2018年9月から、アメリカのボストンにある MIT(マサ チューセッツ工科大学)の大学院、EMBAに通っています。 MBAは Master of Business Administration の略で、日本語では経営学修士と訳されます。今回僕が合格した EMBAの頭文字 E は Executive を意味し、現役の経営者や経営幹部など実際にキャ リアを持つ企業人が、その経験を活かしながら学びあい、切磋琢磨することでさらに高めていこう、という大学院です。2年間のコースで、プログラムは月に2回ほど、週末を使って行われます。僕も日本からボストンへ通学しています。
◯英語でチャンスを掴めなかったコンプレックス
実は、MBAを目指したのはこれが初めてではありません。社会人になって2、3年目に、キャリアチェンジをしたいと思った時、そのために僕もアメリカの大学に留学したいという気持ちが膨らんできました。
大学、社会人と、周りに帰国子女がたくさんいる環境で過ごし、彼らのように海外で勉強するというチャンスをつかむことができなかったことが、自分の中で大きなコンプレックスになっていたのです。
◯TOEFL100 点は絶対条件
実際に仕事をしながら大学院を目指しても、まず TOEFLにつまづきました。海外のMBA に行くには、TOEFL100点が絶対条件です。当時通っていたTOEFLの塾で「三石さんの今の英語力なら、2年くらい勉強すれば TOEFLでいい点を取れるようになるでしょう。その後1年で GMAT(入学適正テスト)対策をやる、という3年計画で頑張りましょう」と言われました。 3年もかけて勉強しても、その時に自分がどうなっているのかもわからないし、3年という年月が永遠のように感じました。 そして自分には無理だと諦めてしまったのです。
◯僕は英語塾キャタルを作りました
周りの帰国子女たちだけが、出世したり、MBAに行ったりする姿を見て、幼少期にどういう英語との関わり方をしてきたかによって、こんなに差がつくのかということを目の当たりにし てきました。自分は諦めたけれども、「下の世代にはそういう思いをさせたくない」「もっと早い時期から、TOEFLのことも準備できるような塾があったらいいな」という思いでキャタル を設立し、子どもたちの英語力を上げることをサポートし続けてきました。
2015 年に転機がありました。ノーベル生理学賞を受賞されて、今は MITで脳科学の研究をされている利根川進教授にインタビューをさせていただく機会があり、実際にボストンに飛んで MIT を訪れました。 利根川教授と立花隆さんが書かれた「精神と物質」という本を読んで感銘を受けていましたので、僕にとっては大ヒーローの 利根川教授に実際にお会いしてお話できたということは感動的でした。そして帰り際に、MIT の有名な景色でもある、広い芝 生とその中央にドームがあるという広場に立った時に、ふと「こ こで勉強したい」と思ったのです。 もちろん、利根川教授がいらっしゃることも大きな理由ですし、 振り返ってみると、一番好きな映画の「グッドウィルハンティ ング」は MIT が舞台だし、小学校3年生の時に、父親が出張のついでに立ち寄ったMITの写真を僕に見せてくれて「郷史 もこういう大学に行って将来は科学者になるのもいいな」と言われたことなど、いろんな思い出が一気に頭をかけめぐって、 もう一度目指してみよう、と決心しました。
◯TOEFL74 点。100 点に及ばず
でもやはり、TOEFLの点数を上げることが壁になりました。当時TOEIC も受けていて、それはほとんど勉強しないで 930 点 くらいでしたので、TOEFLも80とか90点くらいは取れると思っていましたが、最初に受けた時は74 点。あまりに悪かったので、社員にもTOEFLを受けたことさえ言えませんでした。 そこから TOEFLの勉強を本格的に始めました。英語塾キャタルは「ABCからTOEFL100 点まで」というビジョンを掲げていますが、僕自身が TOEFL100点を取れていませんでした。何回も諦めそうになりましたが、僕がここで諦めたら、苦しくなった時に生徒たちも諦めてしまう、と思って頑張りました。
◯100 点取れなかったら坊主にします!
ある時、僕がやっているラジオ番組の中で「今年じゅうに TOEFL100 点を取れなかったら坊主にします」と宣言しました。 でも 11 月のテストで94点だったのです。まずいなーと思っ て勉強法を見直して、たくさん「書く」ことに力を入れました。 リーディングとリスニングに関してはほぼ完成されていたの で、やはりもっとアウトプットをやらなければ、と思い、ライ ティングの過去問を解きまくって、なるべくたくさんの人に見 てもらいながらフィードバックをもらう、というトレーニング をしました。
最後、12 月 16 日に受けた TOEFL の結果が 12 月 30 日に来て、102 点でした。年末ギリギリで、僕は坊主にならずに済みました。
(続く)
株式会社キャタル
キャタルでは「英語学習を成功体験に!」「世界基準の教育を受けられる子どもたちを育てる」というミッションと「abcからTOEFL100点まで 世界一生徒の英語力が伸びる塾」というビジョンを掲げています。 TOEFL100点という具体的な目標をビジョンに入れている背景は、世界基準の教育を受けるためには、海外のトップ校に入学するために必要とされている点数がTOEFL100点とされているためです。abcからはじめた生徒が最終的にはTOEFL100点を取れるような学びの体験を提供しています。 小学3年生から高校3年生までの10学年を対象とし東京(本社は渋谷)、横浜と福岡の教室に加え、オンラインでも子どもたち向けに英語塾を運営しています。 2002年に創業し、今年で24期目になります。 社員は42名(女性比率:約70%)です。 うち、教室運営に携わるメンバーが全社員の半数、マーケティングは3名、エンジニア・デザイナーは8名、カリキュラムチームは3名、教師採用研修チームは3名となっています。 教師は東京と福岡を合わせて250名ほど在籍しています。 2024年9月からの24期は、首都圏7校、福岡2校、タイバンコクのプロンポン校、オンライン校の計11校に加えて、キャタルのメソッドとカリキュラムを他の私塾にライセンス提供するB2B事業を立ち上げ、キャタルメソッドで成長していく生徒たちを全国に増やしていきたいと考えています。