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年初のインタビューに引き続き、今後のビットバンクの展開について、先日発表されたJADAT(※)の取り組みも含め、CEOの廣末にインタビューを行いました。
※JADAT(日本デジタルアセットトラスト設立準備株式会社)とは、5月にプレスリリースを発表した通り、三井住友トラスト・ホールディングスとビットバンクによる、デジタルアセットに係る新しい資産管理サービス提供を目指す信託会社の設立準備会社です。
暗号資産市場の更なる発展に貢献できるカストディ事業
ーー先日「JADAT」のプレスリリースが出されました。背景と概要について聞かせていただけますか?
昨年12月にSBIオルタナティブ・ファンド合同会社が国内初の「暗号資産ファンド」の募集を開始しました。今後、同様の動きが加速することが予想されます。
現状の日本の法律では、顧客のために暗号資産を預かることができるのは暗号資産交換業者と信託会社のみに限られるため、暗号資産を含む金融商品を扱う証券会社や銀行は、どちらかに保有資産を預けないといけません。(※法改正に伴い、今後信託銀行も対象となる見通し)
今後、暗号資産を裏付けとした金融商品をはじめとしたあらゆるデジタルアセットが登場することが想定されますが、暗号資産をはじめとしたこれらパーミッションレス型のデジタルアセットは、日常的にハードフォークやエアドロップ、セキュリティインシデントが発生するなど、その取り扱い難易度がとても高いです。そんな中、国内できちんとした管理運営ノウハウを持っている会社は暗号資産交換業者の中でも当社を含め数える程度しか存在しないと考えています。
ビットバンクは創業以来、暗号資産のセキュリティを最重要と考え対応してきたので、過去に流出事故もなく運営して来られました。今後、前述のようなデジタルアセットが多く登場することを想定すると、日本には顧客のデジタルアセットを厳重に管理する信託会社の存在が望まれ、我々の実績とノウハウが役に立つと考えたのです。
そのような背景から、パーミッションレス型デジタルアセットのカストディに重点を置いた信託設立準備会社「日本デジタルアセットトラスト設立準備株式会社(JADAT)※」を立ち上げるに至りました。
(※信託業法に基づく関係当局の登録を前提として、日本デジタルアセット信託株式会社に商号変更を予定)
一方、我々は信託業務に関する実践的な経験やノウハウが乏しく、今回、JADATに三井住友トラスト・ホールディングス株式会社(SMTH)様から出資いただき、信託業務に関わるノウハウを提供いただくことで、より品質の高いサービスが提供できると考えています。
この度SMTH様と基本合意書を締結したことで、デジタルアセットの価格に連動するファンドや、デジタルアセットを活用したビジネスを展開する事業法人に対し、信託及び資産管理機能を提供する予定です。
ーー可能性を感じる事業ですね。廣末さんは証券会社出身なので、既存業界と手を取り合ったり、橋渡しをしたりという立ち位置も多いのでしょうか。
そうですね。新興である暗号資産業界にとって、既存の金融業界の皆様と対話をすることは非常に大切です。私はどちらの立場もよくわかっているので、両者の接点を作って間に立つことが自分の大きな役目だと思っています。
JADATの取り組みはその一つの形であり、他にもJCBA(一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会)やJVCEA(一般社団法人日本暗号資産取引業協会)といった協会活動にも力を入れています。
ビットバンクから「世界一」の領域を作る
ーー今後の業界全体について、どのようなことを考えていらっしゃいますか?
最終的には経済活動が全てデジタルの世界で完結するようになると考えており、その時に暗号資産はなくてはならないものになっているはずです。
感覚的には、このように暗号資産が社会に浸透した状態を「山頂」とするならば、今はまだ3合目程度のフェーズではないでしょうか。
2008年にビットコインのホワイトペーパーが現れた時点で技術的には激震が走りましたが、ビジネスの観点から見た面白さはまだまだこれからだと思っています。
これまで国家に属していた通貨の発行権が個人の手に移っていくことは、多大な構造変化とパワーシフトを生む可能性を秘めています。インターネット革命と同等かそれ以上の革命が起きることになり、そこにビジネスのチャンスも眠っているでしょう。
ーービットバンクの今後はどうなっていくのでしょうか?
まずは、中間目標である「国内取引所事業において圧倒的No.1」を実現させたいですが、その先はやはりビットバンクで「世界一」の領域を作りたいですね。
取引所ビジネスは、インターネット革命で言うところのインターネットサービスプロバイダ(ISP)に近く、暗号資産がもっと生活に溶け込めば、やがて取引所もISPと同様にインフラ化していくでしょう。我々としては、その先にある暗号資産の流動性の強みを活用したビジネスをやりたい。
想定しているモデルケースの一つにエムスリー株式会社があります。医療系ITプラットフォームであるエムスリーは、時価総額4兆円と類を見ない成功を収めていますが、元々は日本のISPの一つであるSo-netの出資で作られたんです。
「So-netがあったからエムスリーがある」と言われるように、我々も「ビットバンクがあったから〇〇がある」と言えるような、暗号資産に関わる大きなサービスを作りたいと思っています。
そのために行っている取り組みが、半期に一度の社内ピッチコンテストの「BITBANG!!!」で、毎回本当に面白いアイデアが提案されています。
この中から世界に誇れる事業が1つでも2つでも出てきて欲しいですね。
ーー最後に、暗号資産業界やビットバンクに興味がある皆様へのメッセージをお願いします!
仕事探しの軸は人それぞれですが、多くのチャンスがありチャレンジできる環境に身を置きたいと思うのであれば、まずは「どこの産業にいるか」が大事だと思っています。やっぱり伸びる産業って楽しいですよ。そして、私たちの属している産業、暗号資産業界はもっとも伸びていると思います。
ぜひこの業界に飛び込んできて欲しいし、その中で自分にフィットすると感じる会社がビットバンクであれば嬉しいです!
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