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#使うからはじまる、つくる

世に商品は溢れていますが、欲しいものがないと思ったことはありませんか?大量消費を前提としたモノづくりの姿勢が「売れそうなモノ」を作ろうとするせいでしょうか。マーケティングの成果なのかも知れませんが、広告に刺激され、売っているモノから選ぶことに慣れてしまった消費者は要るモノはわかっても欲しいモノはイメージが湧かないということになるでしょう。使う側に欲求が無いと、要るモノは作れても魅力的なモノづくりには繋がらないのではないかと邪推します。
 明治後期に大阪で割烹料理が流行った頃には品書きはなく、食道楽は板前にその日の素材を聞きながら食べ方を相談して決めていました。掛け合いによって成立する大阪らしい文化です。方々を食べ歩いた客が他所で経験した味を伝え、腕自慢の板前が素材を活かしてより良い味をと、競ったのだと思います。魅力的なモノを作るには、作り手任せではなく使い手の立場でも欲しいモノを想像し、伝えることから始める必要がありそうです。

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