創業から代表と二人三脚でサービス開発を担ってきたCTOの松井謙。今回のインタビューでは、真鍋さんと松井さんの出会いから始まり、サービス開発をする上でのやりがいや苦労、また、これからどんなメンバーを迎え入れたいかなど、過去・現在・未来について一気通貫でお話を伺いました。
ー改めて、これまでの松井さんのご経歴についてお聞かせください!
大学時代は機械工学を学んでおり、自動車関連の会社に就職される方が多い学部に所属していました。自分もいつか自動車に関する仕事をしようと思う一方、趣味で音楽をやっていまして、学生時代から事務所に所属しアルバイトで音楽制作をしていました。
卒業後は小さな芸能プロダクションに就職する道を選び、このまま音楽で生きていこうと決意。ろくに就職もせずに、その道を突っ走っていました。アルバイト時代を含め4年ぐらい音楽制作をする中でPCのスキルは身に付いたものの、音楽の才能はそこまでだと気付き、2年ほどで道を諦めました。
丁度その頃、ホリエモンがメディアを席巻していた時期で、これからはITが来るだろうと。そこからエンジニアとしての道を目指しSIerに転職をしました。
そこでは、色んな会社のシステムを作っていましたが、その中で、ヤフーのとあるサービスを作ることになり、それををさらに発展させるという名目で、ヤフーに転職したんですね。ヤフーには10年ぐらいいましたが、ほぼ決済系のサービスを担当していました。
ー真鍋さんとはヤフー時代からのお繋がりかと存じますが、どのようにして出会われたのでしょうか?
入社して5年ぐらい経った時に、ひょんなことから真鍋と出会いました。
当時、社内では経営層の意思がメンバーに伝わりにくく朝礼が面白くない、という経営課題があり、「では会議を面白く主体的な場にしよう。」という目的で社内プロジェクトが立ち上がったんです。そのプロジェクトを真鍋と一緒にやっていたんです。
ーまた興味深い出会いですね!
僕自身は決済系のエンジニアでしたが、こうしたプロジェクトを通じて経営層と関わる機会や、経営層の意思を下に伝えていく機会を得る中で、自分自身でも会社をやってみるとか、組織を率ることに興味を持つようになりまして。
また、真鍋がもともと「色々チャレンジしたい!」というエネルギーの強い人間で、そうしたエネルギーにも影響され、何人かでソフトバンクの新規事業コンテストに応募し続けていたんです。こうして新規事業を起案しているうちに、ゲシピの原型となるサービスを思いつき、「これはやるしかない。」と。
そこで、2人ともヤフーを辞めて起業しました。
ー創業されてからの松井さんの役割について教えてください!
ゲシピではエンジニアとしてシステム開発を担当しています。最初に作ったのがeスポーツのテクニックを動画で解説するハウツーサイト。ゲシピの元々のビジョンが「わからないがわかるに できないができるに」なんですが、そのビジョンに基づきゲームのレシピ「ゲシピ」を立ち上げました。
わかるようになったら次は練習しないといけないということで、eスポーツに特化したコミュニケーションサービスを。その次に練習する環境が必要だ、となり、行き着いたのがeスポーツの練習道場。これがメトロさんと協業という形で実現したeスポーツジムです。
システムの話で言うと、eスポーツのクラスを管理する仕組みやオンライン上で申し込みができるような予約管理システムを予定しております。
ーサービス開発をする上で心掛けていることはどんなことですか?
バランスを意識しています。システムは色々なことを楽にしてくれたり、できないことを可能にしてくれたりしますが、それをくみ上げるまでって物凄く大変なんです。
やり始めたらキリがないし、突き詰めたらいくらでもお金も時間もかけられます。でもそれだと事業の成功には近づくことが難しい。だからこそ、クオリティとスピードのバランスを大事にしています。
生粋のエンジニアだったら、そうは言わないことが多いかもしれませんね。僕は、エンジニアの世界で最初から生きてきた訳ではないですし、「何かを成し遂げたい」という思いが先行しているのかもしれません。
ーこれまでサービス開発をやってきての面白味ややりがいはどんなところでしょうか?
全て自分たちで決められるのが最大の魅力ですよね。ゼロからサービスを考えられるのはエンジニアとしてはチャレンジングでやりがいのある環境です。
ゲシピでは副業のエンジニアが手伝ってくれているのですが、彼らがなぜ僕らのところで副業をしているかというと、「ゼロからサービスを作る経験をしたいから。」なんです。
ーゼロからサービスを作る経験はそう簡単にはできないですから、本当に魅力的です。一方で、これまで苦しかったこともおありじゃないかと思いますが、いかがでしょうか?
エンジニアリングが結果を結ぶのに相応の時間がかかるということです。前提として成功するビジネスモデルがあって、それをスケール出来るのがエンジニアリングという手段なので、「成功した!」という状態までなかなか早くいけないのは、エンジニアとしても辛いところです。
ー「相棒」である真鍋さんとはどんな関係性でいらっしゃるのでしょうか?
僕らの関係性で言うと、真鍋が攻めで僕が守りという役割分担かな、と思っています。ツートップで攻めるというよりかは縦に並んでいる、というイメージですね。基本物事を決めるのは真鍋ですが、彼も自信がなかったりする時や迷ったりする時があるので、そういう時に僕が後ろから意見を述べたり、同意したりする感じです。
それから、真鍋はeスポーツ大好き人間ですが、僕はそうでもなくて。でもこの関係もある意味良いかなと。客観的に冷静に俯瞰するというのが僕の役割かな、と思っています。
ーバランスが取れていらっしゃるんですね。松井さんは、なぜ真鍋さんと一緒にやりたいと思ったのですか?
人間性が非常に素晴らしい方で、昔から尊敬していました。彼と一緒に仕事ができることにネガティブなイメージがなかったんです。
ヤフーの時は調和をとって物事を進めることを意識されていたようで、基本何に対しても否定はしないタイプ。一旦、周りの意見は受け入れるが、それに対して自分の意見をぶつけて、組織をマネジメントしていくところが素晴らしいなと思っていました。
彼の魅力は、事業ややりたいことにすごく正直なところです。やりたいことのためには妥協しないという強い意思が魅力だと思っています。何かを話している時に、彼のやりたいことやこだわりが話の中で見えてくるので、僕もそれに対してどうしようか考えることができますね。
ー最後に「未来」についてお話をお伺いできれば、と思います。まず、松井さんご自身のビジョンについてお聞かせいただきたいです!
事業の成功の為にバランスを貫きたいと思っていますが、同時に成長していく未来を一歩先に描いていかないといけないので、僕がテクノロジーをリードしなくてもいいような組織を作りたいと思っています。色々なエンジニアと触れ合う中で、エンジニアって「考えたい・作りたい」という思いが強いので、その気持ちを尊重したいですね。僕が技術的な方針を打ち出すというよりかは、ボトムアップで「チームやメンバーがやりたいからやる」というチームを作りたいと思っています。
ー松井さんが目指す「チーム」にいるメンバーは、どんな人物像であることが想像できそうですか?
僕自身がeスポーツ大好き人間ではないので、正直「eスポーツが好きかどうかは関係ないのかな?」と思っています。ただ、チームが決めたゴールに向かって、自分の意思を持って走ってくれるメンバーがいてくれたら嬉しいなと思いますね。取締役であれ社員であれ、自分の武器を発揮しながら、お互いの弱みを補い合っていきたいです。
やりたいことに正直なひと、そういう意味ではeスポーツに関われるならなんでもやりたいという人、eスポーツがすごく好きではなくても何かを成し遂げて成功したいという強い意思がある人に来て欲しいな、と思いますね。