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薄くて軽い半導体デバイスが創る未来、そのためにすべきこと

我々の有機半導体技術により「薄くて軽いデバイス」が出来上がったら、

【IoT】土木建築や工場など大きな建造物の不具合を、人力を介さず、充電などもほとんど不要で安価にセンシングすることができたり、

【ウエアラブルデバイス】着けている感覚がないため装着のハードルが下がり、今よりもっと一般の人にヘルスケアデバイスが広がるなど、

非常に広い範囲の社会変革が想定されます。

一方、ここを読まれるような方にとってこの程度の将来像は「よく見る」、正直食傷気味なものではないでしょうか。

当事者として関わったことがあれば、

・導入コストが高くて市場に受け入れてもらえない...

・誰がお金を出すのか?市民が払うわけがないし、自治体には財源がない...

・業界を仕切ってきた既得権益者が損をするため大手を振って推進しづらい...

といった問題も、苦々しい経験とともに思い出されるかもしれません。

ここで我々の「薄くて軽いデバイス」の一商品として、「姿勢・振動・温度」を同時に測るフィルム型デバイスを挙げます。宅配便で運ぶ荷物にこのデバイスを貼り付けてモニタリングすると、荷物を預けてから到着するまで、営業所でトラックに積むときに、また、トラックの中で、中継地点で、ラストワンマイルで、どのような扱われ方をしたのかがわかります。私も何度か研究チームから見せてもらいましたが、非常に興味深いデータでした。(配送業者さんのために、詳しい話は差し控えます...)しかし、この情報に誰がお金を払うのか?というと...

消費者? 1000円前後で宅急便を扱う消費者がプラス数百円を支払うとは思えない

配送会社? カツカツの利益を削る余地はない

可能性がありそうなのは、現在の社会だと、荷物を絶対に安静に一定温度で届けてほしい人(=例えば、柔らかいフルーツやお菓子の販売者)のみです。しかしセンサーをつけて「輸送の安静度はどうだったか」が精度高くわかったとしても、安静に運んでもらえるわけではありません。フルーツを売る人がそれで納得するかというと、するわけがなく...安静に運ぶ保証を得るには、やはり配送会社の協力が必要になります。

では配送会社の協力はどうやって得るのでしょうか。「荷物にセンサーをつけると儲かる」あるいは「荷物にセンサーをつけないと損をする」という仕組みを用意する必要があります。結構大がかりな仕掛けになります。

普通のセンサーメーカーであればここで議論が止まってしまいます。メーカーが立ち入る領域を超えているからです。竹谷岡本渡邉研究室では、この仕組みを作るためだの会社をつくろうか?ということも検討しています。

みなさんならどのような仕組みをお考えになりますか?

東京大学 竹谷岡本渡邉研究室では一緒に働く仲間を募集しています
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