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本日は、株式会社ストリーモの取締役CDOの岸川さんにインタビュー!
ストリーモ入社までの経緯、現在の事業にかけた想い、そして今後のビジョンまで広く深くお聞きしました。「移動の課題」に向き合い、着実に解決を目指すストリーモについて詳しく知りたい方におすすめのコンテンツとなっております。
是非、最後までお楽しみください!
⑴骨の研究に勤しんだ学生時代を経て、ホンダで二輪バイクの開発に。
⑵ストリーモの開発における「顧客視点」。
⑶代表取締役CEOの森と二人三脚でストリーモの開発に。
⑷”次世代モビリティ開発”という未曽有の挑戦に、本気で夢中になれる方と共に。
骨の研究に勤しんだ学生時代を経て、ホンダで二輪バイクの開発に。
本日はよろしくお願いいたします。まず初めに自己紹介をお願いします!
株式会社ストリーモの取締役CDOを務めております岸川と申します。本日はよろしくお願いいたします!
大学では工学部に在籍し、骨の研究をしていました。具体的には、骨に刺激を与え、骨密度がどのように増えるかを研究していました。工学部でしたが、医学部の授業も受けるなど、少し変わったコースを歩んでいました(笑)。
ただ、そんな傍らバイクが大好きで、もの作りに携われる仕事に就きたいと思いホンダに入社しました。入社後は主に大型のモーターサイクルの開発に携わり、その後、レース部門に移動し、Moto GPなどのレース用バイクの開発を6年間行っていました。長い間勝てないシーズンが続きましたが、チャンピオンを獲得した時には、世界一になることの大変さを学んだのと同時に、大きな達成感を得ました。しかし、その後リーマンショックの影響でレース部門が縮小し、再び大型モーターサイクルの開発に戻りました。
そして、フラッグシップモデルの開発を取りまとめた際、ホンダ歴代の最高のバイクを作ったという感覚がありましたが、「本当に、300キロも速度が出るバイクは必要なのか」、「200万円もする高価なバイクをどれだけの人が買えるのだろうか?」とお金の価値をもう一度考え直すきっかけとなった瞬間でもありましたね。
そんなモヤモヤを抱えた中で、有難いことに二輪バイクの新規事業開発プロジェクトのメンバーに選出されました。そのプロジェクトの一環で、インドで新規事業を立ち上げることになり、私が責任者として現ストリーモの代表取締役CEOである森と一緒に取り組んでおりました。
その後、別の部署に移動になり仕事上の関わりは薄くなってしまいましたが、当時森が裏でコツコツと進めていたストリーモの開発を手伝い、準備が整ったタイミングで、私も正式に株式会社ストリーモにジョインをしました。
骨の研究からモビリティ開発とは、非常に面白い経歴ですね。ちなみに、インドでは具体的にどういった新規事業開発に携わっていたのでしょうか?
インドでは、主にホンダの製品の中で1番売れている大ヒットスクーターの顧客層の拡大に従事しておりました。
所得の低い方には手が届きにくい一方で、物凄い人気はありました。というのも、インドではホンダのスクーターは品質が非常に良く丈夫で、値が下がりにくいため、中古価格が高く、資産として見なされているんですよね。一度手に入れば、移動手段が得られるだけでなく、資産にもなるためここまで人気が出たのだと思います。
ただ、低所得層の方には手が届きにくい乗り物でもあったため、新規事業開発当時は所得の低い方でも購入できるようなビジネスモデルを構築しようと模索していました。詳細の言及は避けますが、FinTechも絡めたサービスの提供を進めていました。
結果的に、新たな取り組みを取り入れたことで1人でも多くの方に移動の手段を提供し、購入者の人生をより豊かなものにできたので、その点は非常に良かったと思います。また、この際に、地域特性を考慮して適切な仕組みを構築することの重要性を身に染みて感じ、その点は現在ストリーモでも生かされていますね。
ストリーモの開発における「顧客視点」
ありがとうございます。それでは、次にストリーモに入社してから、岸川さんがどのような思いで開発に取り組んでいらっしゃるのかお伺いできますでしょうか
我々は前提として、顧客視点を非常に重要視しています。その上で、世の中の生活を少しでも豊かにするために従来のモビリティの既成概念の打破、つまりイノベーション視点を常に大切にしています。
そんな中、我々は新市場の可能性に気づき、アプローチをしました。具体的には、時速6キロといった非常にゆっくりとした歩行領域とも言われる移動に着目しました。ホンダでの開発時には全く注目されなかった領域ですが、実際にストリーモの開発に臨むに当たり、多くの課題が存在していることが分かりました。
その中で、私が日々行っているのがPoC(=概念実証)。我々のユーザーには製品発表直後で、実機も見ずに高額なストリーモを購入して下さる方がいらっしゃいます。なぜ、そこまでの大金を払いストリーモを購入して下さるのか。それは、「”ストリーモ”という乗り物に乗ることで、日々の移動、引いては生活が変えられる」と信じていらっしゃるからです。
例えば、膝や腰に痛みを抱えている方が、立ったままでも移動ができ生活の移動範囲が大幅に広がるといったお声をいただいています。
だからこそ、我々は、ストリーモの可能性を信じ、期待をし購入して下さる大切な1人ひとりのユーザーの思いに応えるべく、顧客視点を大切にしています。
理想を実現していくための技術課題はまだまだありますが、着実に我々の掲げている”次世代モビリティ”の実現に向けて、これからも一歩一歩着実に歩んで行きたいと考えています。
実際、ホンダという大企業からストリーモというスタートアップに転職した身として感じる環境の違いなどはありましたか?
圧倒的にスピード感が違いますね。
大企業では、常に多くの資本を投じることに加え、失敗した時の代償も大きいため、絶対に失敗は許されません。そのため、極限まで失敗率を下げるため、いくつもの障壁を越え、様々な角度から検討を行います。そして、長い間時間を掛け、高確率で成功すると分かった時、初めて実行に移すことができます。つまり、多くの時間と工数を費やす分、完成度が向上し、失敗を防ぐことができるようになるというのが大企業の事業構造です。
ただ一方で、ストリーモが投じる資本は大企業と比較して大きくはなく、実際に設計者も2人しかいないので、変更を提案しても即座に「そうだよね」と話がまとまり、本当に瞬時に判断を下せます。しかし、その分、多角的な検証ができていないためリスクも当然あります。大企業にはできないスピード感が武器である反面、研ぎ澄ました決断をしないとすぐに足元をすくわれるので、ベンチャー企業も一長一短あると感じています。
ありがとうございます。現在は、代表取締役CEOの森さんと二人三脚で開発を行っていると思うのですが、実際に具体的な業務の棲み分けはどのような形でやっていらっしゃるのでしょうか?
2人ともバイクの開発をしてきたというルートは同じですが、得意領域と不得意領域がそれぞれあります。
そのため、自然に役割分担を意識して行っています。私は量産化の経験が長いので、製造領域は基本的に僕の責任で行い、開発は森の責任で進めています。ただし、領域は明確に線引きしているわけではないので、お互いに支え合いながら、チェックし合っています。
例えば、どちらかがアイデアを出した時、「この場合どうなの?」と技術評価を行い、納得するまでとことん話を詰め、日々開発を進めています。
ちなみに、開発は常にお客様からのFBを基に試行錯誤を繰り返すことが重要だと思うのですが、実際CSなどとの連携はどのように行い、お客様の声を拾っていらっしゃるのでしょうか?
やはり、CS(カスタマーサクセス)との連携は非常に重要ですね。
お客様の声が最初に届くのはCSなので、「こういうのがあったらいいな」というようなニーズをキャッチアップして、我々で対応策を練り、改良へと繋げています。お客様の思いに対し満足に答えるためには、常にCSと話し合うことが欠かせません。また、不具合が発生し、開発部に報告が上がったら、それが一時的なものなのか、根本的な改善が求められる問題なのかをCS担当者、品質担当本部長も含め、分析・議論を行い対応を決めています。
代表取締役CEOの森と二人三脚でストリーモの開発に。
先程、森さんとの業務の棲み分けについてお伺いさせていただいたのですが、改めて現在の岸川さんの業務内容について教えていただけますでしょうか?
私が普段行っている製造エンジニアリングの領域では、設計、試作、テストを経て、問題がなければ量産に繋げるといった一連の流れがあります。我々はこの流れを2人で協力しながら行っています。
量産化のためには、サプライヤー様を見つけ、交渉し、試作を依頼し、良ければ量産をお願いするなど、対外的な交渉も行っています。また、開発プロセスの中で得たノウハウや知見を開発資料に記録し、後々振り返れるようにもしています。開発作業の前段階では、お客様のニーズを把握するために市場調査を行い、直接お客様に話を聞いたり観察したりしています。
ただ、他人からの情報だけではなく、自分自身で現場に赴き、直接話を聞いて納得してから開発を進めるようにしています。量産に関しても、我々は直接組み立てを依頼している工場に行き、完成品を自らチェックしています。製品が本当に安心できるものであるかどうか、自分たちの目で確実に確認してから出荷し、お客様のもとに届けています。この責任をしっかり持ち、サプライヤー任せにしないことを心がけています。
また、競合や関連する新しい技術、価値を生み出しそうなスタートアップとの連携も欠かさず、ディスカッションし、面白い革新的なアイディアを生み出す可能性を探ることも日々行っています。
次に、ストリーモのCDOを務めている岸川さんのもの作りへのこだわりをお伺いできますでしょうか?
例えば、ブレーキをぐっとかけて踏ん張った時に少しでもガタつきを感じると、人間という生き物は怖さを覚え、一気に信用できなくなります。
我々はその点は何よりも細心の注意を払っており、絶対に起こり得ないようにしています。製造で寸法にばらつきがあった場合も、その点は絶対に担保しなければならないと考えています。そのため、大前提、設計の際の細かな寸法の調整は徹底して行っています。
実際、開発の際は森と何度も議論し、「これぐらいの精度がいい」とか、作りやすさとのバランスも鑑みつつ、細かく見ながら調整を繰り返しました。しかし、製造環境が異なる中国では図面通りの寸法管理が難しいことがあります。日本では問題なく作れる部品でも、中国では図面から外れて納入されることがあり、頭を悩まされることも度々ありました。そのため、安定的に高品質な完成品を生み出すためにはどうすればいいかを考えに考え抜き、現地のサプライヤー様やエンジニアと協議して決めました。
ただ、何度も言うようにリラックスして乗れない乗り物では、ユーザーは満足できないと思うので、実際に乗った際の快適さ、安全性に何よりも1番こだわり、突き詰めようと心掛けています。
”次世代モビリティ開発”という未曽有の挑戦に、本気で夢中になれる方と共に。
次に、現在の組織体制の中で、開発エンジニアとして具体的にどのような人材を求めていらっしゃるのかお伺いできますでしょうか?
現在の開発体制は、設計者が2名、設計サポートが1名の基本的に3名のチームです。
線を引ける設計者が2名という体制で行っていますが、正直言って、私と森が行っているような業務を任せられる人材を増やしていきたいというのが切実な思いです(笑)。求める人材としては、完成品全体を見て開発できる方です。企画から初期検討、量産、出荷までの上流から下流まで一通り経験し、知見がある方が理想です。部品単体での経験だけでは不十分で、完成品全体を見て、1つの部品が全体にどう影響するかを考えられる人材が欲しいですね。
また、製造現場に行った経験があり、理解をしている方も欲しいですね。一緒に現場に足を運び、具体的な改善策を提案できる方が理想です。我々はモビリティを開発しているので、安全性が最優先です。お客様が安全に移動できるように、部品のリスクを考えられる視点が必要不可欠です。
さらに、新しい価値を生み出すために好奇心を持ち、広い視野で観察し、挑戦を楽しめる方が望ましいです。苦労を楽しめる方、問題が起きた時に前向きに解決策を考えられる方が今のストリーモのフェーズでは必要です。苦労することは多いと思いますが、その先にある達成感ややりがいのために、前向きに取り組んでくれる方と一緒に働きたいと思っています。
最後に求職者の方に向けて一言いただけますでしょうか?
私がいた会社でも、技術力は素晴らしいのに、なかなか挑戦しない。そんな人たちをたくさん見てきました。何かを言い訳にして、一歩踏み出さずに諦めていませんか?
我々ストリーモは、この領域にイノベーションを起こし、マイクロモビリティを当たり前のものにしていきたいと本気で挑戦を続けています。
そんな大きな挑戦に、ワクワクした想いを感じ、胸の高鳴りを抑えきれない方、そんな皆様からのご応募をお待ちしております!
本日はありがとうございました!
こちらこそありがとうございました!