はじめに
こんにちは!
株式会社コムデのデザイナー近藤です。
今回は実案件でもご依頼の多い、Webサイトリニューアルを仮定して、要件定義から社内プレゼンまで一連の流れを一人で取り組む課題を実施しました。
実務では分業して行う作業も、一人で行うことで、様々な視点や考え方が見えてきます。
その工程を一部抜粋してご紹介します。
課題を取り組むことになった経緯
入社してからこれまで、様々な案件に携わってきましたが、コムデでは分業制であることから、ディレクションをメインで作業することや、お客様の目の前で、自分の作成したデザインをプレゼンすることはほとんどありませんでした。
今後デザイナーとして経験を積むにつれ、ただデザインができることだけでなく、洞察力・コミュニケーション能力・提案力と言った幅広い能力が必要になってくると考えました。
それらを身近で体験するにはどうしたらいいのか上長に相談したところ、ディレクションから、デザイン、プレゼンまでを一貫して行うことで、スキルアップに繋がるのではないかとアドバイスいただき、上記のスキル向上を目的とした個人課題として、Webサイトのデザインリニューアルを行うことにしました。
実際に取り組んだこと
準備
Webサイトのデザインリニューアルは、以下のようにブロック分けして進行していきました。
① 要件定義書作成
② スケジュール策定
③ ワイヤーフレーム作成
④ デザイン作成
⑤ 作成したデザインのプレゼン資料作り
⑥ 作成したデザインの社内プレゼン
また、作業前のルールとして以下も設定しました。
- リニューアルするサイトは上長が選定する
- TOPページの作成と合わせて下層ページを3ページ作成する
(下層ページの選定は、今まであまり取り組んだことのない・力をつけたいコンテンツを自分で選ぶ) - 上記①〜④の作業が概ね完了した時点で、上長と一緒にチェックを行い、OKがでたら次の工程に進む
上長が一緒にチェックに入ることで、自分の認識の齟齬が発生していないか事前にチェックして貰えたり、悩んだ時にすぐに相談することができたので、安心して作業に臨むことができました。
工程については、以下でご紹介していきます。
要件定義書作成
まずは要件定義書の作成です。
当時の私は作成経験がなかったので、経験のある上長と一緒に、作成までの工程やまとめ方、調査の仕方など、事前にMTGを行い作業を開始しました。
ユーザー目線での閲覧や操作において必要とされていること・クライアントが求めてることに、どれだけ近づけられるか想像しながら作業することで、洞察力の向上を図ることができました。
スケジュールの策定
次にブロックごとのスケジュールを策定します。
実際に掛かる工数や、掛かる工数に応じた日程を逆算し、掛け持ちの案件とのペース配分をどのように進めていけば良いか把握するためにも、とても重要な工程になります。
以下は、当時私が策定したスケジュールの一部ですが、ガントチャート化することで、自分のスケジュールを視覚的に把握しやすくし、上長との共有もスムーズに行うことができました。
ワイヤーフレーム作成
個人的に、一番苦戦したのがワイヤーフレーム作成でした。
要件定義書を元に、コンテンツに掲載する情報を整理することや、ユーザーにとって閲覧しやすい導線を考えながら作成するため、全工程の中で一番時間をかけて作業しました。
リニューアル前のサイトの課題として
- 比較的画像が少なめで、説明文が多い印象。ユーザーが読み物に抵抗のある方だとすぐに離脱してしまう
- コンテンツの訴求ポイントが不明瞭であり、優先度が分かりづらい
- お問い合わせに繋げたいが、全体的に導線が少ない
などを予測して、上記を改善できるように心掛けて作成しました。
この工程では、自分が作成したものに対して、エビデンスに基づいた提案力を向上させるとても良い練習になりました。
デザイン作成
次にデザインの制作を行いました。
要件定義書やワイヤーフレームの作成に時間をかけたことで、各コンテンツそれぞれに意味合いを持たせながら、デザインに反映させることができました。
デザインにおけるこだわりとして、直感的に内容が伝わるよう、適切な画像やアイコンを検討したり、ワイヤーフレームで整理された情報を基に、訴求力を最大化するデザインアプローチを心掛け、コンテンツの魅力を効果的にアピールできるように作成しました。
課題の発表に向けた準備
デザインの作成が終わり、次は社内プレゼンの準備に入ります。
今回は社内のスタッフがクライアントの代役になりますが、実際のプレゼンを想定して要件定義の内容も含めたプレゼン資料を用意しました。
課題のプレゼン発表
いよいよプレゼン当日です。
プレゼンには副社長・デザイナーチームが参加しました。
今回のサイトは、なぜリニューアルが必要なのか、どのような改善策があるのかを理解していただくために、資料に則りながら要件定義やデザインの説明を細かく行いました。
同じ会社のスタッフ間だと、共通認識や言語で、ある程度思いが伝わってしまうところがあるので、初めて対面する方々を想定しながら話すことを心掛けました。
プレゼンを終え、スタッフの感想を聞いたところ
- 説明の組み立て方が良く解りやすかった
- 資料内容が見やすかった(内容については、粒度を上げる必要あり)
- 要件定義の段階から、真摯に取り組み勉強していた
- デザインに関するいくつかのフィードバック
などなど、今後に向けてとても励みになることや、次に繋げる課題もできました。
発表する上で緊張はあったものの、事前準備に時間をかけたおかげで、当日もスムーズに提案内容をお伝えすることができました。
終わりに
今回の課題を終えて、デザインのことだけでなく、要件定義などの新たな分野にも挑戦することで、新しい視野を広げることができました。冒頭でもお伝えしましたが、洞察力・コミュニケーション能力・提案力を、この課題を通して以前よりも高めることができた実感があり、この課題をやって本当に良かったと思っています。
当時の作業工程において、個人的なスケジュールの管理や、調査などでつまづいてしまったこともいくつかあったので、改善策を洗い出し、日々精進しています。
今後は上流案件にも携わることが増えてくるので、今回行った課題の取り組みを活かして、成長できるようもっとスキルアップしていきたいです。
コムデでは実案件以外でも、個人のスキルアップに向けた社員育成に積極的に取り組んでいます。興味のある方は、是非お問い合わせください!