1
/
5

クルージングヨット教室物語81

Photo by Amo fifty on Unsplash

「次のクラブレースは、隆さんと陽子さんもアクエリアスで一緒だよね」

香織が、隆と陽子に質問した。

「次のクラブラースっていつだったかな」

「今度のシルバーウィークのお休みの土日」

香織は、隆に答えた。

「休みの日にクラブレースあるのか」

「私たち、千葉に行く日じゃないの」

陽子が、隆に言った。

シルバーウィークの連休は、千葉の房総半島にクルージングに出かけようと計画していた。

「え、泊まりがけでヨットで出かけるの?」

海の日も、お盆のクルージングも参加していない香織が、陽子に聞き返した。

「そうだよ。ヨットの中で寝泊まりして、伊豆七島とかあっちこっち遊びに行くの」

「へえ、すごい。私も行きたいな」

香織が答えた。

「いや、アクエリアスも一緒に房総にクルージング行くって言ってたはずだけど」

「アクエリアスじゃなくて、ラッコで行きたいな」

香織は、隆に返事した。

「私も、香織ちゃんとも一緒に行きたいけど・・」

陽子が香織に言った。

「この間、中村さんも話していたじゃない。あと、もう少しでヨット教室を卒業したら、アクエリアスからラッコに移っても良いって。それ過ぎたら、いつも一緒にラッコで旅できるんだから、シルバーウィークはアクエリアスとラッコでクルージングへ行こうよ」

「そうだね」

香織は、陽子の言葉に納得した。

「っていうか、房総にクルージングに行くということは、クラブレースってどうするの?」

「9月のクラブれエースは参加できないね」

隆は、香織に答えた。

「そうなんだ」

「香織ちゃんが、クルージングよりもクラブレースに参加したいってことならば、うららの松浦さんにでも、クルージング行っている間、香織をよろしくって俺から頼んであげるよ」

「いや、いい。クルージングに行きたい」

香織は、隆に答えた。

「連休と重なっているクラブレースっていうのは、他のヨットだってクルージング派のヨットは皆、クルージングに出かけてしまうからね。参加艇は少ないんじゃないかな」

隆は、香織に言った。

「その代わり、うららとかプロントとかレース中心に活動しているヨットばかりになって、レース派のヨットは本格的にレースができるから楽しめるんじゃないかな」

「なんか楽しみになってきたか」

香織は、泊まりがけで行くクルージングのことを考えながら、隆に答えた。

「うちの養護学校でも、近場なんだけど年1回修学旅行があって、私も生徒たちと参加しているんだけど、泊まりがけだと、普段見れない生徒の姿がわかって楽しみなのよね」

「さすが、先生!」

隆と陽子は、香織のことを囃していた。


作家プロフィール

主な著作「クルージングヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など

美奈 とマリさんにいいねを伝えよう
美奈 とマリさんや会社があなたに興味を持つかも