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こんにちは、アシスト採用担当です。
アシストは、1972年設立以来、パッケージソフトウェア市場の先駆者として、50年にわたり「IT×商社×コンサル」という独自のポジションを築いてきました。これまでお取り引きさせていただいた企業は2万社以上にのぼります。Oracle(オラクル)の総代理店を立ち上げた会社としても知られています。
今回は、管理職ながら1週間の育児休業(以下育休)を取得した佐野に、取得した理由や取得したことで得られた気付きや学びなどについて聞きました。
プロフィール 佐野 弘明
システム基盤技術本部 所属。2003年、アシストに新卒入社。入社当初から、技術部門であるシステム基盤技術本部に所属し、システム運用や情報セキュリティに関するソリューションを、お客様に提案・支援。現在は、中日本・西日本エリアのマネージャーとして、30人ほどのメンバーを統括。
育休取得をした理由は、“家族”と“組織”のため
――管理職の男性が、育休取得することはまだまだ世間一般的に珍しいかと思います。踏み切った理由はありますか?
私には2人子どもがいて、育休を取得したのは2人目のときです。1人目が産まれる当時は社内で男性で育休を取得した話をほとんど聞いたことがなかったので、育休取得という判断になりませんでした。2人目のときに取得しようと思ったのは、家庭にとっても、組織にとってもプラスの効果が生まれると感じたからです。
育休を取得したのは、下の子が6ヵ月で寝返りや食事などが始まる頃で、かつ上の子は4歳でまだ手がかかる時期でした。育休を取得することで、少しでも妻の精神的・体力的なストレスを支えることができると思ったんです。
組織的には、働き方改革のための制度は充実しているものの、大々的に推進する取り組みは進んでいなかったため、生産性の向上や多様性の尊重を進める上で、育休制度を活用できる雰囲気を作ることにに意義を感じました。
とはいえ、組織全体として男性の育休取得を推進するのには時間がかかります。そこでまずは、管理職の私が率先して育休制度を利用することで、現場のメンバーが育休取得するハードルを下げることができるのではないかと考えたんです。
――取得した期間は1週間とのことですが、有給休暇ではなく、あえて育休を選んだ理由は?
管理職が育休を取得したという事実を残したかったからですね。自分の立場で育児休暇を取得することで、今後取得をしようとしている社員が希望を伝えやすくなると思ったんです。もちろん私以外にも男性育休を取得した実績はあるのですが、あまり会社として公になっていないので。男性が育休をとっているということ自体、知らない社員も多かったと思います。より多くの社員に男性育休という制度、取得の権利があるということを認知させたかったんですよね。
あとは、有給休暇だと、どうしても旅行やレジャーを楽しむ意識が働くと思っていて(笑)。育休なら、育児のための休みだから、どこかに行くこともないじゃないですか。そういった自分の意識と周りの意識を変えるために、あえて育休を選択しました。
――今回は1週間でしたが、もし、1ヵ月育休を取得した場合、休暇中の業務時間は増えると思いますか?
育休を取得したら、基本的には仕事をせずに、家庭との時間を大切にすると思いますね。ただ、育休明けにスムーズに戻れるように、地味に作業量の多いメールチェックだけは済ませるかもしれません。
管理職の場合、多くの案件を持っているわけではないことが多いので、事前の調整だけしっかり根回ししておけば、1ヵ月でも1年でも育休中の業務時間は変わらないですね。もちろん事前調整できるのは、周りのメンバーの理解があり、会社として許容してくれる文化があるからです。
現場のメンバーが育休取得をするためには、周囲の理解やフォローが欠かせない
――育休取得にあたって、課題や不安に感じていたことはありましたか?
佐野:周囲で、男性が育休取得をした話を聞いたことがなかったので、育休取得をすることに対し、どう思われるのかは正直少し気がかりでしたね。取得期間を1週間にしたのも、正直周囲の反応がどうなのかなと、様子見をしたというのもありました。
しかし、現場のメンバーからは「率先して、管理職が育休取得をしてもらえてありがたい」という反応をいただけて良かったです。会社全体でも私の育休取得を大々的に取り上げてもらい、自チームだけでなく、組織として賛同してもらうことができました。
――育休中の過ごし方について教えてください。
緊急度の高い連絡についてはスマートフォンで対応していましたが、大半の業務は事前調整をしていたため、ゆとりを持って過ごせました。上の子を幼稚園や習い事に送り迎えしたり、下の子には離乳食をあげたり昼寝させたりと、いつも以上に子供との関わりをもつことができて良かったです。
業務への心配がなく時間にも心にもゆとりがあったので、送り迎えをする際に子供が他の園児と関わっている様子をゆっくり見てみたり、改めて妻の家事、育児の大変さを実感できたり、育休を取得したからこそ見えたものがたくさんありました。
――男性の育休取得に対する意識の変化はありましたか?
自部門では、積極的に働きかけをしているので、育休が選択肢の一つとして入ったのかなと感じています。育休制度について詳しく知らなかった人や、取得時期についてよく知らなかった人もいたので、育休の使い方の周知は非常に重要だと実感しましたね。
実際、私の部門でも4人が育休取得を検討してくれて、そのうち1人がすでに1週間の育休を取得し、もう1人は来年に2ヵ月取得する予定です。取得するかどうかは、それぞれの家庭の状況によって変わるかと思いますが、少なくとも気軽に相談できる環境にはなったと実感しています。
――管理職の立場として、育休取得する部下にはどのようなフォローをしていますか?
アシストでは、様々な製品を取り扱っており、売上規模によって担当人数が異なります。大きな製品は各地区10〜20人ですが、規模の小さい製品だと1~2人のこともあり、場合によっては調整が難しいケースもあります。来年に育休を2ヵ月取得するメンバーは、後者の製品担当でした。
そういうこともあったので、半年前くらいから育休取得に向けて準備を始めました。まず、案件整理や繁忙期の確認などを行います。次に、関連製品で経験のある同部署のメンバーに不在時の対応を任せることにしました。もちろん、いきなり主担当を任せるのは難しいため、外部のパートナーさんと共同で動いてもらう形を取りました。
男性の育休取得は、組織の属人化脱却のきっかけにも
――男性が育休取得をするメリットは?
家庭の状況によりけりですが、産後うつのリスク低減や、家事分担による奥さんのストレス軽減、場合によっては奥さんの復職促進にもつながります。
男性育休は特別なものとして取り上げられていますが、子どもをもった女性が育休取得して仕事に復帰するというのは普通のことなんですよね。女性が産休育休に入るとなれば、出産から逆算して、業務の引き継ぎ、休暇中のフォロー、復帰後のサポートを考えるじゃないですか。男性の場合も全く一緒のフローを踏んでいけば、仕事と育児を両立することを組織として支援できます。
会社や組織にとっては、育休制度の活用を推進することで「育児や介護をしていない人が活躍する場」という概念や文化を壊し、また、時間ではなく多様で効率的な働き方にシフトしていけて、属人化から脱却できるきっかけを作れます。
――社員が安心して育休を取得するために、今後取り組んでいきたいことはありますか?
育児・介護休業法の改正に伴い、出産時に育休制度の周知および意向の確認が義務化されました。そのため、男性も育休制度を選択するタイミングができたと思います。取得を躊躇したり、そもそも選択肢になかったりする人も多いと思うので、育休取得経験者として体験を伝えていけたら良いですね。
1ヵ月や2ヵ月の育児休暇は、家庭的なメリットも非常に大きいので、僕みたいに自発的に育休を取得するケースが、もっと社内でも増えれば良いなと思っています。
以上、管理職で育休取得を経験した佐野に話を聞きました。
アシストでは、ライフステージの変化にも対応できる働き方を実現するため、組織でのサポート体制を強化しています。ポジションやレイヤーに関わらず、制度を活用いただき、充実したワークスタイルの実現を目指していきます。