平野 洋一郎(ひらの よういちろう)|アステリア株式会社 代表取締役社長 / CEO
熊本県生まれ。熊本大学工学部を中退し、ソフトウェア開発ベンチャー設立に参画。1987年~1998年、ロータス株式会社(現:日本IBM)でのプロダクトマーケティングおよび戦略企画の要職を歴任。 1998年、インフォテリア(現:アステリア)株式会社創業。
※本インタビューは、アステリアの新卒研修の一環で作成した社員インタビュー記事です。2024年4月に新卒で入社したメンバーが、アステリアで働く人々にインタビューを行い、自身で執筆しています
自然豊かな新しい形の働く場所として、生産性の向上とウェルビーイング向上の両立を目指して立ち上げられた、アステリアの「軽井沢リゾートオフィス」。オープンして約一年が経ち、現在も多くの社員やパートナー企業の皆さんなどに活用いただいています。
今回は、アステリア代表の平野に、軽井沢リゾートオフィス立ち上げの背景や、オフィス内施設へのこだわりなどについて、お話を伺いました。
― どういった背景で軽井沢リゾートオフィスを立ち上げようと思われたのですか?
きっかけは2011年の東日本大震災に遡ります。当時、アステリアはテレワーク環境を整備し、いざというときのための会社の対応を全社員で練習しました。社内制度も含めて整えたこの環境を、災害時に使うだけではもったいないと考え、翌年から個人や家族の都合でテレワークできるようにし、2015年には生産性向上のための「猛暑テレワーク(※1)」を導入しました。その後も、環境に応じたテレワーク施策を展開し、快適かつ生産性の高い働き方を推進してきたんですね。まさにその延長線上にあったのが、軽井沢オフィス建設でした。
(※1)猛暑テレワーク最高気温予想が35度以上の猛暑日は無理な出勤を強いずに自宅等でのテレワークを推奨する、アステリアの取り組み
― 全社としてテレワークができる働き方に移行していく中で、軽井沢リゾートオフィスの建設についても話が進んだのですね。
そうです。アステリアのソフトウェアは自社開発なので、誰かに注文書を書いてもらうわけではありません。ですからアステリアの社員には創造性が求められます。創造性を高めるために「頭の中と身体が快適である」というのはとても大事なことです。
「いかに快適に仕事をするか」ということは、実は創業当時から今に至るまで追求していますし、そこで考えてきたことが軽井沢オフィスを立ち上げた背景にもつながっています。特に最近は生成AIやロボットが台頭してきて、単純作業は機械やAIに置き換えられてしまいます。そうなると、人間の価値は創造性、つまりクリエイティビティに見出されると。そんな風に考えています。
― 日本の企業は、保養所のような施設を持っていることもありますが、アステリアのリゾートオフィスと保養所との違いは何ですか?
それには決定的な違いがあります。休む場所なのか、働く場所なのかという違いです。保養所は休みに行く場所です。しかしリゾートオフィスは働きに行く場所です。「森の書斎」というコンセプトがあり、自然の中で空気のいい場所で仕事をするというイメージを明確に描きながら、内装もデザインしてもらいました。
― なるほど。休むための場所ではなく、あくまで生産性を上げて働くための施設なんですね。先輩社員の方に聞いてみたところ、リゾートオフィスを使うと生産性が上がり、他の社員との交流が深められたという声が多くあがりました。
アステリアの働き方はリモート中心なので、逆に「実際に会う」ということの価値が高まっていると思います。そして、その会うことの価値を最大化するために「そこに行きたい」と思ってもらうことも重要ですよね。「行くべき場所」なのではなく、「行きたい場所」であるという感覚を大切にしているんです。
恵比寿の本社オフィスにはバーカウンターがありますが、その理由も同じです。
― 「行きたい場所」であるための工夫があるんですね。そういえば、社員の皆さん、リゾートオフィスのジャグジーを絶賛していました!(笑)
それは嬉しいですね。確かにリゾートオフィスの玄関のメッセージボードには、ジャグジーについて書かれたコメントがたくさんありました(笑)。ぜひ、宿泊した際はお湯に浸かって体を癒して、次の日に向けた良い準備をしてもらえたらと思います。仕事はしかめっ面でやるべきというオジサンも昔はよくいましたが、私は社員がニコニコ仕事をしていてくれていたほうが嬉しいです(笑)。
― ほかにもリゾートオフィスには、バーやハーフムーンシアターもありますよね。これはどういった意図でつくられたのでしょうか。
まずバーについては、仕事終わりの時間に社員同士で交流を深めてほしいというのがねらいです。お酒は人がコミュニケーションを進める一つのツールだと考えていますし、なによりリゾートオフィスは宿泊ができるので、そういった時間も大切にしてほしいんですね。大きくはないですが本格的なバーカウンターがあり、いわゆる”バーで出てくるような四角い氷”が自動で作れる製氷機もあります。ワインセラーの中身は私の好みが色濃く反映されています(笑)。
次にハーフムーンシアターについては、大画面で映像を見たときの「没入感」を大事にしています。社員だけでなくお招きしたお客様にも、アステリアの取り組みを紹介するビデオをお披露目しているのですが、没入感のある映像体験を通じて、アステリアのことをより深く知ってほしいという想いがあります。
― 先輩社員にインタビューしたところ、業務後に映画上映会をして楽しかったと言っていました。特にスピーカーの音質がすごかったと評判でした。
そのような使い方も大歓迎ですね。ぜひ仕事で疲れた体をリラックスさせて、さまざまなことからインスピレーションを得てほしいと思います。
今回は軽井沢のリゾートオフィスについて、平野さんに立ち上げのきっかけやこだわりをお聞きしました。今後もWantedlyのストーリーではリゾートオフィスでのさまざまな活動を紹介していく予定ですので、ぜひ楽しみにご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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