北北西に進路を取れ
「釣り竿とは一方に釣り針を、もう一方の端に馬鹿者をつけた棒である。」
サミュエル・ジョンソン
もう一方の端の小野です。こんにちは。
2019年は京都四条で開催されたZYYX Day、2日目は有志が集まってのアクティビティ日ということで、昨年から40年振りに海釣りにハマった小野と、師匠のWくん、そして訳あって今回は名前と顔の出せないご意見番Aくんの3人で日本海に船釣りに行くことにしました。狙いはブリ、ハマチ、そしてマダイ。
ZYYX Dayの一ヶ月以上前からリサーチにリサーチを重ね、今回は舟屋で有名な伊根にある船宿「まるいち丸」さんにお世話になることにしました。
1週間くらい前から毎日伊根の天気、風、波の予報をチェックし、着々と準備を重ねてきたおかげか、当日は快晴で風も穏やかな予報。もうこれは乗るしかないと期待に胸を踊らせる3人でした。(もちろん、1日目の全社会議やワークショップにも全力投球ですよ)
「もし釣りが仕事の妨げになるのなら、仕事の方をあきらめなさい。」
スパース・グレイ・ハックル
1日目の会議やワークショップが終わり、宴会までの時間でまるいち丸さんに出船確認の電話を入れます。
「ちょっと早いですが6時に出船しますので、30分前に来て準備してもらえますか」
おっと、てっきり7時出船だと思っていたのが、まさかの1時間前倒し。ホテルから伊根までは車で2時間強の見込みなので、途中の休憩やなんらかのトラブルの余裕をみて3時間。5時半に伊根に着くにはホテルを2時半に出なきゃ!
19時から宴会で、22時に寝て、2時に起きて……しっかり寝ても4時間!! 寝不足は船酔いの元。まずいまずい。
宴会が終わり、それぞれに二次会へ向かう社員を尻目に部屋に戻ったものの、遠足前の小学生並に興奮して、寝付いたのが23時半。その後1時に目が覚めてしまったので、結局1時間半しか眠れなかったのですが。
2:20にホテルのロビーに集合。寝坊した人はいません。外飲みから戻ってきた社員とすれ違いつつ、伊根へ向けて出発!
未明なので渋滞もなく、濃霧や低気温にヒヤリとしましたが、車は順調に北へ向かいます。
京都縦貫自動車道を与謝天橋立インターで降りて国道176号へ。
途中のコンビニで食べ物、飲み物を仕入れ、丹後半島の東の海沿いをひた走ります。
「右手が天橋立ですよ」
ええ、まあ、未明ですからね。帰りは天橋立見えるかな。
すれ違う車もほとんどない道をひた走り、至ってスムーズにまるいちさんに到着しました。
到着時間は5時ちょうど。まだ周囲は真っ暗。空には星が綺麗。ちょっと早すぎたので、車の中で仮眠を。(結局眠れなかった)
5時半になり、まだ薄暗い中装備を整え、船に乗り込みます。
3月とはいえ、夜明け前は流石に冷え込んでいます。船にもびっしりと霜が降りていました。各々乗船名簿に記入したり、キャビンに入って寒さを避けたりして、出船を待ちます。
6時過ぎ、待ちに待った出船。
最初のポイントに着くまでに夜が明けてきました。爽やかな朝です。
諸君!待たせたな、戦争の時間だ!
出港から40分ほど移動し、タイラバからのスタート。私は今回始めてのタイラバなので、やり方は当然ネットで予習済みです。
- 仕掛けはまっすぐ落とす。
- 仕掛けが底についたら、等速で糸を巻く。
- アタリがあっても慌てずに、等速で巻きつづける。
- 何か釣れる。
の筈だったのですが……。
船長「はい、始めてください。140m(水深)。」
といった船長の合図で釣り始めるのですが、まずいつまでたってもオモリが底についた感触が取れない。しかも指定された水深以上にいつまでも糸は出ていき、気がついたら仕掛けは真下に降ろしたはずなのに、糸は前方に斜めに。
「これが噂に聞いたドテラ流しッ!?」
やはり座学は座学。想定していなかった状況には対応できず、なんにも釣れません。しかも200gのオモリを100m以上巻いてくる辛さときたら。
船長「じゃあ(ポイント移動するので)上げてください。」
の合図で、降ろした仕掛けを無心に巻き上げていると……ん?なんかちょっと重いかも?
いい型のサバが釣れました。日本海での初収獲は、丸々と太った美味しそうなサバでした。釣り始めから2時間ほどで、サバを2匹、レンコダイを1匹追加です。まだタイは釣れていないけど、タイラバ楽しい!
といった辺りで、W師匠とAくん両氏の様子が明らかにおかしい。どうも船酔いモードに入ったみたいです。おいおい、まだここは地獄の一丁目だぜ。
W師匠は今回の釣行に際して新品のタイラバロッドとタイラバを準備し、意気揚々と臨んだはずだったのですが、原因不明のラインブレイクが連続してしまい、すっかり意気消沈。しかも、仕掛けの結び直しが船酔いにトドメを刺したようです。
Aくんはキャビンに避難してダウン。W師匠も座り込んだまま石化。小野だけが妙に元気です。型は古いが船には強いのです。
「釣りは男が淋しさなしに孤独でいることができる地上に残された僅かな場所の一だ。」
ロバート・トレヴァー
船長「次はジギングやってみましょうか。」
青物のポイントに移動し、ブリ、ハマチなどを狙います。ジギングと聞いて、W師匠、Aくんも復活してきます。
ジグ(金属のルアー)を底に落として、竿をシャクって、リール巻いてをひたすら繰り返します。群れにあたったのか、周りでポツポツとハマチが上がり始めます。人によってはひとつのルアーで2匹いっぺんに釣れたりしているのですが、小野のジグにはまったくアタリがない……。
そうこうしているうちに、Aくんにハマチヒット。しかも2匹掛け。羨ましい!
小野も負けじと沈めてはシャクり、沈めてはシャクりを繰り返します。
すると、ようやくアタリがあり、ハマチが釣れた!と嬉々として巻き上げを始めたのですが、なんか異様に重く、なかなか上がってこない。
「ひょっとしてブリ級のでかい奴が!?」と期待に胸を膨らませて頑張って巻き上げたんですが……。
ハマチのスレがかり(口以外の部分に引っかかった状態)でした。そりゃ小物だけど重いわ。
その後、船長が情報収集しつつ、ジギングをやったりタイラバをやったり。
小野は小さいとはいえとりあえず青物は釣れたので、あとはマダイが釣れれば今日は満足ってことで、タイラバのタイミングを待ちます。
そして念願のマダイ捕獲!!
これでちょっとコツみたいなものを掴んだので、もう2~3匹は行けるかなと思っていたのですが、その後パッタリと釣れず。
17時過ぎに沖上がりとなり、18時くらいに帰港しました。結局、12時間ほど波に揺られてたんですね。酔わなくてラッキーでした。
戦いすんで日が暮れて
船から降りて、着替えや片付けを済ませ、釣った魚を持ってお家へ帰ろう。
「帰りは天橋立見えるかねえ」
デスヨネー。
途中、釣った魚をさばいてくれたり、真空パックしてくれたりする「釣人の駅」さんに釣果を持ち込み、人に配ったり、調理しやすいように処理していただくことに。
マダイ、レンコダイ、ハマチ、サバをそれぞれ三枚おろしにして、真空パックしてもらいました。
帰りがけにSAで食事をして、家に帰り着いたのが23時過ぎ。W師匠、遠路運転お疲れ様でした。気の毒に一匹も釣れずにダウンしていたけど、まあ、そういう時もあるよね。来年のZYYX Day 2日目に期待しましょう。
「釣れない時は魚が考える時間を与えてくれたと思えばいい。」
アーネスト・ヘミングウェイ
船釣りは酔うと辛い(だろう)けど、型も数も陸からより稼げるので楽しいですね。
釣った魚は、味噌汁と刺し身で美味しくいただきました。
そろそろ、出刃包丁が欲しいな。
ZYYXDAY 2019 本体の記事はこちら↓から