自分の成長を『適正に評価される環境』は、ここにあるのだろうか?
社会人として、または求職者にとって関心の高いテーマではないでしょうか。頑張りや結果に対して評価が正当でないと、満足する仕事をするのは難しいと思います。また、成長する上での指標が不明確では、個人やチーム、組織全体の向上を円滑に進められなくなる可能性もあります。
そこで、適正な評価を実現するのが人事評価制度です。評価方法は組織により様々ですが、共通していることは、「メンバーへの期待の明文化」「組織全体のベクトル統一」「個人やチームの能力向上」の3つです。
BizteXでは、2020年10月から新しい人事評価制度を導入し運用の開始をしました。BizteXでは成長速度の早いスタートアップだからこそ、早期に制度を導入してメンバーの正当な評価を実現したいと考えています。現状の組織課題を基に、人事評価制度を作成した川端から、制度構築までの過程やこだわりについてお伝えしていきます!
人事評価制度の構築背景とは
これまで曖昧な評価だったことが、今回の人事評価制度構築の背景に繋がります。そこで、従業員が正しく評価される仕組みを作る運びとなりました。
これまで評価に感じていた課題は2つです。
1つ目は「この方は頑張っている」といった主観や定性的な内容が大きく、定量的に測れていなかった点です。
2つ目は評価の軸がなかった点です。評価や昇級の基準がないので、評価が適正か見極める基準がありませんでした。
これらの課題から、皆が納得できる物差しとして、人事評価制度の構築に着手しました。
制度構築のスケジュールと苦労話
人事評価制度は以下スケジュールで作成しました。
4月:人事評価制度の下期導入を意思決定
6月:執行役員の辻井、小川の過去の人事制度をインプット
7月:毎週管理部内で、辻井に素案や資料の壁打ち
8月:経営陣に共有とフィードバック箇所の修正
9月:人事評価制度完成と社内展開
初めて人事評価制度を作成して、全てが0からの経験で苦労も多かったです。
■通常業務との両立
作成当初は、時間に余裕があると思いましたが、進めるうちに「時間が足りないかもしれない」と感じるようになりました。通常業務もある中で、限られた時間で、作り込みの調整には労力を割いたと思います。その苦労もあって管理部で決定したファーストドラフトは経営陣からの大きな指摘はなく、高評価をいただけたことは嬉しかったです。
■着地地点の模索
全員が納得する制度への着地にも苦労しました。経営陣5名から、さまざまな角度から意見をいただき、その中で妥協案や中間時点を制度にどのように組み込めば最適な形になるのか試行錯誤の繰り返しでした。
こだわりの人事評価制度
今回作った人事制度には、4つのこだわりポイントがあります。
■シンプルさ
極力、複雑にしないように気をつけました。理由は、今後運用する上で、定期的なブラッシュアップを想定しているからです。なので、グレードや基準も現在の会社規模に合わせました。評価制度資料の色合いにも拘り、シンプルさの実現ができていると思います。
■6段階の評価基準
評価のベースとしては絶対評価です。その絶対評価をする中で、大幅な目標達成と目標未達に対して、一部相対評価を掛けわせていることもポイントになります。評価の結果としては「SS、SA、A、B、C、D」まである中で、SAからBまでは絶対評価、SSとC、Dについては相対評価の内訳になります。
■メンバーの意見を基にブラッシュアップ
今後、メンバーからのフィードバックを活かすことを前提に完成させました。こちらも他社との比較ポイントで、メンバー側の意見を取り入れて改良するのは珍しいと思います。
BizteXの人事制度は、評価する側と評価される側の意見を聞いて、皆さんが納得できるより良い形を作っていきたい想いがあります。半期ごとに集めた意見を、ブラッシュアップしていきたいと考えています。現状の制度は、完成ではなく発展途上で、これから皆さんと一緒に作り上げていく点がこだわりポイントです。
独自性の人事評価制度
BizteXならではの独自性ある人事制度も紹介します。
これまでマネジメント職相当の専門職(スペシャリスト・シニアスペシャリスト)はエンジニアのみ対象でしたが、ビジネスサイドにも取り入れました。
■定性的な目標にも評価指標
明記が難しい定性評価にも指標を組み込みました。他社との比較ポイントにもなりますが、文書化をして定性評価で点数化する指標を作っています。他社では、定性目標にならざるを得ない部署でも、無理に定量化して目標を作ることが多いと思います。しかし、BizteXではあえて定量目標にせずに定性目標のままにしました。
■昇降級の金額決定
昇給に関しては下限の金額のみを設定、下限を超えて昇給させたい場合は上長が検討し、評価会議に諮るようにしました。また、降給に関しては上限金額のみを設定しています。
個人の成長と勝つ組織像を実現するために
今回の人事評価制度は、メンバーの成長がしっかりと評価される組織の実現を目指しています。
BizteXでは「勝つ組織」を目指しています。そのためには、個人やチーム力の向上がポイントとして考えています。
個人の能力に紐づいて、チーム力も向上する前提のもと、個人能力を伸ばせる環境を提供することが大切です。そのためには会社、部門、個人の目標を明確にして、それを達成できれば評価として還元できる人事制度の構築が大切だと考えています。
それに加えて、先日実施した『1on1グループワーク』のような勉強会を企画することで上司部下の関係性や人間関係、信頼関係などの強化に繋げチーム力向上にも努めていきたいです。人事でサポートできることは積極的に担っていき、目指す組織像を実現していきたいです。
嶋田さんコメント
創業者の嶋田さんから人事評価制度への期待などを伺いました!
ーー創業者としてこれまで抱えてきた人事制度の悩みなどを教えてください。
実は、2019年春に当時のコーポレートチームと、人事評価制度の策定を実施しようとしていましたが上手くできませんでした。
理由は、当時組織や制度も大事だと考えていましたが、事業やプロダクトの成長にも課題がありした。どれも重要ですが、事業が形になっていないのに人事評価制度だけ作っても意味をなさなかったり、事業や施策も試行錯誤していた時期なので評価制度の運用・定着が難しかったんです。
社員にとっては会社の目標と個人の目標が紐付き、行動した結果が評価になることは当然ですし、やりがいにも繋がると思っていたので、きちんと作りきれなかった後悔もありました。
前職ではMBOを導入していましたが、昨今はOKRなどいくつかの新しい制度も出てきています。当社の事業や組織状態に合う制度がどれかも考える必要があります。
また事業の状態も変化はしますが、その時の事業状態で一定の制度を作り、まずは半年間の実施と運用を行い、アップデートしていく事も必要です。そう考えると早めに作り、運用しながら良いものにする時間も必要であると思っていました。
ーーこの人事制度の構築で期待していることなどあれば教えてください。
今回の人事評価制度は主に管理部の川端さん辻井さんに策定をいただきました。昨年は私たちが作れずに後悔したものを今年しっかり策定してくれた二人にまずは感謝を伝えたいです。ありがとうございます。
今回の人事制度はグレード、評価制度、報酬制度の3つがバランスよく作られています。会社のミッション、全社目標を個人目標にブレイクダウンし、評価の中には定量的な事業目標だけではなく、バリューに紐づく組織行動や人材育成のも一定評価に関わります。
当社はチームができて約3年半と若い組織であり、全員がさまざまな会社から集まっているので文化形成もこれからです。なので、人事制度の中にバリューに紐づく行動も、一定割合評価にいれて皆んなに意識してもらう意味も含まれています。
2020年下期からはじめての実施になりますが、この制度をもとに各チームで事業や目標についての対話が生まれるし、実施してみて課題も出てくると思っています。一回で完璧なものはできませんが社員の声をしっかり聞いきながらアップデートして、事業成長と個人の成長を紐付かせる柱になってもらいたいです。
編集後記
今回、人事制度の構築に一から携われたことは、かなり貴重な経験だったと思います。私自身、これまでの会社で人事制度の構築に携わることはなかったので、そもそもの人事制度とは何か?という基本的なところから、他社事例を調べたり、上司に意見を伺ったりと、試行錯誤して作成しました。未経験の私にもこのような大事なミッションを任せていただき、とても感謝しております。
BizteXで新しく運用された人事評価制度は、明確な評価基準が設けられています。そして、メンバーの意見も受け止めながら、より良い形を一緒に作り上げていく環境があります。
あなたの成長したい気持ちを、BizteXでぜひ発揮してください。