「次のクラブレースは、隆さんと陽子さんもアクエリアスで一緒だよね」
香織が、隆と陽子に質問した。
「次のクラブラースっていつだったかな」
「今度のシルバーウィークのお休みの土日」
香織は、隆に答えた。
「休みの日にクラブレースあるのか」
「私たち、千葉に行く日じゃないの」
陽子が、隆に言った。
シルバーウィークの連休は、千葉の房総半島にクルージングに出かけようと計画していた。
「え、泊まりがけでヨットで出かけるの?」
海の日も、お盆のクルージングも参加していない香織が、陽子に聞き返した。
「そうだよ。ヨットの中で寝泊まりして、伊豆七島とかあっちこっち遊びに行くの」
「へえ、すごい。私も行きたいな」
香織が答えた。
「いや、アクエリアスも一緒に房総にクルージング行くって言ってたはずだけど」
「アクエリアスじゃなくて、ラッコで行きたいな」
香織は、隆に返事した。
「私も、香織ちゃんとも一緒に行きたいけど・・」
陽子が香織に言った。
「この間、中村さんも話していたじゃない。あと、もう少しでヨット教室を卒業したら、アクエリアスからラッコに移っても良いって。それ過ぎたら、いつも一緒にラッコで旅できるんだから、シルバーウィークはアクエリアスとラッコでクルージングへ行こうよ」
「そうだね」
香織は、陽子の言葉に納得した。
「っていうか、房総にクルージングに行くということは、クラブレースってどうするの?」
「9月のクラブれエースは参加できないね」
隆は、香織に答えた。
「そうなんだ」
「香織ちゃんが、クルージングよりもクラブレースに参加したいってことならば、うららの松浦さんにでも、クルージング行っている間、香織をよろしくって俺から頼んであげるよ」
「いや、いい。クルージングに行きたい」
香織は、隆に答えた。
「連休と重なっているクラブレースっていうのは、他のヨットだってクルージング派のヨットは皆、クルージングに出かけてしまうからね。参加艇は少ないんじゃないかな」
隆は、香織に言った。
「その代わり、うららとかプロントとかレース中心に活動しているヨットばかりになって、レース派のヨットは本格的にレースができるから楽しめるんじゃないかな」
「なんか楽しみになってきたか」
香織は、泊まりがけで行くクルージングのことを考えながら、隆に答えた。
「うちの養護学校でも、近場なんだけど年1回修学旅行があって、私も生徒たちと参加しているんだけど、泊まりがけだと、普段見れない生徒の姿がわかって楽しみなのよね」
「さすが、先生!」
隆と陽子は、香織のことを囃していた。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など