newnでは、“新しいものと永く続くものを繋げて時代のうねりを生み出す”ことを目指し、小柄女性向けブランド「COHINA(コヒナ)」やコスメティックブランド「rihka(リーカ)」をはじめとする複数の事業を展開しています。また、グループ会社として株式会社Mr. CHEESECAKEより、シェフが作るレストランクオリティのオンラインチーズケーキブランド「Mr. CHEESECAKE(ミスターチーズケーキ)」を提供しています。
多くの事業をそれぞれ成長させていくために、newnには様々な領域のプロフェッショナルが集結しています。今回は、働く社員にフォーカスしたインタビューをお届けします。第1弾はMr. CHEESECAKEで経営企画や戦略の指揮を執る小川。外資系大手コンサルティング会社にいた彼が、次のステージとしてnewnを選んだ背景を探りました。
プロフィール
小川 翔吾(Shogo Ogawa)
京都大学大学院工学研究科修了後、株式会社VOYAGE GROUP(現CARTA HOLDINGS)に入社。
アドテク事業の営業・分析・開発等を経て、2015年VOYAGE GROUPとオプトグループの合弁会社として株式会社intelishを設立し、同社代表取締役に就任。
2018年株式会社A. T. カーニーに入社、BtoBや自動車、製薬、金融、消費財、外食チェーンなど各業界のプロジェクトを担当。
2020年8月newnに入社。現在はMr. CHEESECAKEの経営企画や戦略を主導。
きっかけは、突如きた「大きな変化の加速」
ーー まずは、これまでの経歴についてお話しいただけますか?
新卒でVOYAGE GROUPに入社し、アドテク事業の営業、アライアンス、データ解析、アルゴリズム開発などを担当していました。その後、子会社の役員を経て他社との合弁会社を設立したタイミングで代表取締役に就任し、経営サイドの経験を積んできました。3年ほど携わった後に、A.T.カーニーという外資系のコンサルティング会社に転職しました。
ーー コンサルティング会社へ転職した理由はなんだったのでしょう?
VOYAGE GROUPを退社した後は9ヶ月ほどは友人の会社を手伝ったり海外へ行ったり、読書をしたりと自由に過ごしていました。そのタイミングで起業も考えてみましたが、明確に「これ」というのが決めきれなかったんですよね。ミドルクラスのスタートアップを経験し、代表もやらせていただきいわゆるベンチャーっぽい経営にも携った中で、規模の違う企業にいってみたいと感じました。
9ヶ月の間に自ら好んで各企業の決算を見たり成長の背景などを調べている中で、特定の業種で専門性を高めるよりもいろいろな業種の経験を積んでみたいと考え、A.T.カーニーへの転職を決めました。同社では、産業材から自動車、製薬、金融、飲料、外食、通信、電力など幅広い業界で、マーケティング戦略、新規事業戦略、海外戦略、コスト削減、M&A(DD)など様々なテーマのプロジェクトを担当させてもらいました。
ーー その華々しい経歴から、スタートアップへの転職を決めた理由はなんだったのでしょうか?
大きなきっかけは、新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大です。100年に一度と言われる変化が訪れ、間違いなく各産業で大きな変化の加速が起きると感じました。
ーー 変化の加速ですか。
はい。DXはもちろんですが、ある意味強制的な変化が迫られる時代が来た、と。このタイミングでコンサルティングにいるのはもったいないと感じ、事業にダイレクトに携わり、成長させるべきだと感じました。
「食」こそ日本人らしさ
ーー その背景から、なぜnewnに?
まず、newnのメイン事業がモノ作りという領域だったからです。デジタルで完結するサービスにはあまり興味が持てなかったんですよね。もちろんWebサービスも面白いのですが、自分自身がデジタル完結型のサービスにあまり触れないというのが1つ、正直な所でしょうか。
自分が興味を持てる領域がリアルな商品/プロダクトであり、かつデジタルを用いることでこれまでとは違う成長戦略を描いていけたり、お客様に価値を届けられるというのは魅力的でしたね。
また、代表の中川とは学生時代から面識があったので人間性を知っていて、信頼できると思えたのも理由の1つです。スタートアップでは代表との相性は重要だと思うので。
ーー モノ作りの中でも、特に興味が強かった領域はありますか?
「食」という事業領域には、強く関心を持っていました。もともと海外に行くのが好きでいろいろな国に行っていましたが、食事やサービスの領域は、日本も十分に戦えるポテンシャルを秘めていると感じています。というのも、他国に比べて日本は美味しいものが溢れています。「不味い」と言われる食べ物は限りなく少なく、美味しいの基準もサービスの水準も高い。それなのに、世界に比べてその対価が低いと感じています。給与水準は低く、サービス残業も当たり前だったりして、収入に直結していない。ここは確実に改善できる余地があると感じました。
また、「食」って、すごく日本人っぽいと思うんです。例えば、外国人に人気の日本食として寿司や天ぷら、カレー、ラーメンなどがありますよね。しかし、天ぷらはポルトガルやスペイン、カレーはインド、ラーメンは中国が発祥のものです。海外にオリジナルがあるものを吸収し改善して自分たちのものにしてしまう所が、過去に製造業で伸び、経済大国に成長してきたときと同様に日本らしいと思ったんです。外のものを持ってきて、それをオペレーションの中で改善できる所を探求し、吸収し、クオリティの高いものしてしまうという点が。そこがまだまだ伸びしろがあり、成長させていきたいと思いました。
ケーキがあることで生まれる体験の提供
ーー 現在の業務内容について教えていただけますか?
Mr. CHEESECAKEの事業計画を作り、それに基づいて販売/製造計画を立て、在庫のシミュレーションして、それに見合う資材を調達する。作った商品が効率良く届けられるためにロジスティクス周りを整備することを担当しています。
それに加え、必要に応じてやるべきことをやっていて、調達や配送、資材のコスト削減やオペレーションの改善、採用や法務、コーポ連携などをしながらPL全体を見ています。一部マーケティングのフロー改善などを担当していたりして、会社にとって必要な動きをなんでもするという感じですね。
ーー 今後、Mr. CHEESECAKEという事業をどう成長させていきたいでしょうか?
直近は、事業規模の拡大です。これまでは、世の中の需要に対して供給が追いついておらず「なかなか買えない」「幻」と言われるモノになってしまっていましたが、オペレーションを改善することで需要に応え、まだ届けられていない人やそもそも知らない人たちにも届けられるようなプロダクトにしていきたいと考えています。
中長期でいうと、ブランドとしての成長を考えています。Mr. CHEESECAKEでは「記憶に残る日常を、新しい食の体験で。」というミッションを掲げていて、その言葉の通り「ケーキだけでなく、ケーキがあることで生まれる体験」を提供していきたいと考えています。
ーー そのために、今後もし一緒に働くならどういう人に入社していただきたいでしょうか?
スタートアップなので、朝令暮改も多くあります。それを嫌がるのではなく、変化を楽しみ事業の成長に必要なことが自分のやるべきことというスタンスで取り組める人だと良いのではないでしょうか。役割や肩書きに捉われるのではなく、必要なことをできるということが大切だと思います。「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という言葉が好きなんですが、まさにこの言葉通り実行と変化に伴う成長を楽しめると、スタートアップほど面白い環境はないのではないでしょうか。
ーー 大企業からスタートアップに挑戦する面白さがあれば教えていただけますか?
先程の話とも通じますが、スピード感ですね。「やりたい」と思ったことが、事業への貢献ができるようであれば、早ければ翌日には何かしらの形になっているのがスタートアップです。そういうスピード感は、大企業では実現が難しいですよね。
また、「生きていく」という実感があることでしょうか(笑)例えば、大企業で会社が潰れることって、あんまりないと思うんですよ。でも、スタートアップは一人ひとりがやらなければ生きていけない。良い意味で全員が会社を背負い、生きていくという感覚は圧倒的に面白いと感じています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。次のインタビューをお楽しみに!
文=坂井
撮影=砂川