こんにちは、東急株式会社「URBAN HACKS」採用担当です。
URBAN HACKSは、交通事業を軸に不動産や商業施設開発、ホテル等多彩な事業を展開している東急株式会社が、街づくりにおけるDXを目的に、2021年7月より生まれた新組織です。現在、新たなイノベーションを生み出すべく、積極採用を進めています。
URBAN HACKSには独自の「委員会活動」が存在し、メンバー全員がマネジメント業務を分担しています。なぜ委員会という独自の手法が生まれたのか、実際にどのような組織運営が行われているのか、VPoEの宮澤さんとピープル&カルチャーの妹尾さんにお伺いしました!
多種多様な委員会活動を通して組織を運営
―URBAN HACKSにおける委員会活動とは、どのようなものなのでしょうか?
宮澤:委員会活動は、一般的な組織のマネージャークラスが担う業務を、メンバーが分担することによって組織運営を行い、また参加するメンバーのスキルアップや新しい経験を得ることを目的とした仕組みです。
最初に生まれたのは、評価スキームを検討するための評価体系委員会でした。2021年10月にURBAN HACKSの一期生がジョインしたことを受け、東急の既存テンプレートに縛られない新たな評価基準を策定しようとスタートしています。次に生まれたのが、課題探索委員会です。文字通り、通常はマネージャーが行うような組織の課題探索を主目的としています。さらに組織のグッズ制作やイベントを企画する組織活性化委員会や、プロジェクトチーム間の横連携により成果の最大化を目指す、開発成果向上委員会などが誕生しました。URBAN HACKSには組織への課題感を持っているメンバーが多いので、ボトムアップの提案で委員会が発足するケースも多々あります。
委員会は基本的に課題ができたら発足し、解決したら解散しますが、必要があれば柔軟に形を変化させる、長期的に運用をするなど、さまざまな形態で実施しているのが特徴です。実際に評価策定委員会は組織のフェーズの移り変わりとともに、メンバーの育成を行う育成教育委員会、採用活動を含めた人材開発委員会へと形を変えています。
👆VPoE 宮澤
―なぜ、このような委員会活動による組織運営が生まれたのでしょうか?
宮澤:当初は、一般的な組織のようにリーダーを立てる選択肢もありました。ただ、東急という組織の中で、URBAN HACKSは全く新しいことにゼロから取り組む立場であり、今後は不確実性の高い世の中に突入していく必要があります。そんな状況では、誰かが強いリーダーシップを発揮して組織を引っ張るやり方は通用しないのでは?という思いがありました。
どうすればメンバーの能力を最大化し、成果を出すことに集中できるのか。ここにフォーカスしてリーンな組織運営を実施してきた結果、「今のURBAN HACKSの最適解」としてたどり着いたのが、目の前の課題に対してメンバー全員で自律分散的に取り組む、委員会活動による組織運営だったんです。
自律型という意味ではホラクラシーやティールといった組織形態がありますが、これらのやり方はメンバーへの報告義務が生まれるため、結局コミュニケーションコストがかかります。本質的にはヒエラルキー組織でマネージャーに報告する形と変わらないと感じたからこそ、仕組みを決めきらず、独自の新しいやり方を模索してきました。
妹尾:こういう形が成立しているのは、URBAN HACKS自体が「独立性の高い内製開発チーム」として発足しているからだと思います。宮澤さんが髙橋社長と議論した上で組織の権限もしっかり握っているからこそ、ここまで自由度の高い組織運営が可能なんです。
👆ピープル&カルチャー 妹尾
委員会活動は業務の最大10%まで。最小限のリソースで柔軟に推進
―実際に委員会が発足されたら、どのようにメンバーをアサインするのでしょうか?
宮澤:委員会によって千差万別ですね。例えば組織活性化委員会なんかは、「URBAN HACKSのグッズを作りたい!」というメンバーから、すぐに手が挙がりました。一方で人材系の委員会は、前職で人事や評価に携わっていたメンバーに私から声を掛けて組成しています。開発成果向上タスクフォースの場合はプロジェクト間を横断する必要がありましたから、デザイナーやフロントエンドとバックエンドのメンバーを上手く織り交ぜてアサインしています。
―委員会はどのような形で運用されているのでしょうか?
宮澤:委員会活動に割くリソースは最大でも10%までと取り決めて、通常業務と両立してもらっています。短期的に仕組みを策定する必要があるケースは20%まで引き上げることもありますが、原則10%、1週間のうち半日までです。
―これまでどのような委員会活動が行われてきたのか、具体的な事例について教えてください。
妹尾:例えば組織活性化委員会では、URBAN HACKSのネームカードやTシャツ、パーカーなどのグッズ制作を行いましたね。メンバー同士が交流できるようなイベントも毎月設計しています。クリエイティビティを発揮できる委員会なので、メンバーはみんな楽しそうに活動していますよ。
課題探索委員会の場合は、組織のミッション・ビジョンの達成、個人のバリューの発揮などのために障壁となる課題を発見し、解決を促進します。例えば今は、チーム人数が増えたことにより管理が煩雑になっている課題について深掘りしているところです。端的に言えばリソースマネジメントが必要ですから、具体的にどんな内容に取り組むべきなのか、どんな採用要件が必要なのかなどを検討した上で、宮澤さんに課題を上申します。活動は週に1回で、メンバーはローテーションで今後変更していく予定です。
URBAN HACKSは「成長のループ」を実現するための器
―委員会活動を通してメンバー自ら組織を創っていくメリットはなんですか?
妹尾:マネージャーが存在しないからこそ、自分たちで課題を見つける「自考自走が可能な組織」になれることでしょうか。
宮澤:自分の興味の範疇外だと思っていた組織的な活動も、自分ごとになれば積極的に取り組めますからね。そういう組織の運用を担うことが、メンバー個人の成長にもつながります。例えば自分で働く組織の評価基準を自分で決められるケースは、非常に少ないですよね。エンジニアやデザイナーとして、技術面以外の幅広いスキルアップが望めるでしょう。
妹尾:通常なら組織の管理者や人事担当者が決めるような、上流工程に関われるということですよね。もしも組織の現状に不満が出てきたとしたら、自分で変えられる可能性があるんです。
―今後、URBAN HACKSはどのような組織を目指していくのでしょうか?
宮澤:誰もやったことがない、未知への挑戦をし続ける中でメンバーが成長し、それによって組織も一緒に成長していく――。私はURBAN HACKSを、そういう構図が描けるような集団にしたいと考えています。組織が成長すれば当然自分たちのケイパビリティは高まり、さらなる個人の成長が期待できるでしょう。URBAN HACKSは、成長のためのループを実現する器であり、仕組みなんです。私はそれこそが、「エンジニアの理想郷」なのだと考えています。
妹尾:HR視点で見ても、「エンジニアの理想郷」を目指し続けてほしいです。私自身、東急に入る前の転職テーマは「エンジニアの楽園を作りたい」でしたからね。
独立性の強い内製開発チームであるURBAN HACKSは、コングロマリットなビジネスドメインへの理解を深めながら、エンジニアリングの理論やCX設計に対して強い意志を持って取り組めます。そういった土台を髙橋社長や宮澤さんが築いてくれているからこそ、「エンジニアの理想郷」が成り立つと思っています。
その中では、ほかの組織で実践されている体制やフレームワークが最適解とは限りませんし、むしろ一つの解答をすぐに決めきる必要はありません。自分たちの大きなビジョンを描きながら、どんな変化にも対応できるような余白を持っておくことが、今後のURBAN HACKSのポイントなのではないでしょうか。