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「転職する不安より、農業への興味の方が強かった」外食産業からこと京都へ入社したきっかけ

「私がこと京都に入社したきっかけ」第3回目のインタビューは、農産課に所属する前川雅之さんです。

以前は外食産業でレストラン店舗のマネジメントや新店舗の立ち上げなどを担当されていた前川さん。今年(2019)の春に入社され、現在は農産課の課長として九条ねぎの生産チームを束ね、ときには現場で畑作業にも加わるんだそう。

そんな前川さんは、なぜ農業の道を選ばれたのでしょうか。今回は、こと京都へ入社したきっかけや現在のお仕事について取材してみました。

農業の道を選んだきっかけ


「こと京都」農産課に所属する前川雅之さん。以前は全国にレストランを展開する企業に勤務。「自然」と「お寺」が好きで、学生時代にはよく京都でお寺巡りをしていたのだそう。入社して体を動かすようになってからご飯が美味しく感じ太ってしまったので、これからダイエット予定とのこと。


ー 以前は外食産業におられたと伺いましたが、どんなお仕事をされていたんですか?

いや、なんか面接みたいで緊張するね(笑)

僕は、全国でレストランを展開する企業に勤め、店長や新店舗の立ち上げ、マネジメント職などを経て、こちらへやってきました。1年に20店舗出すような会社だったので、新しい店舗ができては行き、できては行き…と、各地を転々としていたこともありましたね。


ー 転職しようと思ったきっかけは何だったんですか?

社長にも面接のときに言いましたが、別に前職に不満があってやめるつもりだったわけではないんです。

外食に関わる中で、実際生産者っていうのはどんなんやろうなって単純に興味があったんです。いろいろ調べているうちに、農業をやるにしても新規就農(自分で事業を興し、農業をすること)より、きっと農業生産法人で一社員として働く方が僕には向いていると感じました。ただ、そういう会社には一度も行ったことがありません。「一度、面接を受けてみようかな」そう思って、最初に来たのが「こと京都」だったんです。

「こと京都」を選んだきっかけは、社長の著書(『脱サラ就農、九条ねぎで年商10億円』PHP研究所)でした。本を読むのが好きなんですけど、ちょうど出版された頃に読んでいて、求人サイトで探しているときにたまたま募集を見つけて、「これ本の人や!京都やし、ちょっと行ってみようかな」と思ったんです。

そう、本当に様子見のつもりで面接を受けたんですよね(笑)

2016年に農業で起業したい人たちへ向けて出版された本。「年商1億円の農家」をめざし当時32歳で脱サラ就農した弊社山田社長のエピソードや、農業経営のノウハウがつまった1冊。


ー それで入社を決めてしまったとは!異業種へ来るのに対して不安はなかったんですか?

今年で40歳なんですけど、農業へ来たらもう外食へは戻れないやろうなっていう不安はありましたね。

でもどちらかというと、不安よりも興味の方が強かったです。調べたら「農業はもうからない」って散々出てくるけど、どうやってここまで会社を大きくしたんだろうって思いました。それに、基本的にどの仕事もやってみないと分からない。前職もそうですけど、会社に入ってみないと分からないことがある。だから、とりあえずやってみようと思いました。

元々農産課の募集だったのですが、面接のとき社長には「ほんまは何やりたいん?」と聞かれました。でもやっぱり加工とかよりも生産の方に興味があったので、農産課を希望しました。

実際に入社してみて

ー 課長職というとマネジメントの仕事ですが、具体的にはどんなことをされているんですか?

今でいうと、収量の管理ですね。「こと京都」には九条ねぎの生産地域が3ヵ所あって、冬は京都市内や亀岡市、夏は涼しい南丹市(美山)といったように季節ごとに産地リレーをおこなっています。各チームにはリーダーがいてそれぞれ生産管理をしていますが、自分の担当地域以外のことを把握しているかというとそうではありません。産地リレーでねぎの安定供給をするには各チームの連携が重要です。なので、情報共有や人数調整などチームの連携がとれるような仕組みづくりをしています。

まだまだ無駄の多い業務があると思うので、少しずつ改善していけたらなと思っています。


あとは人に関することですね。こと京都には社員の他に、新規就農を目指している「独立支援研修生」やベトナムからの「技能実習生」たちがいます。コミュニケーションをとって、みんなの成長をサポートするのはもちろんのこと、「独立支援研修生」なら将来の独立に向けての資金や農地の準備を手伝ったり、「技能実習生」なら日本や寮の生活で困っていることを相談にのったりしています。

モチベーションも大切にしていきたいですね。現在、こと京都は収穫班は収穫、管理班は栽培が主業務といった分業体制です。入社当時は自分でつくって、収穫して、どこかに納めるのかなと思っていたので衝撃だったんです。それだとなかなかモチベーションの持っていき方が難しい部分があるので、「自分で作ったものを収穫まで面倒みて、商品としておさめる」仕組みづくりを今後取り組んでいきます。


ー 実際に入社してみてどうでしたか?

一番は、僕はもっと生産に入れると思ってました(笑)

「農産課」っていう募集だったので、「外でものづくりできるんかな」と漠然と思っていたんです。ただ、やっぱり立場上それができないっていうのもあります。前職でマネジメントをおこなっていたこともあり、今の役職をいただいて全体を知れる立場ではあるので、まずは今できることをどんどん経験していこうと思っているところです。

ー 夏にかなり日焼けされていましたが、現場にはどのくらい行かれているんですか?

そうですね。今は、週の半分くらいしか行けていないかな。

でも、もっと外へ出て作業に加わりたいですね。実務でリーダー以上になる必要はないけど、やっぱり最低限、知識はリーダーくらいかリーダー以上ないとあかんやろなって思っています。今はリーダーから話を聞いて確認してっていうレベルなので。農薬なんかは種類が多すぎて実際に作業した方が早く覚えられますしね。

最近は、追肥で葉面散布(葉に直接液体の肥料をまく作業)をしたところです。今度は防除(農薬をまく作業)をしたり、トラクターに乗ったりしたいですね。


ー これまで、やりがいを感じたことや嬉しかったことは何ですか?

正直まだ「やってやった!」という経験がないので、難しいですね。でも、これからできたらいいなって思っています。

今年は、去年・一昨年のような大規模の台風は来なかったけど、それでも冬葱が足りない状況になってしまいました。どちらかというと自分の仕事としてはできていません。強いて言うなら、今年の台風対策でいろいろ試してみて、どれが一番有効な手段かが分かったこと。それも、僕が「これやってみて」と指示したのではなくて、リーダーたちが自ら率先してやってくれたことが良かったなと感じています。

そんな私はこんな方と一緒に働きたい

ー最後に、農産課メンバーになるとしたらどんなことが必要とされますか?

農産課はいいも悪いも自分次第な環境です。

管理業務になると基本的には一人作業が多いので、やっぱり自分に妥協せず仕事に取り組めることが大切な要素だと思います。この前も補植(苗が機械で植えられなかったところを、手で植えていく作業)をしていたんですが、一人だとやっぱり「休みたい」ってなりましたからね。そこが難しいところ。時には手を抜いてしまうこともあるかもしれませんが、そこをきちんと修正できる、自分でメリハリをつけて仕事ができる人ならすごく助かるなぁと思います。

あとは、仕事を楽しめる人。最初は決められた仕事をするのがほとんどですが、その中でも自分で楽しみを見つけられる人。そういう人は、「作業」ではなく、「仕事」ができる人だと思います。


ーなるほど。取材させていただきありがとうございました!



入社のきっかけを始めとして、仕事に対する考え方やチームへの思いをお聞きできました。

取材の中で「会社に入ってみないと分からないことがある」と前川さんは述べられましたが、今後もそれぞれの職場の雰囲気も含め、仕事の進め方、農業に対する思いなどをありのままにお伝えしていきます。

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