狭い世界ではもったいない。外の世界を見てみたい。
ーー ニッポーに入社するまでの歩みを教えてください。
学生時代、英語を話せる海外出身の先生に影響を受けたことがきっかけです。先生と会話を重ねるうちに、「日本という世界の中だけで終わるのは、もったいない。」と思うように。海外の広い世界に憧れて、日本の大学を卒業後留学しました。
結局2年ほどアメリカ生活を満喫。海外に憧れて飛び出したけど、帰国してみたら日本の居心地の良さには感動しました。母国語で会話できるし、ご飯も優しくて美味しい。特に、お蕎麦の親しみある懐かしい味ときたら…。日本はやっぱり最高ですね(笑)。
ーー その後ニッポーに新卒入社されましたが、当時から会社を継ぐことは考えていましたか?
「決まってはいないけど、いつかは会社を継ぐんだろうな。」と、正直ぼんやり思っていたくらいでした。ちなみにニッポーは、創業者から始まり、私の父が2代目、専務のお父様が3代目、そして私が4代目です。
現在地の“見える化”で、真の意味での土台を0から築く。
ーー 社長になってからの取り組みを教えてください。
会社の現在地の“見える化”です。例えば、実現したい未来に対して、いざ「頑張ろう!」となっても、現在地が不明であれば頑張り方がわかりませんよね。現在地を表すためのいち手段として、数字化していこうと思いました。
今の時代では当たり前のことだけど、私が社長になった当時は、その仕組みがまったく整っていなかったんです。
ーー どのように仕組み化・数字化を進めていったのでしょうか?
前提、私は数字化のプロではありません。私だけで必死にやっていても、手探り状態になるだけ…。ですから、その道のプロと一緒に進めていくことにしました。人の持ち味を活かすという言葉があるように、得意な人に頼ることでうまくいくこともあります。このスタンスは経営の至るところに活きています。
数字化していった時に、メンバーを正当に評価できる仕組みも必要だよね。となって、結果として評価制度も0からつくることに…。課題を洗い出すところから、会社の土台を泥臭く作り込んでいきました。
こだわりではなく「やりたい」で議論し、愛着を生むシゴトを。
ーー ニッポーのものづくりには、どのような文化が根付いていますか?
和して同ぜず。仲間と議論を重ね、一番の解決策を導く文化が根付いています。尊重し合うだけではだめなんです。年齢・役割・人種関係なく、時には建設的に意見をぶつけ合う。そうしてお互いが100%納得すれば、誰が見ても一番合理的な答えに自ずと近づくはずなので。
もうひとつは、ボトムアップな文化でしょうか。命令形よりも自分で考え試行錯誤する方が、シゴトの面白さを体感できる。愛着も生まれると思います。
この2つは、アメリカ留学で体感したことです。
ーー 普段から、ニッポーの仲間に言い聞かせていることはありますか?
「こだわりをもたない」でしょうか。責任を負わない、手を抜くといった意味ではなくて、方法はたくさんあるから試してみようという意味です。
同じ方法ばかり繰り返しても面白くないし、新しい方法から新しいものが生まれるかもしれないでしょ?失敗しても良いんです。むしろ失敗を恐れたら、何もできなくなってしまいます。
基礎力は高く。ご縁に感謝しシゴトを楽しむ。
ーー どんな候補者と一緒に働きたいですか?
挨拶ができる人です。挨拶ができる=基礎力が高いということだからです。
突然ですが、能力の話をしましょう。能力とはいわゆる可能性といったもので、人によって差があるかもしれません。能力を鍛えることは、もちろん大切。一方で、個人だけではいつか限界がくると思っています。では、チームだったら?個々の能力を掛け合わせて、もっと大きなことができますよね。
チームになる=人間関係を構築する必要があり、構築するためのスキルが基礎力だと思っています。能力とは別物です。高い基礎力を、いつでも発揮できる状態も欠かせませんよね。
ーー 最後に、候補者にメッセージをお願いします!
せっかく仲間になるのだから、一緒にシゴトを楽しみたいと思っています。だって、全世界には81億もの人がいるのに、出会えるなんて奇跡だと思うんです。
あなたとの縁、仲間との縁、お客様との縁…。すべてのご縁を大切にしたいです。