アライアンスセールスとして、大型アライアンスの締結、事業開発まで幅広くとして第一線でご活躍されている、後藤さんと柿澤さんの対談インタビューです。アライアンスセールスというロールの魅力について熱く語って頂きました。
ーー本日はよろしくお願いいたします。はじめに自己紹介を頂いても宜しいでしょうか?
後藤さん:よろしくお願いします。私は慶應義塾大学卒業後、三菱商事株式会社に入社しました。3年目に製造業に関連する新規事業を立ち上げるためにタイへ。
最初は現地の大学に入学し、翌年から新規事業拡大に向けて学んでいたんですが、外国人として交渉の場に立つのは本望ではないと思い、出家しました。数年後、自分として進みたい方向が見えてきたので、三菱商事を離れようと決意し帰国。
会社を立ち上げようと考えている最中に、代表の加藤と出会ったんです。お互いの話をする中で「環境や組織構造が理由で、恵まれない人を無くしたい」という価値観に深く共感し、キャディに参画しました。
柿澤さん:よろしくお願いします。私は大学在学中に公認会計士試験に合格したんですが、起業志向が強く、監査よりも事業の最前線で仕事をしたいという思いがあり、みずほ銀行に入行しました。中小企業のご支援をしながら、休日にベンチャーの支援をしていたのが楽しくなってしまい、ベンチャー支援をグループで行っている監査法人のトーマツへ。
15社程IPOのご支援をした後、デロイトトーマツベンチャーサポート株式会社のFinTechチームへの異動を経て、「この技術は世界を変える」と感銘を受けたブロックチェーン技術によりダイレクトに携わるため、OmiseGOというブロックチェーンベンチャーに転職しました。
次のチャレンジとして、社会的インパクトが大きい事をしたいと思っていた中、キャディと出会いました。今まで見たベンチャーの中で、圧倒的に高い解像度でモノづくり産業の課題に取り組んでいることに衝撃を受けて、すぐに入社を決めたんです。
ーーお二人とも非常にユニークなご経歴ですね。キャディに入ってから今までのお仕事についてお伺いしても宜しいでしょうか?
後藤さん:最初は、パートナーの開拓や関係構築を担っているSCM(サプライチェーンマネジメント)として従事していました。日本の製造業を支えている町工場がたくさんあるので、足を運んでパートナーシップを組むために奔走する日々で。
その後、アライアンスセールスを担うことになり、今に至ります。キャディは顧客やパートナーのサクセスのために、必要であれば柔軟に組織体制を更新していく会社なので、自分自身が一番バリューを出せると感じた所にコミットしています。
柿澤さん:私は、はじめに、バックオフィスの立ち上げを担うことになりました。この頃は、経営陣がバックオフィス業務をしている状態で、「会計士だからできそう」という理由でまるっと担う形になりました。体制構築をした後に、全社で採用が重要な課題になったので、HRとしてエンジニア採用を推進していくことに。
その後、COVID-19の影響もあり、ビジネスサイドでの課題の優先順位が高くなったので、異動し、物流費の改革を推進するプロジェクトや難易度の高い加工図面のプロジェクトマネジメントを特命部隊として推進しました。最初は図面を読めなくて苦労していて。今はアライアンスセールスとして従事しています。
ーーありがとうございます。アライアンスセールスの役割について教えて下さい。
後藤さん:顧客の課題を解く人がアライアンスセールスだと考えています。そのためには顧客・パートナー・社内を巻き込み、強く推進していく事が必要です。アカウントのトータルディレクターと言えるかもしれません。今までの伝統でやりきれなかった事を実現して、モノづくり産業のポテンシャルを解放する。課題解決のためにありとあらゆる事を実行する気概と実行力が大切です。
柿澤さん:機能的な観点でお話しすると、営業という側面を持ちつつ、マーケティングや営業企画も担っています。具体的には、マーケティングチームと連動し市場を選定し、顧客開拓やロイヤル化の戦略を策定・実行したり、ヒアリング内容をもとにプロダクト開発にフィードバック等です。顧客の課題解決のために何でもやっていますね。
後藤さん:キャディも事業が拡大し、いちサプライヤーの営業職としてご支援するのではなく、調達部門の課題を解決してほしいとご依頼頂くことが増えてきています。まさに顧客の経営層と経営課題の解決にあたっています。会社を代表して、先方の経営課題に向き合うので、自社についても誰よりも語れるようにしています。
柿澤さん:キャディは、狭義の「Product」ではなく、オペレーションを含めた事業全体を「Whole Product」と呼んでいます。テクノロジーだけではない全体での課題解決だからこそ、極めて複雑性が高いモノづくり産業を変革できると考えています。そのため、バリューチェーンを深く理解している必要がアライアンスセールスにはあるんです。
ーーまさに事業の最前線ですね!そんなアライアンスセールスの魅力を教えて下さい。
柿澤さん:私はキャディのパッションが、顧客にも乗り移っている時ですね。私達は、顧客とコミュニケーションを多く重ねて、特に担当者の方とは2人3脚で案件を進めています。先方の経営層との会議で、「キャディの人ですか?」と思う程、担当者の方がアツく語られる場面に立ち会える事が増えているんです。以心伝心している感覚を覚える時にゾクゾクしますね。モノづくり産業を変革するうねりを一緒に作れているなぁと。
後藤さん:顧客からビジネスでもプライベートでも頼られる瞬間は嬉しいですね。例えば、キャディで確実にできるかはわからない案件を、顧客に受注をとってきて頂けることもあって。他には、キャディと仕事に取り組んだ担当者の方が、高頻度で昇進や昇格をしているんです。自分の事のように嬉しくなるのと同時に、事業の価値も感じます。
プライベートでは、ある方から「家に調理器具を特注で購入したいんだけど、後藤さんできる?」とお声を頂くことも。もちろん、対応頂けそうなパートナーさんをご紹介しました。公私の垣根なく信頼を頂けるのはたまらないですね。
ーー素敵です!アライアンスセールスの皆さんでナレッジ共有もされているんですか?
柿澤さん:そうですね。完璧にできているわけではないですが。例えば、後藤の顧客との関係性構築のアクションを分解して、詳細について本人にヒアリングする場を設けたりしています。
後藤さん:各業界のTOPプレーヤーがキャディには集まっているので、他社のナレッジを、当事者にヒアリングできる環境は非常に良い所だと思っています。ただ、型のない事に会社として取り組んでいるので、型ありきではなく、キャディに活用できるものは学ばせて頂く位のスタンスが良いのかなと。
ーーアライアンスセールスの醍醐味を感じられるエピソードがあれば教えて下さい。
後藤さん:自社の設計リソースに制約がある関係で、ボリュームのある発注案件は設計を含めてアウトソースしなければならないプラントメーカーさんがいらっしゃいました。そのため、調達だけではなく設計から対応可能なパートナーの確保が喫緊の課題だったんですね。
また、サプライヤー1社あたりの設計・製造リソースも制約があるため、分散発注する事が必要で、その場合顧客の品質監査・検査の管理工数がサプライヤーの数だけ増えてしまう状況でした。見積もり依頼で20社以上、実際の発注先も10社程にまで分散していて。
ワンストップで多様な需要に対応できるキャディがご支援することで、管理工数の大幅な削減・案件の特性ごとに最適な設計・加工会社のサプライチェーン構築によるコスト低減も見込めます。顧客のポテンシャルを解放する大きなチャンスがあると感じました。
前述のポイントを担当者の方に丁寧にお伝えしつつ、キャディと取り組む事の意義をご理解頂きました。その後、顧客経営層へのご提案まで、共にPJを推進しご発注頂けることになりました。今では、いちサプライヤーではなく、経営のパートナーとして信頼をいただいていると日々感じます。
柿澤さん:私が担当している産業機器メーカーさんでは、グローバルトップになるために必要なサプライチェーン構築と調達の効率化を推進しています。その中で、年間数十億円規模の予算の20%超を、まずはすぐにキャディにお任せしたいという話を頂いています。120兆円といわれる調達市場で、こういった取引の旗振り役を担えるのは、キャディのアライアンスセールスならではだと思います。
ーー会社として順調に成長していると思いますが、お二人から見てキャディは、今どのようなフェーズですか?
後藤さん:まだまだやりたいことの1%もできていない、という感覚ですね。会社規模としては100名を超え、ある意味外から見るとちゃんとしている感も出てきたかもしれませんが、カオス度でいうと今の方が高いくらいで。もちろん会社として成長しているんですが、解きたい課題や目指す像はそれ以上に大きくなっているので、目指す山の頂は高くなるばかりという。
先程お話ししたように、顧客の経営課題のご支援ができるようになった一方、モノづくり業界全体をみたときにそこはまだほんの一部でしかない。キャディがやりたいのは一部の最適化ではなく、本質的な構造改革であり課題解決です。つまりは製造業全体でのサプライチェーンの最適化を目指していますが、その一歩として今「個に迫る」ことにフォーカスし、1社1社仲間を増やしている最中です。
柿澤さん:その通りですね。社外の方にお会いすると、社員が100人超えて、もうアーリーなフェーズではなくなっていると思われる方もいますが、実は全くそんなことはなくて。
キャディはメーカーさんとサプライヤーさん双方にアプローチをかけているので、単純計算でいくと片方だけにアプローチするビジネスモデルの倍の人が必要です。ですから、まだまだ40-50人位の組織フェーズの感覚は強いです。今まさに、事業やテクノロジーの基礎を創っている。そんなフェーズだと思っています。毎日が激動で、半年先も大きく変わっているでしょう。これから数千人/数万人の会社になるのでまだまだ最初の100人であり、今後のキャディのカルチャーの担い手だと思っています。
テクノロジーでいうと、キャディには天才エンジニアが40人位います。彼らが作り出している社内システムがここ1年でどんどん稼働し始めています。外から見るより遥かに泥臭くやっていた所から、最新のテクノロジーを使ったシステムが日々進化していく様は、本当に近未来を感じます。
お客さんに少しお見せしたりしても激刺さりするんですよね。近い将来、お客さんやパートナー側にもそのシステムをご利用いただけるようになると、製造業全体のDXに向かっていくんだろうなと確信を持っています。
ーー最後に、どんな方がアライアンスセールスにフィットしていると思いますか?
後藤さん:志に向けて命を燃やせる人、また、世の中を良くしていくために努力を続ける覚悟を持ち続けられる方だと思います。
柿澤さん:知的好奇心があるかは重要だと思います。限界を作らない人ですね。例えば、新規事業のプランを複数、面接時に持ってくるとか。
後藤さん:柿澤さんですね!!
柿澤さん:はい、そうです。本当に大切だと思っていて。今までにないものを顧客やパートナーと作っていきたいんですよ。なので、既存の枠から能動的にはみ出せる人が良いですね。成功失敗に関わらず、世の中を変えるチャレンジをした事がある方は大歓迎ですね。
例えば、顧客の課題解決をするために、自身の担当ではないソリューションまで提案してしまう人、新規事業を立ち上げてしまう人は今すぐお会いしたいなと思います。「むずかしいことをおもしろがる」人は是非!
後藤さん:あわせて机上の空論ではなく、信頼関係を顧客と築くために泥臭いアクションも厭わない方が良いです。顧客の経営課題を解決するためには、ロジックに基づいたプランニングは不可欠です。
一方、最後は人と人なので、論理を超えた情理の部分で信頼を勝ち得ないといけません。そのためには毎日先方のオフィス、工場に足を運び、お話をお伺いするなど地道な積み重ねが肝になってきます。顧客のために、できることを可能な限りやり尽くす、そんな方とご一緒したいなと思っています。