on 2020/11/30
2,131 views
44人がエントリー中
ゲーム業界のリーディングカンパニーである、株式会社スクウェア・エニックス。
『ドラゴンクエスト』『ファイナルファンタジー』『キングダムハーツ』など、世界中のゲーマーに長年熱狂的に支持されるミリオンセラータイトルを数々生み出してきました。
そんなAAAタイトルを一緒に開発しませんか?
今回は続編タイトルにも期待のかかる、<FINAL FANTASY VII REMAKE>の制作に携わった3名のプランニングスタッフに、その高い物語性を可能にする制作姿勢、そして次世代ハードに向けた意気込みについて聞きました。
作品の醍醐味は、ゲーム世界を疑似体験できるほどの「没入感」と「ストーリー性」
浜口 <FINAL FANTASY VII REMAKE(以下、FFVIIリメイク)>の共同ディレクターとして、開発業務全般のディレクションを担当しました浜口です。よろしくお願いいたします。
遠藤 2018年中途入社の遠藤です。他社からの転職組で、以前はアクションゲームのプランナーを務めていました。
アンジェイ 同じく2018年中途入社のアンジェイです。入社する前は6年ほどインディーズゲームクリエイターとして活動していましたが、FFVIIリメイクが制作したくて転職しました。
── よろしくお願いします。まずはプランナーの立場からスクウェア・エニックスの考えるゲーム作りについてお聞きします。
遠藤 代表作のひとつであるFINAL FANTASYシリーズをはじめ、物語を大事にする会社ですよね。まずストーリーがあって、そこからどんなゲームの醍醐味が考えられるかという優先順位。
浜口 そうですね。ストーリー展開のメリハリと言いますか、まるでゲームプレイヤー自身がゲームの世界を疑似体験しているかのようなゲームデザインであること。それが物語性を重視するゲームを制作する上でも注意すべきことだと思っています。
── FFVIIリメイクを一例に、ストーリーはどのように展開されたのでしょうか。
浜口 我々プランナーチームの場合、原作のFFVIIがおおもとにあります。そこで描かれた主人公たちの体験をうまくユーザー体験に落とし込むことが肝になりますから、その体験に求められる要素のチューニングをしながら、というところです。ゲーム内で発生するイベントや敵のバリエーション、バトルシーンの展開などあらゆる場面でのアイディアを出し合って、ひとつひとつパズルのように組み合わせていくイメージです。
アンジェイ リメイクだからこその難点はありましたね。オリジナル版の良さやシリーズの「伝統」を守りながらも新しい体験を追加しなくてはならない、その絶妙なバランス。いちばん僕たちの頭を悩ませたところですね。オリジナルのファンの方々だけではなく、僕たち開発スタッフもそれぞれの原作イメージがあるので。
── そうなると、残す/残さないの微妙なラインはどのように判断されたのでしょう。
浜口 単純に新しいものが追加されればいいだけじゃないんですよね。FFVIIのオリジナルが制作された当時、必要があって組み込まれた要素があるわけですから。ただ、ゲーム体験として、20年前に体験され得たギミックと、我々の世代が体験して感じるそれはもう印象がまるで違うわけです。変化への恐れはないのですが、原作にあった意義やテーマにだけは慎重に注意を払う。そこに挑戦することに、リメイク版タイトルの意味が生まれるのかなと思います。
ますます可能性の広がる、次世代型ハードに向けて
── つい先日、新たな据置機種として<PlayStation 5>の発売が発表されたことを受けて、クリエイターとしては今後どのようなゲーム体験を提供されていくと思いますか?
アンジェイ やっぱり、よりシームレスな体験になるんじゃないでしょうか。
── シームレスな体験というのは。
アンジェイ 超高速SSDが搭載されると聞いていますから、ロードや同期するアイドリングタイムが無くなることを考えると、エリアやチャプターのつながりを考え直す必要がでてきます。それに、これはあくまでも個人的な意見ですけど、僕たちも2020年代の今の技術と知識を生かして次世代ハードを代表するゲーム作品を作りたいですね。1997年当時に誕生したオリジナル版<FINAL FANTASY VII>のように。
浜口 アンジェイの言うキーワードがほぼ全てなんですが、いつでもどこでもスマホ1台あればゲームのできる時代に我々がどう差別化できるかと言うと、やっぱり「没入感」。我々の作品はストーリー性があって、演出性があって、ドラマ性がある。まさにゲームの世界に生きると言うか、FFVIIリメイクであれば<ミッドガル>の住人になったかのような疑似体験を突き詰めることが他との差別化になっていくと思っています。ですから、ハードのスペックが高くなることでそれがより仕掛けやすくなりますね。
遠藤 まさに「空き時間の奪い合い」と言うか、ゲームだけではなく、サブスクリプションサービスでいくらでも動画や音楽を楽しめる中で、割と古風なコンシューマーゲームがどうやってその競争に勝っていくかを考えると、さっき浜口からもあったように「没入感」や「自分でコントロールできる体験」に付加価値が出てくると思うので、そこを突き詰めていくのが勝ち方のひとつですかね。空き時間を勝ち取るのはなかなか厳しいですけどね。
浜口 結局コンシューマーゲームはそこで戦っていくしかない。「しかない」って言うとあれですけれど、もう「そこになるよね」という話です。その意識で、どのハードでも代表作とされるようなものを作っていければと思います。同じような熱量で、走っていただける方に是非きていただきたいですね。
※PlayStation 5はSony Interactive Entertainment Inc.の商標または登録商標です。
会社情報