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「医療分野」という未知なる領域で取り組むデザインの醍醐味

 今回お話を聞いたのは、2018年7月に入社し、開発チームでデザイナーとして活躍する寺嶋 章子さん。デザイン業務の醍醐味やキャリアについて、子育てをしながらのワークスタイルなどについてもお聞きしました。

医療サービスならではの難しさ

ー 一般向けサービスに比べると、医療サービスは開発の進め方など異なる点が多いかと思います。「CLIPLA」のデザイン業務をするうえで、難しいポイントは何ですか?

寺嶋 診療業務を支える電子カルテですので、入力項目は非常に多く、また外部機器との連携など機能がふんだんに盛り込まれています。一般向けサービスで機能が多い場合、自分が使わない機能を非表示にしてシンプルな画面にすることもできると思うのですが、電子カルテというサービスの性質上、細かなことでも見落としがあってはいけません。そのため、非表示機能を取り入れるのが難しく、どうしても画面いっぱいに機能を詰め込むことになります。また、入力内容の削除ひとつをとっても1回の選択では消せない仕様にしていることも違う点です。何よりも確実性が重視されています。
 ごちゃごちゃしがちな画面をどう整理し、使いやすくしていくのか。そして確実性をどのように担保していくのか。このあたりが難しい点だと思います。

ー ユーザーにどう使われるかを慎重に検討する必要があるのですね。

寺嶋 そうですね。機能改善の検討をするうえでは、ユーザーヒアリングが大事になってきます。日常で私たちが使うものではなく、現場にしか答えがないからです。ヒアリングした先生や診療科によって要望が異なることも多いのですが、慎重に優先順位を見極めながら、開発を進めています。

ー 難しい課題も多いなかで、どういった醍醐味がありますか?

寺嶋 前職時代、Webサービスをひとつ選んで、デザイン視点でサービスを考察するというのを日課でやっていました。例えばここ数年だと、どのサービスでもコメント機能や友人とのつながり・拡散など、SNS要素を取り入れるケースが多く見られていました。そんな中、電子カルテのサービスは殆ど表に出ていないこともあり考察したことがなく、未知の分野が新鮮に感じられて、医療という分野で着実なサービス開発に取り組みたいという想いがありました。
 あとは、純粋に医療やクリニックの仕組みについて知ることができるのはおもしろいです。日々、医療関連の様々なニュースが取り上げられていますが、今までとは見え方も変わり、自分事として捉えることができるようになりました。

子供のためだけではなく、休暇を自分のためにも充てることができる

ー 前職でも、リモートワークで仕事をされていたのですね。

寺嶋 はい、前職でもリモートワークをしていました。自宅にこもりっきりだとどうしてもコミュニケーションの機会が限られたり、刺激の少ない環境に飽きてしまうので、ランチ時間を活用して社外の方にお会いしたりと、工夫を重ねていました。

ー 当社では最大週4日のリモートのため、最低1日は出勤日があります。

寺嶋 はい、エンジニアとデザイナーは月曜日が出社日になっていて、定例ミーティング等も月曜日におこなわれています。リモートワークの時はSlackでのコミュニケーションがメインになりますので、週1で顔を合わせることできると、「何のツールを使っている?」とか、雑談のなかで何気ない情報交換がしやすくなります。週1の出勤日が、情報交換であったり気持ちをリフレッシュすることにもつながっています。

ー 3人のお子さんの子育て中とのことで、仕事に子育て、家事にと、時間の切り分けが大変そうですね。

寺嶋 リモートワークを駆使して、時間をうまく有効活用しています。例えば授業参観など平日のお昼過ぎに行われることが多いのですが、出社型の会社だと、会社から学校への移動時間もあるため1日の有給休暇を取得しなければならない所、自宅でのリモートワークのため学校への移動距離が短い分、午前休を取得したりあるいはランチ時間でまかなうことができます。出勤型の会社の時代だと、子供の病気やイベントだけで有給休暇を使いきっていましたが、リモートワークとなってからは自分のリフレッシュのためにも休みを充てることができるようになりました。

ー 寺嶋さんのTwitterを見ていると、いろいろなお料理を作られていますよね!

寺嶋 作るのも丁寧に作られたご飯を食べるのも好きなので、作ってる方だと思います。出汁から取ったご飯は美味しいので、乾物とか好きです。ご飯をちゃんと作っていると、子供も風邪をひかずに学校もほとんど休んでいないので、食事面の効能は大きいと思ってます。



開発スキルを高め、エンジニア・デザイナーとして活躍したい

ー 寺嶋さんのこれからのキャリアや、取り組んでいきたいことなどについてお教えください。

寺嶋 社会環境は刻々と変わっていくものだと思うので、明確な将来像は描けていない部分もあります。優先したいのは、今のワークスタイルはすごくフィットしていますのでワークスタイルはキープしながら、母としての役割もこなしていきたいと思っています。
 仕事の面では、開発のスキルを高めていきたいです。もともとエンジニアとしての志向が強かったこともありますので、開発を軸にした、エンジニア・デザイナーで居たいと思っています。

 業界特性もあると思うのですが、多くの医療系サービスはサービス画面がオープンにされていなかったり、デザイナーの方の発信が少なかったりと、デザインに関する議論が進みにくい環境にあると感じます。そういった点では、私自身が情報発信の機会を増やしていくことで、他社の方もそれを見て少しずつ発信が増えたり、ノウハウを共有できるようになるといいなと思っています。

ー それでは最後に、今後どんな人と働いていきたいか教えてください。

寺嶋 周囲に対する思いやりの気持ちがある方とご一緒したいです。例えば、開発であればレビューをお互いにやることになりますが、いい加減なコードを書いてしまうと周囲のメンバーの負担になってしまいます。また、そのままリリースするとクリニックの方々や患者さん、サポートのチームにまで迷惑をかけることなどを考えて行動できる人が良いと思っています。今居るメンバーは、思いやりがある人たちが揃っていて、安心して働くことができています!

ー 寺嶋さん、いろいろなお話しお聞かせいただいてありがとうございました!


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第1回:「医療に貢献する。」リコーのエンジニアからクリニカル・プラットフォームに転職した理由

第2回:仕事と子育ての両立を図るため、私がクリニカル・プラットフォームを選んだ理由

第3回:「お客様とどのような関わり方ができるのかを考え抜く。」 CLIPLAのカスタマーサクセス

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