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ロングイェールビーン

ビデオエディターの河野です。

20年ほど前に、CDショップの試聴機で見つけて購入した1枚のアルバムがあります。

Melody A.M.

ノルウェー・トロムソ出身のRöyksoppのデビュー作です。

私は人に薦められた音楽をあまり好きにならないので、人に薦めようとも思いませんが、ノルウェーに行った理由を聞かれたら、このCDがきっかけであると答えざるを得ません。

スヴァールバルという土地については後から知りましたがトロムソから現地のLCCで比較的簡単に渡れるとわかり、行ってみることにしました。(旅程の半分はトロムソで過ごしたので、そちらの風景も後日配信する予定です)

意外にも通年雪に覆われているわけではないようですが、私が訪問した11月上旬は既に一面雪景色でした。

↑ スヴァールバル諸島·スピッツベルゲン島 ※飛行機からスマホで撮影


世界最北の町として有名な居住区ロングイェールビーンはとても小さな集落で、炭鉱労働の町から観光地化が進んでまだ間もないそうです。

ノルウェー本土と同様のキャッシュレス社会で、中心部のスーパーマーケットに行けば必要品はなんでも揃います。どこか別の惑星に設営されたスペースコロニーに例えられるような、先進的で無駄のない快適な環境です。

とはいえそこは北極、極地の厳しい自然環境から人の行動には制約が生じます。特徴的なことでは、ホッキョクグマに遭遇する危険を理由にライフルを持たず郊外へ出ることができません。旅行者には単独行動が難しい分、安全に楽しめるガイドツアーが豊富に用意されています。

撮影にあたっては、ツアーでは充分な時間が取れないし、専属ガイドを雇う余裕もないため、機材を持って歩ける範囲で町を一周してみることにしました。

徒歩で周りきれる範囲ながら、山もあれば海もあります。

またこの時期、限界緯度を超える地域は”極夜”に入っており日照時間が僅かです。正午を跨ぐ2~3時間に夜明けと夕暮れが凝縮されていて、あとはほとんど暗闇です。長い夜では晴れれば星空やオーロラを見られる可能性もあります。

撮影条件としては厳しい側面でもあるのですが、個人的に以前から極夜という現象に大変興味がありました。これは探検家、角幡唯介さんの著書 に影響されています。

滞在は3日間でしたが、本当にもっと長くここで過ごしたかったし、必ず再訪したいと思える場所でした。

今回の配信映像で体験の一部を少しでもお伝えできればと思います。

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