キャディの中にどんな役割があるのかをお伝えしていくチーム紹介シリーズ。第2弾の前編では「カスタマーサクセス(CS)」グループ中心にお伝えしました。後編は「オペレーションシステム(OS)」グループについてです!引き続きマネージャーの中原が語ります。
▼前編はコチラ
前編でもOSグループについて少し説明がありましたので、まず再掲です。
もう1つ立ち上げているチームが「オペレーションシステム(OS)」グループです。キャディは7秒の自動で見積もりを出すシステムが特徴ですが、自動では回答できないイレギュラーケースも存在します。こうした場合でももう1つの特徴である「最適発注」の価値を届けるために、一部オペレーションを挟むことで、多くのカスタマーにサービスを使っていただける機会の創出を行っています。
このオペレーションによって、3D CADといった先端ツールを使えないカスタマーにもサービス提供できますし、ここで蓄積した知見が自動見積もりのシステムにも反映されるため、プラットフォームの根幹を支える重要な役割です。
将来的にはこれらのオペレーションをさらに自動化・効率化していくためのプロダクト開発も進めています。それに伴い、両グループの役割も進化していくと考えています。
そのオペレーションはキャディのミッション実現に繋がっているか?
── 次にオペレーションシステム(OS)グループについて聞かせてください。具体的にはどういった業務内容ですか?
OSが担うのは、自動見積もりが対応していない図面を読み取り、独自ロジックに基づくコスト計算を行って、カスタマーに提示する見積もりを作成するプロセスです。
社内のノウハウ蓄積のため、また図面の難度に応じて、チームメンバーが直接この業務を行うこともありますが、システムや外部リソースなどを組み合わせてプロセス全体を最適なフローに設計し、オペレーションが迅速かつ安定的に、そして効率的に対応できるようにマネージしたり、仕組み自体を作っていくことが主な業務です。
日々のオペレーションを自らこなしていくのではなく、オペレーションフローの構築・改善、外部パートナーとの連携、ツールの導入・見直し、システム開発などを通して、仕組みを継続的に改善していくことが大事です。
── その中で重視しているのは?
重視しているのは、効率だけを追求するのでなく、カスタマー、パートナー、そしてキャディの3者ともにメリットがある三方良しのオペレーションを、再現性とスケーラビリティ(拡張可能性)をもって作っていくことです。
オペレーション設計となると効率性だけにとらわれて視野狭窄になりがちですが、そもそものミッションである「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」ことに寄与できる方向での効率性でないと意味がありません。
「そのルールはカスタマーにとってメリットあるんだっけ?」「そのフローにしたらパートナーに迷惑かからない?」など、ステークホルダーにとってどんな影響があるのかを意識した仕組み作りを重視しています。
また自動見積もりのロジックやプロダクトに関して、精緻化や改善のためのフィードバックを行うことも重要な業務になります。目の前のオペレーションを所与とするのではなく、「そもそも自動化できないんだっけ?」と大胆な視点をもって取り組むことも意識しています。
商品ラインナップ拡充や取引増加のスピードはOSグループ次第
── 課題や難しい点はどんなことですか?
対応する取引のタイプや量が急激に増えていくことへの対応ですね。
どういうことかと言うと、今年の5月から板金加工に加えて切削加工(機械加工)の対応を始めたように、今後も私たちが取り扱う商材(加工品・部品など)のラインナップは広がっていきます。
新しい商材はすぐには自動見積もりできないケースがどうしても多くなりますし、ノウハウも溜めていく必要があるため、OSグループがオペレーションを構築して対応していくことになります。そのうえ、カスタマーの急増に伴い、既存の商材についても、OSグループの対応が必要な案件の量が増えていくわけです。
キャディの成長を支えるために、この処理量の急増に対して、安定的に対応し続けられるスケーラブルな(拡張性の高い)仕組みを作らないといけない。また見積もり対応スピードは、キャディとしてのサービス品質に直結するので、イレギュラーケースや新しいケースであっても高い効率性が求められます。
つまり、キャディの成長スピードはOSグループ次第のところがあるんですよ。
ちなみに、図面って書き方が決まっていて、誰が書いても同じだと思うでしょう?そうじゃないんですよね。
── え?違うんですか?
製造業の図面って、業界や担当者によって表記の揺れが激しいんですよ。必要な情報が図面上に完全には揃っていないことすらあります。
pavlodargmxnet ”Welle Shaft” / stock.adobe.com
注:あくまで部品図面のイメージです。弊社保有の図面は機密情報ですので…。
そのため、単純なシステム化やマニュアル化では安定的な対応が難しいんです。また見積もりのミスは、場合によっては製作困難な案件に繋がってしまいパートナーにもネガティブな影響を与えてしまう可能性があるので、見積もりのロジックも常に改善が必要です。
このようにボリュームや対応パターンが増えていく一方、複雑性も高い状況の中で、どう効果的にオペレーションを組み立てていくかが、安定的にカスタマーを獲得し成長していくための鍵になります。
これらを実現するのは簡単なことではないんですよね。だからこそ同じことをやろうとした企業があまりいなかったんだと思います。非常にやりがいのあるチャレンジです。
── OSグループを立ち上げ始めてまだ間もないですが、進捗はいかがですか?
入社間もないメンバーも多い中で試行錯誤を繰り返してきました。たった2か月でそれまでのオペレーションフローを抜本的に見直し、外部リソースを導入するといった構想が具体的に動き出したりと、これまでの延長線上では起きないような変化が生まれてきています。
大胆な思考、目標設定でどんどん良い変化が起きていて、メンバーの熱量も非常に高い状態です。カスタマーのニーズに則した新サービスを、OSグループ主導で考案する動きも出てきているんですよ。
リアル産業×テクノロジーの領域でイノベーションを起こすために
── OSグループにおいて今後どういったことを実現していきたいですか?
CS(カスタマーサクセス)とも重なるんですが、伝統的な産業においては、オペレーションを抜きにしてイノベーションは起こせないと考えています。
イノベーションというとテクノロジーが注目されがちですが、テクノロジーだけでは解決しきれないところが常にあり、人の力による部分も含めてシステム全体で解決していくことに大きな価値があります。
テクノロジーとオペレーションを掛け合わせて産業変革を起こすためのベストプラクティスを、キャディのOSグループから生み出していきたいですね。
── そういった中でどんな人材が必要になりますか?
事業全体を俯瞰しながら、オペレーションの設計・構築、改善、運用管理と一貫して取り組んでいく必要があるので、新規事業開発やスタートアップにおいてオペレーションの立ち上げを経験されてきた方に、ぜひ参画してほしいですね。
またコンサルティング会社で、業務プロセス構築や業務改善の計画・遂行、システム導入などのプロジェクトマネジメントを担われた方も、経験を活かしてもらえると思います。
それと、キャディのテクノロジーのコアのひとつは自動見積もりシステムですが、それだけではなくサプライチェーン全体をマネージし、カスタマーとパートナー双方の業務をより効率化して良い体験を提供していくために、それぞれに向けたインターフェースを含むWebプロダクトも非常に重要です。
ここにはオペレーションも密接に絡んでくるので、テクノロジーの力を掛け合わせていまだかつて無い仕組みを作っていくために、プロダクトマネージャーやエンジニアの方々も常に探していますよ!
インターネット以外の分野での経験が活かせるかも?
キャディが取り組むリアル産業×テクノロジーの領域では、オペレーションの磨き込みが欠かせません。そのため、IT業界には縁がないと思っていた方でも活躍いただける分野がいくつもあります!興味を持ってくださった方、ぜひ一度お話してみませんか?