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テクノロジーと共に生きる僕がメンバーを経て SANU に辿り着くまで

SANUチームが人生と仕事について語るシリーズ。毎週1名ずつ、自身の言葉でWantedlyにて記事を公開します。今回はスタッフソフトウェアエンジニアの竹野 創平です。


竹野 創平
スタッフソフトウェアエンジニア
2016年にウォンテッドリー株式会社に入社。各プロダクトの設計・開発・グロースを行いながら、ソフトウェア基盤の構築やアーキテクチャ設計を行う。SANU 2nd Home のローンチ時に申し込んでメンバーとして使っていたが、2023年9月に1人目のソフトウェアエンジニアとして参画。

大学に入るまでは、滋賀県の大津という場所で多くの時間を過ごした。左手に比叡山、正面に琵琶湖がドーンとあるというのが大津における典型的な景色で、湖と山に囲まれた良い場所だ。

滋賀では「湖」は「うみ」と読むことが多い。実際、自然とそう言ってしまう存在感がある。

よく自転車で湖岸を走っていたのだが、中央に湖があり周囲に山があるおかげで、Google Map が無くても(無かったけど)大体どちらに行ってるのかわかる。山を越えるとすぐ京都なのだが、京都が人工的に設計された碁盤の目の直交座標系なのに対して、たぶん大津の人は極座標系を持っていると思う。人工と自然の環境によって、住む人の生活世界が変わるのは面白い。

家のすぐ近くの大津港。ここに寝転びながら本を読むのが気持ち良かった。 / 写真:びわ湖大津観光協会

思えば子供の頃から「何かを形にする」ということが遊びの一つになっていた。

最初はレゴや木工のクラフトキット、何かの付録のペーパークラフト。それが途中から、ホームセンターで木を買ってきて積み上げたり、紙を買ってきて自分で線を引いて組み立てるといった遊びになっていった。歴史が好きだったのでよく城の模型を作ったりしていた。だから家にパソコンが置かれたときにも、それは対象が材料の要らないソフトなものになったというくらいで、それはあくまで形にするという遊びの延長だったと思う。

しかしこれがインターネットが引かれたことで、1人の遊びが世界に開かれていく。

高校生の頃、対戦型カードゲームにハマった。カードゲームには店舗での対戦や大会があって、ときには学校を1日休んで大会に出かけたりしていた。そういう趣味の仲間とは当時 Skype という音声通話で繋がっていて、お互いの住む場所に行ったときはファミレスに長居して遊んだりしたものだったが、途中からそれでは飽き足らなくなり、通話の延長としてゲームがしたいと思うようになった。

そこで仲間のプログラマーと一緒に、オンラインでも対戦できるような Windows のソフトを作った。自分はプログラム以外の部分、UI やサイトを制作・運営した。やがて作ったソフトは仲間内で遊ばれるようになり、大人買いをして揃えたカードをエクセルに打ち込んでくれる人たちも現れた。遊びたいという共通の目的に人が集まってくる。

大学生の頃になると今度はゲームセンターの対戦ゲームにハマったが、当時のゲームセンターはオンラインに接続されいなかったため、人のプレイを見ようと思うと自ら足を運んで後ろに立って観戦するしかなかった。それで、店舗の人に協力してもらって録画したものをプログラムで自動処理をして自前の動画サイトから自由に見られるようにした。狭い世界だったが、プレイヤーの結構な割合が観るようになった。うまくキマった3秒のプレイだけでビール1杯飲めるのだからそれはそうだろう。

そんな感じで、僕にとってはものをつくるという行為は仕事の前に遊びであり、インターネットは好きなものを広めたりもっと楽しめるようにするものだった。

現在では、この分野にはeスポーツという名前がついていて盛り上がっている。オンライン対戦は当たり前になり、ゲーム配信は YouTube の1ジャンルを築いている。観戦も含めてみんなで楽しむものになった。

面白いなと思うのは、この楽しさは知っている人はずっと前から知っていて、それでも広がるのに時間がかかったことだ。それにはテクノロジーの浸透と、そしてそれによるちょっとした行動の変化の積み重ねがある。最初は誰も必要だと思っていなくて、でも気づいたら社会の文化の一部になっていく。

ものづくりが好きだったこともあり大学選びは困らなかったが、そこからこれが自分の仕事だと思えるようなことに行き着くまでには結構時間がかかった。

東京工業大学ではコンピュータサイエンスを学んだ。プログラミングという技術を、手を動かすクラフトだけでなく、予言性と再現性を持つサイエンスの両面から学ぶことができた。どちらも欠かすことのできないプログラミングという技術の本質だ。

プログラミングのことを学んだ本。2年間毎日持ち歩いて読んだ。


ただ、技術についてきちんと学ぶことができた一方で、ちょっとした窮屈さのようなものも同時に感じていたのも事実だ。特に自分が使っていて良いと感じる、Mac や iPhone のようなものが生み出されるのに、何かが欠けていると思った。

今となっては当たり前のことなのだが、工学(エンジニアリング)は〈どうやって作るか〉は扱っているが、〈なにを作るか〉は直接的な対象としては扱っていない。そういうものは、技芸的にはデザイン、学問的には人文学・社会学といったことと関係していた。それで当時は色々な本を読み漁ったり、時には他の大学まで足を運んだりした。

とある芸術系の大学のプロダクトデザインの講義に出た時のことだ。それはこんな風に始まったのだった:“君たちの殆どは産業界に行くことなく自分の作品を売って生きていくことになると思うが、この講義では産業界におけるものづくりとはどんなものかを知ってほしいと思う…

これは工業系の大学にいた自分にとっては結構衝撃的で、そんな世界があるのか!と思う体験だった。エンジニアリングの隣にデザインがあると思って歩いて行ったら、デザインの隣にアートがあったのだから。

このようにプロダクト・サービスを作る広がりと面白さを知ったことで、高度に分業された外資系のソフトウェアエンジニアではなく、当時まだ小さかった Wantedly でプロダクトとサービスを作ることを選ぶ。

Wantedly には8年間いたので様々なことがあったが、技術を活かしつつプロダクト・サービスを組織として作ることの奥深さを存分に体験して、これが自分の仕事だと素直に思えるようになったのだった。

ただ同時に Wantedly を選んだ理由である働き方・特に採用と雇用の画一性の課題については、サービスを運営する間に確実に社会が変わっていった感覚があり(Wantedly はこれをビジョン共感を軸にカジュアル面談やインターンシップといった行動様式をスケールするサービスに展開することで後押しした)、自分の中で実現したいことも "Create a world where work drives passion." からシフトしていった。

さて、そんな折に出会ったのが SANU 2nd Home というサービスだ。これはもう見た瞬間に申し込んだ。というのも、3ヶ月に一度、仕事を離れて静かな自然の中に行くというのがルーティン化していたからだ。

最初はそれまでのルーティンの代替だと思って使い始めたけれど、ホテルと違って料理ができ、それまで行ったこともないような場所に素晴らしい景色があり、代替の効かない 2nd Home になっていった。


SANU 2nd Home - 白樺湖 2nd
白樺湖拠点から15分のところにある車山


そしてメンバーになって1年ほど経ち、「どんな人たちが作っているのかな?」と興味を持ってメンバー向けのイベントに足を運んだところ、ものすごく真剣に(でも楽しく)話す SANU の人たちを見て、何か手伝えることはないかなと素直に思ったところから、今に至る。

入社した理由は元々サービスが好きだったというだけでなく、たくさんある。一つは "Live with nature." を語る創業者の Gen さんや Hilo さんの言葉が本気であること。巨大なテーマを抱えてスタートアップとして成長しながらそれを信じ続けることはとても難しいけど、ものすごく価値がある。一つは SANU の建築や発信を見て、良いものづくりができると思ったこと。さらに一つは文化になりうると思ったこと。

がっつり SaaS 企業だった前職と比較して、一見ソフトウェアが主流ではないところに行ったように見えるかもしれないが、実のところそんなに違いはないと思っている。前職だって画面の上のサービスのように見えて人と人が会って話すということがその実で、テクノロジーはそれをものすごく低いコストで実現したりアクセスを高めたりといった役割を演じてたと言えるから。

そういう意味ではこの日本中の自然に広がりつつある SANU 2nd Home の拠点群をサービスとして開発・運営・提供することはチャレンジングで超面白いのだが・・・そのことはまた記事を改めて書くとして、今回は何故 SANU を自分が選んだのか、その背景を語ってみた。

最近は自然を眺めるだけじゃなくて入るのも良いなと思い始めたり @野沢温泉 w/ SANU Team

ここまで読んで下さった方、ありがとうございました!

現在、SANU ではノーコードからの置き換えとしての本格的なソフトウェアのシステムと素晴らしいチームが立ち上がりつつあります。今後も SANU を一緒に作っていく仲間を募集していきますので、興味がある方は気軽に声をかけていただければと思います。あとサービスもめちゃめちゃ良いので是非。

株式会社Sanuでは一緒に働く仲間を募集しています
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