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ATOMica宮崎の大石が、この場所で繋がりを紡ぐ理由

大石さんは元々、個人事業主として飲食関係の仕事を始める予定でした。そのため最初はATOMicaにアルバイトで入社しています。

しかし、いつしかATOMicaの仕事に本気でのめり込むようになり、最終的には正社員としてフルコミットすることを決めました。

大石さんが個人事業主の夢よりもATOMicaを優先した理由は何なのか。モチベーションの源泉はどこにあるのか。過去の人生にも焦点を当てながら、たっぷりとお聞きしました。

大石 千晶|ATOMica宮崎 コミュニティマネジメントチーム

前職では加工品の販売、開発、営業、事務を経験。ATOMica宮崎には2021年2月にアルバイトで入社し、同年11月には正社員転換。現在は接客、営業、企画等ATOMica宮崎内の多岐にわたる業務に従事。

生計を立てるためのアルバイトが、いつしか「本気でやりたいこと」に

最初に、ATOMica入社のきっかけをお聞きしました。

「前職を退職後、個人事業主として自分で食品系の仕事を始めることにしました。ただ、生活に安定感がほしかったのでアルバイトも探すことにしたんです。そこで見つけたのがATOMicaの求人でした。面接で初めてATOMicaに赴いたとき、海が見えるほど見晴らしが良く、すごく綺麗な空間だったので驚きましたね。宮崎にもこんな場所があったんだとワクワクしたのを覚えています」

採用が決定し、アルバイト初日を迎えた大石さん。そのとき見た光景に衝撃を受けたといいます。

「アルバイト初日がちょうど、*ATOMatchの成果発表会の日だったんです。学生さんが熱意いっぱいに発表している姿を見て心が震えました。自分も企画から携わってみたいという気持ちになって、メンバーに『やってみたい』と率直に伝えてみたんです。『ぜひ!』と言ってくれて、アルバイトという雇用形態に関係なく挑戦させてくれました」

*ATOMatch(アトマッチ)……地元企業と学生がコラボレーションし長期間に渡って共同プログラムに取り組む活動

大石さんは自ら手を挙げ、業務範囲をどんどん広げていきました。それに比例して、ATOMicaに対する思いも強くなっていったそうです。

「入社前は個人事業主の仕事を頑張っていくつもりでした。でも、徐々にATOMicaの比重が心の中で大きくなっていって。ATOMicaの仕事に夢中になっている自分に気付き始めたんです」

ATOMicaにフルコミットすることを決め、アルバイト入社から9ヶ月後には正社員となりました。メンバーの意見を積極的に取り入れる環境だったことも、入社の決め手になったそうです。

「長年の社会人経験を振り返ると、『イエスマン』を求める環境がほとんどだったように思います。言われたことをやるしかなく、何か意見すると煙たがられることも多かったです。でもこの会社に入ってからは、一人ひとりの意見を尊重してくれて、代表も親身になって話を聞いてくれます。それがすごく嬉しいんですよ」

晴れ晴れとした表情から、ATOMicaの仕事を心から楽しんでいる様子が伝わってきました。

困ったときはATOMicaに。学生と築いた強固な信頼関係

大石さんは現在、日々の接客業務のみならず、ATOMatchやMEET@の営業、企画、運営まで幅広く携わっています。ATOMatchを通してインターンシップをしている学生に、メンタリングも行なっているそうです。

*MEET@…すべての人に心地よい出会いを提供するコミュニティプログラム

「大学生と仕事で関わるのは人生初ですが、すごくやりがいがある仕事です。インターンシップに最後までしっかり取り組めるよう、状況をヒアリングしたり、悩みを聞いたり、モチベーションを高めたりしています」

特に嬉しかったエピソードを伺いました。

「ATOMatchで関わった学生さんが、インターンシップ“以外”で困りごとがあったときに電話をかけてきてくれたんです。大学やアルバイト先ではなく、真っ先に私を頼ってくれたんですよね。『相談場所を考えたときに、すぐATOMicaが思いつきました』と。しかも、その学生さんは県外在住なので直接会ったことはないんですよ。離れていても、近い存在として認識してくれたわけです。なんて最高な仕事なんだと思いましたね」

学生との繋がりを大事にする大石さんには現在、新たな夢があるそうです。

「相手に敬意を払うとか、愛を持って接するとか、そういう人として大事な『ATOMicaマインド』を育んでもらえたら嬉しいですね。宮崎を離れる学生さんには、ぜひそのマインドを全国各地に広げていってもらいたいです。そして、一度宮崎を離れたとしても、みんながいつでも帰ってこられるように、地域を楽しく盛り上げられたらいいなって思います。自分のやりたい仕事や環境が宮崎にあって、その人が加わることでさらに地域が活性化していく。ATOMicaが関わることで、宮崎に良い循環を生み出せるようにしたいですね」

お話を聞いていくと、大石さんは現在の会員様だけでなく、卒業される会員様に対しても前向きな思いを抱いていることが分かりました。

「たとえば、フリーランスとしてATOMicaで仕事をしていたけれど、会社が大きくなって事務所を構えるというのは、まさに『ハッピー卒業』ですよね。その人がハッピーであれば、卒業も喜ばしいことだなって思います。だって、その後の関係値がなくなるわけじゃないから。MEET@などで、また繋がれますしね」

ここで紡いだ縁は、これからもずっと消えないから。大石さんは長期的な視点で会員様と向き合っているのです。

子育てで苦労したとき、人の繋がりに助けられた

ポジティブなコメントが溢れ出る大石さんですが、なぜこれほどまでにモチベーションが高いのでしょうか。

「私は子どもを一人で育て上げています。実家が近くにあるわけではないので、子育てにはすごく苦労しました。でも、地域の方が子どもを見てくれたりして、いつも誰かが助けてくれたんですよ。人に恵まれたと思っているし、人との繋がりによって私の人生は変わったと本気で思っています。だから、私も繋がりを大事にしたいし、たくさんの繋がりを生んでいきたいんです」

ATOMicaのビジョンに共感しているのは、大石さんご自身が過去に「人との繋がり」によって救われたから。その可能性と素晴らしさを心の底から理解しているからこそ、常に前向きでいられるのだといいます。

実際にこれまで、学生と学生がなりたい職業の方を繋げて職場体験を実現したり、食品系で起業する方と管理栄養士さんを繋げたりしてきました。プライベートでも「MEET@に来なよ!おすすめだよ!」と積極的に声がけして、多くの方をイベントに呼んだそうです。

「MEET@やATOMatchを商品だとするならば、私は本当にいい商品を作っているという自信があるんですね。だから、躊躇なく人を誘えるんですよ。本音を隠した、作り物のセールストークとかしたくなくて。心から好きだと思うものを売りたいじゃないですか」

正直で快活な性格の持ち主であることを、言葉の節々から感じさせる大石さん。心から賛同するこの場所で、大石さんらしい働き方を実現していることが分かります。

最後に、個人事業としての夢についてはどうするのか、率直な質問を投げかけました。

「個人事業の活動を認めてもらい、現在少し携わることができています。でもやっぱり、ATOMicaの仕事が最優先です。飲食系の仕事をしようと思ったのは、食を通して人を幸せにするお手伝いがしたかったからなんですね。ATOMicaでも『お客様を幸せにする』という目的に向かって仕事ができているので、方法が変わっただけだなと思っています。自分のやりたかったことは、この場所でちゃんと叶えられています」

「幸せ」という言葉が何度も飛び出した大石さんのインタビュー。ATOMica宮崎では今日も、大石さんの明るい声が聞こえてきます。



取材・執筆/早坂みさと

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