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高校生向けプログラミング教材を女性メンバーでレビューしてみて気づいたこと

こんにちは、みんなのコードです。

みんなのコードは、「すべての子どもたちがプログラミングを楽しむ国をつくる」というミッションを掲げ、先生方が授業で使えるプログラミング教材『プログル』を提供しています。


小学校の算数・理科の時間で使える教材として『プログル』、中学校・技術で使える『プログル技術』を提供しています。そして今年3月には、高等学校情報科・情報Ⅰで使える『プログル情報』を提供開始しました。

これらの教材は、オンラインかつ無償でご利用いただけます。

さて、『プログル』を学校現場に提供するにあたっては、社員が実際に教材を使ってみる「社内レビュー会」を実施しています。実際にレッスンに取り組み、不具合がないか、子どもたちが使いやすいか、先生方にどのように授業に活かしていただけるか、社員それぞれの視点でサービスの理解を深めていきます。

今回は、2021年3月に提供開始した『プログル情報』の社内レビュー会に参加した、女性メンバーの気づきについて書きたいと思います!

プログル情報』とは

プログル情報は「Python」というプログラミング言語が学べる教材です。小中学校ではScratchのようなブロック型のプログラミングを扱うことが多いのですが、Pythonはテキスト型のプログラミング言語です。コードを自分で書いていくのはどんな言語でも難しいと思いますが、Pythonは比較的書きやすく、また読みやすい言語と言われていて、非常に人気があります。

プログル情報はインターネットを通して他のプログラムと連携するWeb APIという仕組みを利用したプログラミングもできるようになっています。

また、レッスンの後半では各自のオリジナルプログラム作品が作れるので、生徒が自分のアイデアを生かして身近な問題解決にも取り組めるような構成になっています。


『プログル情報』の社内レビュー会には、10人の社員が参加しました。うち女性は3名でした。私たち女性メンバーは、プログラミング分野で仕事をしてはいるものの、プログラミングを実際に得意としているわけではありません。ゼロベースで取り組みました。

第1ラウンド:社内レビュー会で自己肯定感が低くなる

社内レビュー会は、技術部以外のメンバーが『プログル情報』を触ってみる。その様子をエンジニアメンバーと代表の利根川が巡回するという、教室と同じようなスタイルで実施されました。

女性メンバー3人は、上手くコツをつかむことができず、教材をレビューする以前に、他のメンバーのようにレッスンをさくさくと進めていけないことに、何か居心地の悪さを感じていました。他のメンバーが一人で理解していく場面でも、立ち止まってしまうことが何度もあったのです。

社内レビュー会が終わった後、「こんな自分が、プログラミングを扱う仕事をしていて良いのだろうか」とまで感じたメンバーもいました。

第2ラウンド:自主練で手応えを感じる

しかし私たちも、みんなのコードの一員ですので、ここで終わるわけにはいきません。女性メンバー3人で、再度時間を取って自主練をすることに。

一番最初のレッスンからやり直しました。社内レビュー会の内容を思い出しながら、3人で教え合いながら取り組み、少し前進、そして少し手応えを感じることができました。

第3ラウンド:自主練(2回目)で楽しさを感じる

『プログル情報』はいくつかのレッスンで構成されていますが、第2ラウンドを終えても、すべてのレッスンをクリアすることはできませんでした。

そこで、「クリアできるまで終われない」をコンセプトに、3回目の自主練をしました。

再度、一番最初のレッスンからやり直し、3人でどこでつまずいたのかを意識しながら、今度はひととおり終えることができました。お天気APIを使って簡単なコードを書けるようになったり、みんなでレッスンをクリアしたり、出来るようになった手応えに、ようやくプログラミングの楽しさを感じることができました。

3回のトライを経て、気づいたことは以下の3つです。

1.心理的安全性が大事

第1ラウンドの社内レビュー会は、教室と同じような形式で進みました。

ところが、この構図にプレッシャーを感じました。後ろから見られていると思うと、「試しに書いてみる」がしづらいことに気がつきましたし、「自分だけ間違っているのではないか」「出来ていないことがマイナス評価になるのではないか」という不安を感じました

2.「このコードはどういう意味だと思う?」とロジックを聞かれたくない

最初から理論で吸収する人は少ないのではないかと思います。特に、私たち3人は、以下のプロセスをたどったように思います。

  • ある程度直感的に取り組む
  • 回数を重ねる
  • だんだんとロジックを理解する

手が止まっていると、先生役の技術部メンバーや代表が、よかれと思って助けてくれようとします。それは大変ありがたいのですが、しかし、直感的に取り組んでいる段階でロジックを聞かれると、うっ、となってしまいます。正解が答えられない自分への嫌悪感が止まりませんでした。

3.助け合いながら解決していくプロセスを楽しめた

第2ラウンド以降の自主練は、女性メンバーだけで行いました。「これどうやるの?」「まだそこまで行ってない!」「どこで止まってる?」という会話が活発にされました。だいたい同じように出来ないレベルの人たちだったこともあり、出来ていないことを素直に言える安心感がありました。

また、3人で話し合うことで、「ここがわからないのは自分だけじゃないんだ」という気持ちになりました。開発者に直接質問したり、講師メンバーが授業用に作成した解説スライドを参照したりして、ロジックの部分も理解していきました。

なんとか最後まで完走することができました。

今回、自主練も含めて3回、同じプログラミング教材に取り組むことになりました。プログラミングの楽しさを感じるところまで至ることができ、結果としてすごく良かったと思います。レビューという観点では、最初は気にならなかったのですが、「なんでコーディングの画面は黒なんだろう。可愛くないよね」「お天気APIよりワクワクするデータってないんだろうか」という気づきも少しずつ出てきました。

次回は、高校教員研修を担当している講師メンバーに、この感想を共有してみた様子をお届けしたいと思います!

みんなのコードでは、少しずつではありますが、ダイバーシティ&インクルージョンの視点での議論とアクションを始めています。

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