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卓越したプロダクトを生み続けるためにアルクテラスが大切にしていること

アルクテラスは学習ノート共有サービスの「Clear(www.clearnotebooks.com)」を開発しているEdtechスタートアップです。僕が会社を創業してから感じた課題と、その上でぼくたちが大切にしていることを説明したいと思います。


組織として、世紀を超えて成長し続けられるようになりたい

当然ですが創業者、CEOが一人でできることには限りがあります。

そもそも僕は、一人のスーパースターにスポットライトのあたる企業ではなく、組織として卓越したプロダクトを生み続ける、世紀を超えて成長し続ける企業を創りたいのです。

会社のミッションとビジョンを定めることは僕が行います。仲間たちはそれに共感してくれて、参画してくれているわけですが、具体的な実現方法を検討し、具現化していくことは一人でできることではありません。

そのことに対して、創業からこれまでに解決したかった問題、そして対策としてとった方法について書いていきます。


過去の間違い



アルクテラスを創業してこれまでの間、トップである自分が全てを決めなくてはいけないと思って、空回りしていた時期もありました。しかしこのスタイルで優秀なチームを率いることは合理的ではありません。

ぼくがすべての活動を詳細に至るまで率いることで、一貫した開発活動ができるように考えていたのですが、それは大きな間違いでした。

ぼくがエンジニアリングやデザインについて、各担当メンバー以上に適切な判断はできることはほとんどありません。さらにトップが細々と口出しをすることで、チームは思考することを止めてしまいます。

自分の専門分野について決定権を持てなくなることでモチベーションを失うこともありますし、他の人が決めてくれる環境にいることで依存心が生まれることも見てきました。

マイクロマネジメントをうまくやれるCEOもいるのかもしれませんが、少なくともぼく自身はそれをうまくやれるタイプではありません。どの程度具体的に関与すべきかは状況にもよりますが、それによらず、チームとして重視している点の方が、重要だと考えています。


組織の力を生かすために責任感のある批評を増やす



アルクテラスでは今、率直なコミュニケーションを重視しています。チームの各メンバーが自分の意見をストレートに発言することを大切にしています。

当たり前のことのように聞こえますが、これはスタートアップが成長し続けるための重要な条件だと思います。誰もが責任感を伴った批判的な意見を言える組織風土を作ることで、すべての活動が最適に行われるようになり、優れたプロダクトを最適なルートで生み出すことができます。

一方でこれは簡単なことではなく二つの意味で難しさがあります。

理由の一つは利己的な動機に基づいた発言の存在です。こういう発言や批判が増えると企業活動は適切な方向に進みません。幸いなことにアルクテラスは創業時から利己的な発言や考え方を排除することに留意してきました。

今のアルクテラスは全員がプロダクトに対する愛情と仲間に対する思いやりを持っていることが確認できているので、発言の背景を疑う必要はほとんどありません。


率直なコミュニケーションを生み出している方法

もう一つの理由は、ストレートな発言や批判をすることに対する心理的なハードルです。

その対策としてぼくたちがやっていることは、ストレートな発言がしやすい仕組みを組み込んだ活動です。プロダクト開発合宿、振りかえり活動、デザインレビューではそういった考慮がされています。

例えば、議論しにくい内容についてはそれぞれが主張を付箋紙に書き込み、それを一斉に張り出して見比べるというやり方をとったり。他にもいろいろな手法を取り入れており、どれも濃淡はあれど効果を生んでいます。

さらにぼく自身が繰り返し、

「場の空気なんかを読むのはやめよう」
「その場の大半の意見と異なる意見こそ価値があるよね」

という話をしています。

この仕組み化と反復したコミュニケーションによって、チームの力で偉業を成し遂げる組織に向けた一歩を踏み出しています。

今はデザインスプリントのようなプロダクトデザイン合宿をやると、ほぼ全員が自分の意見を発言できるようになりました。こういうチーム作りを一緒にできている社員たちに本当に感謝しています。


アルクテラスでは過去の反省を活かして「組織の力を最大化させるためのコミュニケーションづくり」を徹底しています。その軸を持って過ごすだけで組織の力は倍増することを実感しています。

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