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大企業を辞め単身渡米、植物工場に魅せられて飛び込んだベンチャーでの挑戦

社員インタビュー第一弾は、2019年にOishii Farmに参画し、Farm業務とR&D業務を担当する、内藤 真介さん。

内藤さんの職場は大きく二つ。農場と研究開発センターです。農場では、イチゴを安定的に生産するための農場全体の管理(栽培条件やオペレーションの管理)および長期的な戦略立案を行っています。もう一つの研究開発センターでは、これまでにない美味しいイチゴをいかにたくさん作るか、という目標をもって、社内で研究を行うとともに、大学の先生や、農家さん、メーカーの方々とコラボレーションしながら研究を行っています。

ー 内藤さんと言えば「植物工場のエキスパート」ですが、簡単にこれまでの略歴を教えてください

大学では機械工学の学部に所属し、大学院では精密機械と生物を組み合わせたような研究を行っていました。大学院を卒業後には、携帯電話に興味があったため、シャープを就職先に選びました。残念ながら、携帯電話に直接関係する部署には配属されなかったのですが、その部署で研究していた半田などの接合技術がきっかけで入社して半年くらいで新型太陽電池の開発プロジェクトに入ることができました。会社としても大きなプロジェクトで、製品の開発から量産ラインの立ち上げまでを経験し、「モノの作り方」を学ぶことができました。これが自分にとって成長できる大きな転機になったと思います。


ー 最初から植物工場に関するお仕事をされていた訳ではないのですね!いつからこの道に?

そうですね。新型太陽電池のプロジェクトのあと、また同じような太陽電池のプロジェクトの話があったのですが、その頃には新しいことをやってみたいという思いと、もともと持っていた「海外に行きたい」という思いが強くなっていました。

そんな時に、社内公募という制度で、イチゴの植物工場事業をドバイで立ち上げるプロジェクトの人員募集がありました。植物工場自体にもともと興味があったわけではないのですが、海外で働けるということと、バイオテクノロジーに興味があったこともあり、応募することにしました。それが私の植物工場についての仕事の始まりです。当然、最初は何の知識も無いので、自分で勉強したり、先輩や専門家の人たちの話を聞きながら知識を身に付けていきました。その後、現地のマネージャーにも認められ、ドバイにある実験施設の栽培管理の責任者として現地に赴きました。

植物工場の仕事をしている中で気づいたのがモノづくりの楽しさです。太陽電池を開発していたときは、製品は屋根の上に設置されており、お客さんも発電効率と価格を気にするだけなので、あまり製品のこだわりに対するお客さんの反応を見ることが出来ませんでした。逆にイチゴは、良いものかどうかは食べてもらえばすぐにわかりますし、美味しかった時の反応を見ることですごくやりがいを感じることができました。

また、工業製品を作るのと違って、植物は分からないことだらけなので、考えないといけないことが無数にあります。同じやり方をしても、同じ結果にはならないことも多く、大変ですが、成功したときの喜びはその分大きいです。植物を育てること自体がやりがいのあることだし、その結果から得られるものにもやりがいを感じて、植物工場っていいなということをすごく感じました。

そのときの経験が今に繋がっていると思います。

ー 「海外に行きたい」というのはずっと持っていた思いですか?

両親の仕事の関係で幼少期はザンビアやエジプトで過ごしたことがあります。海外から見た日本はすごく魅力的ですけど、それは海外に行かないと気づけないですし、また海外で出会う人や文化の違いからもらう刺激はすごく自分に取ってプラスになったので、自分の家族にも海外を経験させてあげたいという思いがありました。

Oishii Farmに参画を決めた理由は?

ー 植物工場ならば他にも選択肢があったのではと思いますが、なぜOishii Farmだったのでしょうか

ドバイでのプロジェクトは試験施設および小規模生産施設での実証実験を行うところまでいきましたが、会社本体の経営不振の影響もあり、2017年にクローズすることになってしまいました。その後、シャープに残って医療機器の企画などを行いましたが、植物工場をやりたいという思いは引き続き残っていました。

転職先として日本国内の植物工場を行っている企業も検討しましたが、ほとんどが葉物野菜で、事業としての面白味には欠けると考えていました。また、そもそも日本には安くて美味しい野菜や果物はたくさんあるので、やるなら海外しかないとも考えていました。一方で、植物工場を運営している中で空調設備の重要さと、使われている技術の面白さを感じていて、転職先には空調関連の会社を選択しました。そこでは、新製品の開発プロジェクトを任せていただき、空調技術を一から勉強しながら、シャープとは違う開発のノウハウを学ぶことが出来ました。

Oishii Farmを知るきっかけとなったのは、「WBS(ワールドビジネスサテライト)」でOishii Farmの特集をやっているのをたまたま見かけたからです。見た瞬間に、今この会社に入らないと次のチャンスはないと思い、ホームページを探してメールを送りました。すぐにCEOの古賀さんより返事をいただき、とんとん拍子に話が進んで、2019年4月に入社して6月には渡米することができました。

空調関連の会社は、プロジェクトを任せていただいたにもかかわらず半年で辞めることになってしまったのですが、正直に自分のやりたいことについて話をして理解をしていただくことが出来ました。逆に応援していただき、温かく送り出していただけたので大変感謝しています。


ー それはすごい出会いですね!日本を離れてアメリカに渡る決断には、不安はなかったですか?

正直、スタートアップということもあり会社としてどうなのかな、というのはありました。また海外ということもあり言語面の不安も少しありましたが、一番は家族と離れてしまうことの不安が大きかったです。

ただ、主要メンバーと話を重ねていくうちに、信頼できるメンバーが揃っていると感じることができたのと、植物工場に対する本気さを感じることができ、会社に対する不安は払拭されていきました。また言語面も、社長を含め日本人メンバーもいるので、なんとかなるだろうという気持ちでした。家族とも話をして、諦め半分だと思いますが(笑)、挑戦することを後押ししてもらいました。

実際に働いてみて、Oishii Farmはどんな環境ですか?

ー 実際に入社して現地で勤務されてどうですか?

「アメリカ人怖そう」というイメージはありましたが、基本的にみんな優しいというのが第一印象ですね(笑)。もちろん主張するところはしっかりしてきますが、こちらのつたない英語でも理解しようと真剣に聞いてくれました。文化や考え方の違うところは当然ありますが、日本人だから、アメリカ人だから、というよりは個人としてどうかという方が大きいというのも感じました。


ー 内藤さんは大企業が長いですが、スタートアップで働くというのはどうですか?

以前は大企業の中の一つの部署だったので、メインの事業の状況によって計画やスピード感は左右されますし、新規事業を立ち上げる環境としては難しさを感じていました。スタートアップではやっていることが全て会社のメインの事業に直結しますし、メンバーもその事業をやりたくて入社しているので皆が同じ方向を向いて仕事をすることができます。大企業でも実現できなかったことが、今皆でニューヨークで実現できている。まさにやりたかったことが思いっきりできる環境です。

もちろんスタートアップなので組織として未熟なところもあり、また植物工場という新しい分野ということもあり、イチから積み上げていかないとならないことがたくさんあるので、それを築き上げることができる楽しさというのも感じています。また、できる範囲、任される領域が大きいというのもスタートアップの魅力だと思います。

ー Oishii Farmで働くやりがい、面白さを教えてください

日本のイチゴを食べたことがない人、というのは世界中にたくさんいて、初めてOishii Farmのイチゴを食べるとすごくびっくりするし、「こんなイチゴがあったのか!」という反応を見ることができます。もともとイチゴというのは世界中の人から愛されていますが、それを更に上回るという喜び、というのを感じることができます。

Oishii Farmのイチゴは、今はNYでは名前が知られてきましたが、アメリカ以外の国ではもちろん、アメリカ国内でも食べたことがないひとはまだたくさんいますので、これらの人に未知の美味しいものを届けたい、という思いがあります。

それから、やはりOishii Farmで一緒に働いているヒト。高卒ですぐに日本から飛び込んできた若者から、マッキンゼーのパートナーやHarvardやMIT出身のトップエンジニアまで、多種多様な人材が集まっていて、日々学ぶことが多いです。スタートアップなので全員との距離感も近いし、他の部署の状況も見ることができるので、ビジネスが加速しているというのを肌で感じることができます。自分も一緒に植物工場のビジネスをドライブしていけるということにもすごくやりがいを感じます。

これから挑戦してみたいこと、野望を教えてください!

ー これから挑戦してみたいことは?

まだいま私たちが作っているものは、日本の農家さんや研究者の方々が長年培ってきた技術を応用させているにすぎません。更にその上を目指し、限界を超えていけるか、という挑戦があります。

まだ誰も味わったことのないイチゴや他の作物とか、そういったものを作りたいです。今はまだ日本ブランドですが、これからOishii Farmのブランドにしていきたい、と思っています。

ー 最後に、読者の方々や、これから挑戦してみたいなと考えている方々にメッセージがあればお願いします!

私たちの会社がやろうとしていることはまだ誰も成功させていないことなので、いろいろな可能性がありますし、面白い経験ができると思います。こういった新しい分野を切り開くことができるチャンスというのはなかなかないと思いますし、会社もこれから拡大していくフェーズなので、挑戦するなら今です!

私自身は30代後半で入りましたが、まだまだ学ぶことはたくさんありました。もし20代でこのようなチャンスがあればさらに成長できていただろうなとも感じるので、年齢に関係なく成長する機会はあると思います。

植物工場の経験や知識がある人はもちろん、そうでなくてもエンジニアリングや研究職、そしてビジネスチームでも幅広くポジションを募集しておりますので、本気で植物工場に興味があり、このビジネスを一緒に成功させたい、という気持ちがある方は是非一度採用ページより応募してみてください。。新しい分野で専門家はほとんどいないので、やる気があれば専門家になれます。挑戦してみたいという思いを実現するにはとても良い場所だと思います。

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