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AirXは、ヘリコプター予約サイトの運営や空を使った新しい移動手段の開発に取り組むスタートアップです。今回のインタビューは、2022年2月にジョインした、町田太朗さん。早稲田大学在学中に行政書士を取得し、卒業後は2社のスタートアップを経験しました。そんな町田さんが新たなチャレンジの場として選んだAirX。コーポレートとして取り組んでいる働きやすい会社づくりなどについてお話を伺いました。
ーーAirXに入社するまでの経歴について教えてください。
1社目は在留資格を扱うスタートアップでした。外国籍の方が日本に住むには、在留資格(ビザ)が必要なのですが、申請書類の作成は非常に煩雑です。そのペインを解決する為に、クラウド上で基本情報を入れると申請書類が生成されるサービスを提供していました。
私自身も母親がフィリピン人でして、幼い頃から地域のフィリピン人コミュニティに属していたのですが、ビザの問題が度々問題となっていました。就職を控え、少しでも困っている方の力になることができないか...と探した末に見つけた会社でした。
しばらくしてよりチャレンジングな仕事をしてみたいと思うようになり、転職をしました。2社目として選んだのは保険管理のアプリと、保険代理店様向けのSaaSを提供する会社でした。
従業員は代表とCTO、1名のエンジニア、そしてコーポレートの私のみでした。コーポレート業務をやりながら、マーケティング、テレアポを含めたセールス及びPRにも取り組んでいましたね。ゴリゴリのなんでも屋でした。
ーー転職をしようと思ったのはなぜでしょうか?
シード期のスタートアップに身をおくと、仕事を選ばずなんでもガツガツやっていくというスタンスにならざるを得えません。そういった環境は楽しくもありますが、私は強みを最大限に活かせている実感が持てなくて。本当に自分がやりたいことはなんだろう、専門性はどこにあるんだろうと考えるようになりました。
その結果、もうちょっと進んだフェーズのスタートアップで、コーポレートを発展させていくような動きがしたいと考えるようになりました。
ーー未開の領域である空をテーマにしたAirXへの入社に、不安はありませんでしたか?
シード期からシリーズBまでのスタートアップをを2社経験していましたから、特に不安を感じたことはありません。ただ、売り上げに直結する事業の伸び具合は重要視していました。
創業者である手塚さんと多田さんの覚悟を感じたのも決め手でした。面談では「何年かかるかわからないけど、一緒に頑張ってほしい」とおっしゃっていて。その言葉は、この先、長期に渡って戦い続ける覚悟があるから出てくるものだと思ったんです。
ロジカルに検討しましたが、最後は直感で決めました。私自身がワクワクできるかどうかが、一番大事だったので。
面談の時に聞かせていただいたお話で最も印象的だったのは、鉄道のお話です。今では全世界に張り巡らされている鉄道ですが、最初は2kmの区間しか走っていなかったとか。
でも現代では、険しい山の上でさえ線路が敷かれている。AirXもそれになれないか、という話を聞きました。今のAirXはヘリコプターで、限られたエリアを結んでいるにすぎないかもしれません。でもこの会社でなら、いつか空の上にも鉄道のような世界を作れるんじゃないだろうかと思えたんです。とてもワクワクしましたよ。
ーーAirXの雰囲気について、どのような印象を持っていますか?
和気藹々としていて、コミュニケーションをとりやすい会社だなと思いました。私の職種の場合、いろんなチームに相談を持っていくことが多いのですが、後回しにしたりせず快く答えてくれるので、仕事がしやすいですね。手塚さんと多田さんの話かけやすい空気感が、会社全体を優しい雰囲気に染めているんだろうと思います。
ーーAirXで担当されている業務内容について教えてください
業務内容は、会計、ファイナンス、労務、法務および総務全般です。最初にやったことは、コーポレートのバケツの穴をふさぐことでした。足りてないところを洗い出し、戦略目標を立てて、優先順位をつけて一個ずつ潰していくという作業です。
バケツの穴は70個程度。2〜3月の目標として掲げていたのは、経営陣から月次決算、給与計算、契約書の管理、振り込み業務などのコーポレート業務を引き継ぐことです。
あまりの量で、事業が圧迫されかねない状態でしたので、喫緊の課題でしたね。今では8割ほどの業務を引き剥がし、私達コーポレートチームが担っている状態です。
並行してコーポレートチームの採用及びチームビルディングも進めています。最近もコーポレートに朝井さんというメンバーが入ってくださいました。
ーー組織を変えていくことについて、社内メンバーの理解はどのように得ていますか?
私が顕在化させた課題については、幸いにも経営陣の理解を得ることができています。密接にコミュニケーションを取っているので、必要なバックアップを受けることができています。メンバーからもねぎらいの言葉をいただくことがあります。
ただ、急激な変化に関してコメントをいただくこともあります。
気になることを伝えてくれるのは本当にありがたいですし、みなさんと一緒に課題に向き合っていきたいと考えているので、お互いが納得できる最適解を、都度見つけていきたいですね。
ーースタートアップだからこその制度作りの難しさと、乗り越え方
私の中で大切にしている軸が2つあります。1つ目はビジネスを行う上でのルール(各種法令やガイドライン)に適合すること。2つ目は、メンバーのパフォーマンスを最大限発揮させることを目指す軸です。僕らはまず第一のラインに重きを置きつつ、できれば第二のラインを目指していくという段階です。
「スタートアップだから」という言い訳をせずに、会社のフェーズに合わせて、その時々の最適解を探しに行きたいですね。
ーー現在のお仕事で楽しさややりがいを感じる瞬間を教えてください
最近、入社してからこれまでの振り返りをしたんです。
渦中にいるうちは気づかなかったけれど、振り返ると結構たくさんのことをやったなと思います。ここまでの規模の会社でバケツの穴を塞いだのは、自分にとってもチャレンジングな経験でした。理想の状態にはまだ足りない部分もあるけれど、現段階での最善な行動は取れていたんじゃないかと考えています。
ーー直近で作り上げている制度やルールなどを教えてください。
働き方ルールを周知する取り組みをしたいと構想しています。
現在も就業規則や賃金規定はありますが、一部分しか周知されていないという現状があります。改めて明文化し、メンバーにとって安心して働ける職場づくりに努めたいと考えています。
それから、困ったことを相談しやすい雰囲気作りにも取り組んでいます。困ったことを相談できる相手がいれば安心して働けますよね。
最近、中小企業の育休制度やハラスメント対策についてのルールが変わったので、それに向けての対応も進行中です。
今あげたものは一部で、現在25個のプロジェクトが同時進行で動いています。メンバーから出たアイディアをなるべく早くに明文化し、リリースしていければと思っています。
働きやすい環境に向けて、制度づくりにも優先して取り組んでいるので、ぜひ多くの仲間に加わっていただきたいです。
ーー今後やってみたいチャレンジはありますか?
第一にコーポレートチームをしなやかなチームにしたいです。AirXは事業がイケてる会社ですが、コーポレートもイケてるよねと思ってもらえるようなチームを作るのが夢です。
私はバックオフィスという言い方はあまり好きじゃなくて。
前向きに、事業・組織に寄り添いつつ戦える存在を目指していきたいので、あえて「コーポレートチーム」という名称を使用しています。
ひとしきり制度の土台を作ったら、法律や制度のルールメイキングにも挑戦したいです。どんなに魅力的なサービスでも、法律や制度といったルールがそこに追いついていなければ、社会実装は進みません。AirXが目指す世界観の実現に向けて、頭を絞って行きたいです。
私は過去に2社のスタートアップを経験しましたが、これから先は未経験の景色です。このやり方でいいのか、リソースを何に割くべきか、考えながら進めている最中です。
新たなチャレンジはまだ始まったばかりですが、AirXのコーポレートにご期待ください!