要があります。

所得税は所得が赤字であれば納税額は発生しません。

たかだか7万円と思われるかもしれませんが、赤字で経営がうまくいっていない時にかかる税金ですから、バカにはできません。

今回挙げた税金もそうですが、会社を存続・運営させるランディング費用も、フリーランスが活動するランディング費用に比べ、どうしても大きくなる傾向があります。

会計処理の難易度が上がる

法人化したら、会計処理の複式簿記による記載は必須になります。(フリーランスでも青色申告をするなら必須ですが)

企業の財政の状況を把握する財務諸表(BS/PL/CS)について詳しい理解が必要になりますし、決算報告に向けて入念に準備を進める必要があります。

法人化するのであればフリーランス時代に比べ、より会計や経理への理解が求められるといえます。

というよりも、フリーランス時代であれば独学で身につけた簿記の知識で、ひとりで確定申告まで持っていけますが、法人成りした暁には、会計はその道のプロにアウトソースするのが無難でしょう。

毎月の給与が固定される

フリーランスは、個人が仕事をすればするだけ、その次の月、おそくとも再来月くらいには、働いた分の収入として跳ね返ってきますが、法人ではあらかじめ決めた金額が毎月の給与となり、自由に変更することはできません。

変更できるのは翌年度からのため、会社の利益が急激に上がったとしてもすぐに自分の収入にはつながらないことには注意が必要です。

また、赤字の場合も同様のため、税金の支払いがかさんでしまうこともあり、ここにも注意が必要です。

税務署からのチェックがきつくなる?

個人事業主で実際に税務調査を受けるのは全体の1%程度とされています。

一方、法人の場合は全体の3%程度の割合で税務調査が実施されているのが特徴です。

これは法人の方が売上の規模が大きく、経費として計上できる金額も大きいため、法人の方が税務調査されやすい傾向にあるようです。

税務署の職員さんが税務調査のために動くにも多くの人件費(税金)がかかりますから、金額の小さい傾向にある個人の税務調査よりは、金額の大きい法人の方に税務調査に入る傾向というのは理解できますよね。

法人化後は税務調査の可能性が高くなりますから、何年かに一度は税務調査は入るものだと覚悟しておいた方が良さそうです。

・・・それにしても悪いことしてなくても税務調査が来たら正直怖いですよね。

じぶんがフリーランス(個人事業主)のまま事業を継続している理由


さて、これまでフリーランスが法人成りすることもメリットとデメリットを紹介してきました。

正直、じぶんも法人成りすることのメリット(とくに個人と法人で責任を分離できる面)を考慮して法人成りすることを検討した時期もありました。

しかしそれら法人成りのメリットを享受しなくても、フリーランスとしての立ち回り方を意識することで、充分、問題なく今の働き方を続ける事はできますし、じぶんの価値観や理想のライフスタイルを見つめなおした時に、会社組織の代表取締役よりも、フリー(個人)の自分であることがよりしっくりすると確信できたのです。

背伸びして法人成りして周囲から社長と呼ばれても、多少気持ち良くなるかもしれませんが、そんな実態のない周囲からの目よりも等身大の自分でありたいなと考えた次第です。

人を雇って、数多くの社員を従えたいとも、社会的に成功をおさめたいとも、自分とか家族がそこそこ豊かに暮らせる以上の大金を欲しいとも思っていないので、個人のまま事業を続けようと思います。

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