医療マンガ大賞2020部門賞
医療マンガ大賞とは、「難しい医療情報をマンガで分かりやすく伝え、医療への関心を高めること」を目的として横浜市が主催している取り組みです。 応募者は、すでにテーマとして用意されたシナリオをマンガ化して応募する形式です。 2020年はコロナ禍の真っ只中で、医療者に負担が大きくのしかかった年だったと感じています。その中で医療者が一人の人間であることが忘れ去られているような社会の雰囲気を感じ、2020年の医療現場の看護師視点でみたシナリオを選んで描きました。 制作時は、「これを文章ではなくマンガで伝えることのメリットは何か?」を考え制作しました。 個人的にはマンガ表現のメリットは、主に以下2点だと捉えています。 1)文字を読まない層にも視覚表現によって伝えられること 2)キャラクターの心理状態を追体験することによって共感を高めること 特に2については、元のシナリオに「家族」というテーマをエピソードとして追加することで「医療者を一人の人間として見る」という体験を非医療者の読者に提供できたのではないかと思っています。 また、実際の医療者から見たときに「現場をわかっていない」という印象を持たれてしまうことも極力避けたかったので、実際のコロナ対応をしている医療者の知人複数名にネームを見せ、アドバイスをもらいながら制作しました。現場ではマスクの他に「グローブも不足して困った」などリアルなエピソードも織り込むことができました。