こんにちは。fanpというチャットボットサービスを提供するZEALSの代表・清水正大です。みんなからマサって言われてます。
最近刺激的なことが色々あったので初めてwantedly書いてみます。かなり長いです。
ZEALSとは:「次なる産業革命を興し、日本をぶち上げる」というVISIONを掲げ、“チャットボット×広告”をコンセプトにした新たな広告サービス「会話広告 fanp」を展開する五反田のスタートアップ。Messengerチャットボット実績No.1。フリークアウト・JAFCOより累計5億円超を資金調達。「アジアを代表する30才未満の30人の起業家」(正式名称 : Forbes 30 Under 30 Asia) に選出。
BIZREACH FRONTIER インタビュー:https://frontier.bizreach.jp/business-model/zeals/
目次
1.「Facebook問題 」
2.「Facebook F8」@サンノゼ
3.「WORLD BOT meetup」@サンフランシスコ SlackOffice
4.「ZEALSのこれから」
5.「おまけ」フリークアウトグループ総会
最後に・・・
1. 「Facebook問題」
引用:https://www.technologyreview.jp/nl/well-rehearsed-evasive-mark-zuckerberg-tries-to-explain-facebook-user-privacy-to-congress/
2018年4月、Facebookはめっっっちゃ大変なことになってました。個人情報の流出とその情報の政治利用というダブルパンチでヨーロッパの議会やアメリカの議会にザッカーバーグ氏自身が呼び出され、矢面に立たされ問題の説明と今後の対策を説明したりしていました。この流出が明るみに出た瞬間の2018年3月中旬、僕は特にZEALSに影響があると思っていませんでした。
この時ZEALSは、Facebook Messenger向けにプラスしてLINE版もリリースしたことでチャットボットサービス「fanp」の利用が伸び、過去最高売上を記録し、単月売上成長率は131%超、ガンガン攻めている真っ只中でした。 そんな状況で決算を終え、新たな期の始まりとなる4月を向かえたのでイケイケドンドン感に溢れていました。
期末(3月末)に開催した社員合宿 in 熱海
ところが、その4月初旬にFacebookから全世界のチャットボットサービスに制限がかかったのです。
これによって、僕たちもFacebook Messenger向けに提供しているサービスが停止し攻めから一転、お客様に謝罪と対応の説明という守りに徹する形になり売上にも影響が出ました。ただただ僕の認識が甘かったという話なのですが、正直Facebookほどのプラットフォームがいきなり世界中のデベロッパーにこのような制限をかけるとは思いませんでした。さらにまずいのがFacebookは「いつ元に戻すのか、今後どうするのか」を宣言しなかったので、お客様にも「いついつまでには直りますので」と未来を約束できず大変でした。
こんな状況だったので、5月に予定されているF8に参加し「Facebookは今後どうするつもりなのか、世界中の他のチャットボットサービスを提供しているスタートアップ達はどう感じているのか」をしっかり掴んでこようと決めました。
※この制限自体は、ZEALSにおいては4月下旬に完全解除されたので本当に良かったのですが
2. 「Facebook F8」@サンノゼ
「Facebook F8 2018 (Conference)」
F8とは何かという話を簡単にしますと、F8とはFacebookが開催している開発者向けのカンファレンスのことで、これまで新機能の紹介や新たな発表を行ってきました。
ちなみにF8という名前は、Facebookで行われていた8時間耐久で行うハッカソンが由来となっているのだそうです。(引用:http://blog.feedforce.jp/archives/14913)
サンフランシスコ到着・初日
ぶっちゃけ上にも書いた通り、制限は解除されたので気は少し楽でしたが、世界では引き続き制限を受けているサービスがあったり、日々Facebookがニュースなどで叩かれている中、今後どうなっていくのかをFacebookの人々、そして他のチャットボットのスタートアップからしっかり掴んでくるというミッションがありました。
参加メンバーは僕と、ワシントンD.C.からやってきたZEALSのフルスタックエンジニア、アーロンです。
アーロンの情報はこちら:https://qiita.com/aburd
僕たちは鬼のごとく気合いを入れてSan Francisco国際空港に着陸し、何か掴むべくさっそくすこぶる図々しい行動を開始しました。
こうして、超クローズドミートアップに参加できました!!!!!!!!
いる人たちは本当にすごそうな人ばかりでFacebookの人たちやFacebookプラットフォームの上でプロダクトを作っている色んなデベロッパーの人たちと仲良くなりました。
ここでビックリしたのが、みんなFacebook問題など無かったかのようにチャットボットやサービスについて楽しそうに話していたことでした。「あれ?今大変なことになってる真っ只中だよね?…」と。でも、最初は拍子抜けしてしまいましたが、最新の情報や色んな話で一緒に盛り上がりながら安心しました。Facebookと同時に、チャットボット・音声といったコミュニケーションテクノロジーの未来を信じている仲間が世界中にいるんだと。
英語はホント大変でしたけど、気合い入れてぶつかればみんな超良い人達だからなんとかなりますね。(すこぶる図々しいJapaneseと記憶されたと思いますが笑)
「Facebook F8」Day1・Day2
朝5時に起きて、San FranciscoからSan Joseに異動。 F8本番!!!
発表の詳細はたくさん記事があがってるのと一緒に行ったZEALSのアーロンもまとめてくれているので気になる方はこちら。 (https://qiita.com/aburd/items/3630cd3e9d08fee78674)
僕から一番伝えたいのは、会場にいる多くの人が口にしていた「Facebook is Back!! (Facebook復活!)」という熱量です。今回の問題を皆で乗り越えるんだ!という強い意志、本気さが溢れていました。
ザッカーバーグ氏も何度も「コミュニティ」「セキュリティ」そしてキーフレーズである 「That is why we build」(「こんな大変な状況だからこそ、私たちは共に未来を創り続ける」的な意味だと思われる)と言い続けていました。
Messengerの責任者であるデビッドマーカス氏も「Messengerの全ての制限を解除しました。今まで迷惑をかけてきた世界中のデベロッパー達ごめんなさい」と宣言されていました。セッション会場の隣のブースコーナーにFacebookの人たちと交流できるゾーンがあって、Messengerの担当の人たちと話しましたが、 「Messengerはこれからもっとすごくなる、一緒に創っていこう!」とみんなワクワクと熱量で溢れていました。
この日までに色んな問題はあったけど、この問題を乗り越えるぞという意志と、ビックリするような新機能とFacebookが創っていくセカイが明確に発信され本当に素晴らしいカンファレンスでした!!!
一応発表にも少し触れると、Messengerに関わる新発表で特に注目すべきと思うのは以下です。
・Messenger + AR
・Handover Protocol
・PyTorch 1.0 (統合AIフレームワーク)
チャットボットの体験を信じられないほど拡張する新機能も含まれてます。さらにPyTorch 1.0はチャットボット・音声用NLP(自然言語処理)の深層学習もカバー。僕たちのみならず、上記はカンファレンスに来ている多くのデベロッパーがテンション高く話題にしていました。
3.「WORLD BOT meetup」@サンフランシスコ SlackOffice
WORLD BOT meetup:アメリカ,ドイツ,インド,イギリス,ロシア,トルコ,ブラジル,アルゼンチン,ウクライナ,オーストラリア,カナダ,フィリピン,オーストリア,デンマーク,中国,日本...といった世界中のチャットボット・音声のテックスタートアップが集うF8の開催に合わせたサブイベント。Botsという世界最大のチャットボット・音声コミュニティに参加しているメンバーが中心。
これに参加して確信したのは「ZEALSは世界においても前にいる。アジア取れる。イケるぞマジで!!!」ってことです。
なぜかと言うと、ラッキーもあります。まず、ヨーロッパ系や南米系のチャットボットメーカーたちは技術力は高いですが、ユーザーの数でいうと非オープンなWhatsAppがメインです。そんな状況で結局各社マネタイズが上手く回っていなくて、ファイナンスも難しいといった状態でした。だからといってWhatsApp以外が主流のアジアに展開しようにもアジアについて知識がなくて展開できていませんでした。アメリカについても強力なプレイヤーばかりでしたが、チャットボットを作れるフレームワークをフリーミアムで展開しているプレーヤーが多く、マネタイズに苦戦し、勝ち筋を見つけきれていない印象でした。さらにアメリカではオープンなFacebook Messengerの利用率が圧倒的なのでまずはFacebook Messenger向けに国内を着実に伸ばす意識が強く、アジアを注視するフェーズではないようでした。
ZEALSは「会話広告」というチャットボットの管理システム提供と同時に、インフィード広告とチャットボットのオペレーションもパッケージにすることでマネタイズに成功し、トップラインをぐんぐん伸ばしており、その話をしたら「すごい!それを次回マネタイズセッションで話してよ!」と驚かれました。
オペレーションまでパッケージにして展開するのは確かに大変ですが、ここまでやり切るからこそ高い広告パフォーマンスを実現し、お客様に満足頂きマネタイズができるこのスキームをもっと爆速で世界に拡げていきたいと強く思いました。
さらに現在β版としてリリースし、価値を磨いているtoC向けの自社バーティカルボット「ZiP」についても、ZEALSが磨いてきた技術とスキームを活かすことで一気に世界で通用するボットへと成長させられるチャンスがあることも感じてこれました。
最後に、このようなコミュニティをぜっっっっったい日本でも立ち上げなければいけないと思いました。Facebook本社やグローバルのスタートアップたちは、そもそも滅多にこのような場に現れることのない日本をPassingしていたので、僕らは「JAPANは半端ねーぞ!なぜならオレたちがぶち上げるからじゃ!」と言いまくってきました。Passingが進むのは明らかに日本にとって損害で、APIの提供やNLPといった新技術のサポートの優先度を下げられたり、コミュニティで色々な情報が回っているものが日本には流れてこなかったりという問題が発生してしまいます。この時代に日本が取り残されていくのを黙っていられません。僕とアーロンはこのmeetupを通じて、日本で「チャットボット・音声コミュニティ」を立ち上げ、日本のプレゼンスをぶち上げることを誓いました。
meetup後の飲み会。隣はFacebook F8ハッカソン優勝者、オーストリア・ウィーンの天才AIエンジニアシルビオ。チャットボット大好きおじちゃん。
4.「ZEALSのこれから」
ここまで書いてきた出来事(+おまけで書くフリークアウトの総会)のお陰もあって、VISIONに向けてこれから仕掛けていくチャレンジを整理できました。
今期に仕込み始める「3つ」のチャレンジ【※ fanpやtoC向けの新サービス「ZiP」を伸ばすのは大前提!】
①チャットボット & 音声の日本コミュニティ「VOT」立ち上げ
WORLD BOT meetupのパートでも書いた通り、FROM JAPANのチャットボット・音声コミュニティ「VOT」を立ち上げます!デベロッパー様、マーケッター様、経営者様、記者様、学生様、といった様々な方々にご参加頂き、共にこれらのテクノロジーを盛り上げていきます。(競合企業様もご招待させてもらっています。大同小異。目先のメリット・デメリット的なことは全く考えていません。)
先週「VOT」のFacebookグループを立ち上げ、既に500名を超える皆様にご参加頂けました!本当にありがとうございます。今起ころうとしている技術革新はまさに日本、そして世界の未来を大きく変えていきます。そのコア技術となるポテンシャルを秘めているAI(Personal Assistant), NLP, CommunicationEngineなどのテクノロジーが花開くためにもこの業界をオールジャパンで盛り上げていけるよう頑張ります。
②音声インターフェースへのサービス拡張
現在、お客様に“チャットボット×広告”の「会話広告 fanp」というサービスをお届けしていますが、今期から一部のお客様と共に、チャットボットを音声インターフェースに拡張する取り組みを開始していきます。
僕たちZEALSはチャットボットに取り組む以前からコミュニケーションの可能性を信じて、音声会話ロボットの会話エンジン開発にチャレンジしてきたチームです。着実に音声スピーカーが拡がっているまさに今から、かつては無かった1億近くの膨大な会話データとユーザーデータを強みに、お客様に価値ある音声サービスを提供できるよう頑張ります。
③アジア展開
世界中のチャットボット・音声系のスタートアップ達がまだ攻め始められていないアジアへの展開を先んじてスタートします。出資元であるフリークアウトは既にアジア11拠点を構え展開を加速しています。そのリソース・ノウハウ・ネットワークをフルに活用させて頂きながら、フロンティアとなっているアジアNo.1のチャットボット・音声スタートアップへと成長を遂げるべく、上でも記載したZEALSが持つ強み・スキームを活かして展開を開始します。
この①はさておき、②,③を今期にも仕込み始めることで、ZEALSの長期ロードマップにしっかりオンボーディングさせ、「次なる産業革命を興し、日本をぶち上げる」というVISIONに向かって突っ走ります。
5.「おまけ」フリークアウトグループ総会
「BLUE NOTE」という歴史あるすごい会場で開催されたフリークアウトグループ総会にゲストとしてお招き頂きました。
軽い気持ちで「行きます」と言ってしまったのですが、実は去年のフリークアウトグループ総会で思いっきりほらを吹いていたので、中途半端な完成度ではまずいぞ...と。しかもシリコンバレーから帰ってきて現場もキャッチアップしなければいけない中かなりてんやわんやしながら当日になりました。
でも、この発表があったお陰で一気に前期のまとめはもちろん、シリコンバレーで掴んできた所感も反映した上にも記載した今期の戦略を整理することができました。
そして、納得のいくクオリティまでやり切って、フリークアウトの200名を超えるメンバーの皆さんへ熱量マックスのプレゼンをぶちかますことができました!
出資元であるフリークアウトの皆さんから温かいエールをたくさんもらい「今期もすこぶる頑張るぞ!!!!」と身が引き締まりました!あと、本田さん、ゆーすけさんをはじめゲストの佐俣さんや他の各責任者の方々の発表は本当に勉強になることが多くてマジで素晴らしい会でした。
最後に・・・
フリークアウトの総会でも発表しましたが、
という大規模カンファレンスを「VOT」コミュニティ主催で年末に仕掛けます!!!(会場はこれから抑えます!笑)
チャットボット・音声といったコミュニケーションから、IoT、VR、AR、MR、人体埋め込みまで、まさにこれから様々な技術が花開くことで人類は、PC->スマホシフトのインパクトを超えるインターフェースシフトを経験します。
このパラダイム・シフトを通じてより良い社会が築かれると信じて、全力を注いでいる人々の祭典をつくり、盛り上げていきたいと考えました。立ち上がったばかりのチャットボット・音声コミュニティ「VOT」はこのカンファレンスを全力で推し進めていきます!
このカンファレンスは本当に色んな方々の協力がなければ実現できません。週末でも、仕事終わりのちょっとした時間でも構いません。共に「INTERFACE SHIFT 2018」カンファレンスを創っていきたい方々。力を貸してください。( 清水正大Messenger:https://m.me/masahiro.shimizu.73 )
※もちろん、ZEALSで一緒にVISIONを目指す仲間も募集しています!!
人が持つ“対話”の力を機械に授け、一人一人に“パートナー”として届けることで、
「次なる産業革命を興し、日本をぶち上げる。」