千葉工業大学 / 情報科学部情報工学科
脳波の複雑性解析を用いた概日リズムの脳波パターンの検出
近年の研究の成果により、概日リズムの乱れは様々な健康状態や精神疾患の病態などを反映している事が明らかになっており、概日リズムの乱れの程度を把握する事が重要視されています。そこで、脳波から概日リズムの乱れを検出し健康指導や診断補助ツールへ実用化を目指すため、脳波から概日リズムを検出できないか仮説を立て検証しました。本研究では、脳波計を用いて昼と夜に脳波を計測し、複雑性解析にかけ、複雑性に着目して概日リズムの脳波パターンを検出しました。脳活動のダイナミクスは複数の時間スケールの神経活動から構成されていることから、これらの脳活動を動的に捉えるために、本研究ではマルチスケールエントロピー(MSE)解析を行い、脳活動の複雑性を定量化しました。複雑性とは、脳の領野間の相互作用の程度を定量化した物です。その結果、夜より昼の複雑性が高く、脳波から概日リズムを推定できることを示されました。今後は、本研究結果を活用し、実用化に向けた縦断的研究を行なっていきたいと考えております。 発表した学会発表 2021年 情報処理学会 FIT2021 第20回情報科学技術フォーラム 2021年 計測自動制御学会 インテリジェント・システム・シンポジウム(FAN) 2021年 IEEE International Conference on Cognitive Informatics & Cognitive Computing (ICCI*CC)