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「人の選択肢を増やしたい」。1人目人事の小坂が、興味0の状態から入社を決めるまで

1人目人事の小坂さんは、東京のみならず、全国の拠点メンバーから厚い信頼を受けている人。「小坂さんに相談すれば大丈夫!」。そんな安心感を周囲に与えています。

小坂さんのキャリア軸は、“人の選択肢を増やす仕事”です。エージェントを経て人事になり、現在は採用・組織開発領域で活躍中です。今でこそATOMicaの中枢を担うメンバーの一人ですが、実は最初、ATOMicaに全く興味がなかったといいます。

今回は、インタビューを通して小坂さんの人事としての価値観、ATOMicaに入社を決めるまでのストーリーに迫りました。

小坂 亜沙実|People & Culture部 マネージャー

前職は「テックキャンプ」を運営するdivにて、年間約300名の中途採用を担うチームのリーダーや新卒採用責任者、子会社での採用・組織開発業務に従事。2022年7月に1人目人事として入社し、採用・組織開発をリードする。

コワーキングに全く興味なし!選考ステップと心の変遷

── 前職はエージェント、現職は人事と、これまでキャリアに携わる仕事を歩んできた小坂さん。その理由を教えてください。

“人の選択肢を増やす仕事がしたい”という思いが、キャリア軸に影響しています。2つの出来事を通して、この思いが醸成されました。

まずは、学生時代の予備校アルバイト。予備校では、進路に悩む学生の面談や、学習進捗の確認を通して、学生の支援をしていました。自分の担当していた学生が志望校に合格したときや、やりたいことを見つけてパッと顔が明るくなったときに、やりがいを感じていましたね。人の選択肢を広げ、後押しすることの素晴らしさを実感しました。

もうひとつは、大好きな家族の病気。私の家族は職場環境に悩みながらも、一生懸命働き続けていました。ここ以外に選択肢がないと考えていたからです。でもその結果、病気になってしまった。

「選択肢がないなんて、そんなことは絶対にない。新しい選択肢を探してもいいし、つらかったら逃げてもいい。私自身が選択肢を用意できる人になりたい」

そう強く感じた出来事でした。これが、“人の選択肢を増やす仕事”として、キャリアに関する道を選んできた理由です。

── ATOMicaとの出会いのきっかけを教えてください。

ATOMicaをよく知る友人の誘いがきっかけでした。正直最初は、ATOMicaに対して全く興味を抱けなかったですね。

その理由は、コワーキングスペースの運営事業に一切関心がなかったこと。そして、店舗型のビジネスは収益性が低いケースが多いので、伸びないんじゃないかと思ったこと。

とはいえ、せっかくの誘いだから一旦お話を聞いてみようと、軽い気持ちで代表取締役Co-CEO嶋田さんとの初回面談に臨みました。

── 実際に面談してみて、いかがでしたか?

嶋田さんと会話したことで、収益性が担保できるビジネスモデルだと確信しました。コワーキングスペース事業だけじゃなくて、自治体や民間企業のコンサルティングとして入ったり、自社サービスやプロダクトを展開してプラットフォームを広げたりすることを知ったんです。

それに、嶋田さんが「僕たちは人と人との繋がりによって誰かの選択肢を増やしたい、人生を面白おかしい方向に転がすようなことをやりたいんだ」と話してくれて。え、これって……と驚きました。

“人の選択肢を増やしたい”という自身のミッションと、ATOMicaのミッションの重なりに気付いたんです。それで、次の選考に進むことにしました。

── 次の選考はどなたとお会いしたんですか?

代表取締役Co-CEOの南原さんでした。嶋田さんとは真逆の人が現れたと感じましたね(笑)。嶋田さんはロマンを語れる人で、ビジネス云々みたいな部分はあえて語らないタイプの人。南原さんはエモさ抜きで、ビジネスについてとことん語るタイプの人。“ロマンとそろばん”という言葉が使われることがありますが、この2人は“大きくビジョンを描く力”と“ビジョンに向かって実現する力”をバランス良く分担していると感じたんです。

南原さんからは、組織課題や事業の成長性について説明を受けたのですが、その話を聞いたことで、勝手に不安を抱きました。

── 不安。

私では力不足なんじゃないかという不安です。実は私、あんまり自分に自信があるタイプじゃないんですね。さまざまなチャレンジが用意されていることは分かったけれど、自分が人事として入ることで、組織のボトルネックになったら嫌だなぁという思いが湧いてきたんです。謙遜でもなんでもなく、CHROとして経験豊富な方のほうがATOMicaをもっと良くできるんじゃないかと思って。

南原さんには胸の内を正直に話しました。すると、思いもよらない返答があったんです。

── どんな返答が?

「そもそもATOMicaは、みんなで補い合いながら経営していく会社。一人ひとりが最初からパーフェクトな経験を有している必要なんてない。助け合うことを評価する会社だ」とおっしゃっていて。これまで在籍していた会社は、一人で完結させるのが正であるというような仕事の進め方だったので、すごく驚きました。南原さんのおかげで、不安はすぐに消え去っていったんです。

── それからは、順調に選考ステップを進んでいったのですか?

私は慎重なタイプなので、懸念点はすべて話して、一つひとつ潰していきました。拠点間のコミュニケーション、待遇、経営陣の組織理解など。CMT(コワーキング運営スタッフ)ともお話ししたかったので、福岡や宮崎に自発的に赴いて交流を持ちました。

ATOMicaへの入社を決めた瞬間、懸念点は0でしたね。「ここでなら、みんなで同じ方向を向いて頑張っていける」。そう、心から信じられました。

チャレンジ領域に対しても任せきってくれる環境

── 入社後に感じたギャップはありましたか?

東京本部は平均年齢が低めなので、若いチームに入るんだとドキドキしていたんです。でも実際入ってみたら、むしろ人生2周目みたいなメンバーが多くて(笑)。成熟している人ばかりで、“若いチーム”という印象は割とすぐに吹き飛びました。それが、いい意味でギャップでしたね。

経営目線・事業家目線でものを語る人が多いので、会話してめちゃくちゃ楽しいなと常々思っています。

── 小坂さんは現在、どのような業務を担当していますか?

採用はもちろん、元々興味の強かった組織開発領域も担当しています。育成や福利厚生など、人や組織に関することはなんでも、という感じです。一言でいえば、大変ですね(笑)。でも、本気で任せてもらっている環境があるので、前向きに働けています。

── “本気で任せてもらう”とは?

経営陣が私の意志を尊重して、任せきってくれるんです。経営陣からはよく、「小坂さんはどんな仕事に愛がありますか?」と聞かれるんですけど、そのたびに「組織開発をやりたい」と伝えてきました。この領域の経験自体は少ないけれど、チャレンジしたいと昔から思っていたんです。中途半端に渡すのではなく、信頼して任せきってくれる。それが嬉しいし、日々頑張る原動力になっています。

── “任せきる”と“丸投げ”は何が違うと思われますか?

丸投げは、周りに頼れない状態のことを言うのかなと思います。私の場合は遠慮なく周りに頼れていて、「壁打ちの時間をください!」と言うと、みなさん時間を作って積極的に参加してくれます。だから、全然丸投げとは感じないですね。

── ATOMicaの今後の組織・事業計画について教えてください。

2023年から2025年にかけて、組織・事業の急拡大を予定しています。まず2023年について、拠点は現在の9拠点から約40拠点へ。従業員は現在の約50名から約150名へ。まさに、Jカーブの成長です。そのためには、組織の基盤作りが重要だと考えています。急ピッチで会社が大きくなっていくと、組織崩壊を起こす可能性もぐっと高くなるからです。

そのためには今のうちから組織の基盤を盤石にさせないといけません。そもそもどのような組織体制にしたらいいのか、拠点間の連携はどうすべきか、評価制度と給与テーブルをどう連動させるかなど、検討すべきことは山積みです。

── 乗り越えるべき課題は多々あると。

さらに今後は、“感情報酬”と呼ばれる、ポジティブな感情を抱ける職場づくりにも注力していきたいです。産休育休復帰後のキャリアパスとか、育成コンテンツとか、挙げるとキリがないけれど、金銭以外の報酬部分も整えたいですね。

ATOMicaはスタートアップなので、色々と整ってないところも多いです。やりたいけれど、宙に浮いているものがたくさんあります。現在は新たな採用チームのメンバーも募集していますが、採用はもちろん、組織作りや福利厚生など幅広く取り組んでいただける予定です。

私の願いは、ATOMicaのみんながイキイキと働けること。まだまだ挑戦を続けていきます。

ATOMicaのCMTは全員が“代表”である

── 東京本部に在籍する小坂さんですが、各拠点の運営メンバーであるCMTとも人事として密接に関わっているかと思います。拠点メンバーに対して、どのような思いを抱いているのでしょうか?

CMTは、1人残らず会社の代表だと思っています。ATOMicaのコワーキング施設は、例えば有名な政治家や地元の有名企業の方に利用いただくことがあるような、地域の要人とも出会う場所なんです。そんなとき、応対するのはコワーキング施設の運営を担うCMTのメンバー。CMTのコミュニケーションがATOMicaの印象を左右するといっても過言ではありません。すごい人たちだなぁ、といつも思っています。私はスーパー内弁慶なので、絶対にCMTにはなれません(笑)。

── CMTと東京本部はどのように連携しているのでしょうか?

ちょうどいい喩えがあって。嶋田さんが「CMTはテニスで言うところの前衛で、東京本部は後衛」と言っていたんですけど、上手い喩えだな、と思いました。サービスを届けるという直接的なアプローチは前衛、それを支援し、後押しするのが後衛だと。

互いにリスペクトしながら、それぞれの持ち場で活躍できたら最高ですね。

── 小坂さんが最もモチベーションを感じるのは、どんなときですか?

自分の共感するミッションや事業が、しっかりと前に進んでいると感じられる瞬間です。

以前、ATOMatch*に参加した学生さんが「ATOMatchに出会えてなかったら、こんな人生を歩めていないです」と話してくれた、というのを聞いて。ATOMicaの存在意義を実感できて嬉しかったですね。

*ATOMatch…小学生から社会人まで。地域に触れながら学びを得て、課題を発見し、解決できる実践型共創プログラム。

また、コンサルティング事業では、地元を愛する自治体さんとコワーキングの拠点作りをしています。拠点がしっかりと形になって、利用者さんにたくさん使ってもらえて、自治体の方が喜んでくれるという話を聞くと、本当に胸がいっぱいになります。

── 今後、どんなことに挑戦していきたいですか?

私は“人”や“組織”に愛がある人間です。経営に関わりたいとか、事業を作りたいとか、「とにかくビジネスに向き合いたい!」ということを正直あんまり思っていなくて。いい意味で、ずっと人や組織のことで悩んでいたいです。いつか組織が1000人になったら、今とはまた違った課題にぶつかるはず。その時々の課題を解決して、ATOMicaという組織をグレードアップさせたいですね。

その上で、私の人生のミッションである“人の選択肢を増やす”を実現したいと思っています。


取材・執筆/早坂みさと

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