Xvolve COO Kimi Izawa 2021年に早稲田大学卒業 大学在学中にブラジルのスタートアップで新規事業を開発し譲渡 外国人向け日本土産ECサイトや学生向け秘書チャットアプリなど立ち上げ 大学卒業後、Xvolveへジョイン。 新規事責任者、HR責任者を経て2023年よりCOOとして年商15億円超の事業経営および採用に従事
学生時代から始まった「挑戦の連続」
早稲田大学先進理工学部で学んだ伊澤さんは、プログラミングや量子力学を学びながら、社会に役立つことを意識して研究に取り組みました。卒業論文では、皮膚がんの早期発見技術をテーマに選び、「どうせやるなら、誰かのためになることを」と考えていました。この姿勢が、後に新規事業の立ち上げに挑む原動力となっていきます。
海外で得た「起業のヒント」
大学3年のとき、伊澤さんは一度休学し、海外でのインターンシップに参加しました。インドやブラジルの企業でブロックチェーン技術を活用したECサイトの立ち上げに携わり、日本では体験できないダイナミックなビジネスの現場を体感。この経験から「国内だけでは見えない世界の大きな可能性」を強く感じ、新しい価値を生み出すことへの意欲が芽生えました。
その後、ネパールでも第一次産業の課題に取り組み、農業支援やボランティア活動に従事。「新しい視点で社会に貢献することができるビジネス」の可能性を実感し、「なぜ生きるのか?」という根源的な問いに向き合うことで、ビジネスを通じて社会を変革する意義を見出しました。
スタートアップでの挑戦
帰国後、伊澤さんは国内のスタートアップにインターンとして参画。無料タクシー事業に携わり、ビジネスの立ち上げに従事しました。伊澤さんは「新しい事業を立ち上げる瞬間のワクワク感はたまらない」と振り返りますが、一方で広告業が主軸となったことから、自身のビジョンとのズレを感じ、独立を決意。
独立から新たなステージへ
「自分で新しいものを生み出したい」という思いが強まった伊澤さんは、学生向け秘書チャットサービスや海外向けECサイトを立ち上げ、次々と新規事業に挑戦しました。
しかし、「もっと大きなビジョンを持った仲間と共に、世界を変える事業を作りたい」との強い思いから、Xvolveに参画。ここでの経験が、彼の新規事業に対する視座を大きく広げました。
Xvolveで得た「成功の鍵」
Xvolveでは、伊澤さんは新規事業の責任者として、事業戦略の立案から実行までを担いました。彼は「ただ真似るのではなく、自分たちにしかできないユニークなビジネスモデルを創り上げることが重要」と語り、自らが主導する形で事業を構築していきました。
挑戦の先にある苦悩と成功――事業の再構築への道
Xvolveで新規事業の責任者として挑戦を続けていた伊澤さんですが、2023年には初めて大きな壁にぶつかります。それまで順調に成長していた事業が、急に利益が伸び悩み、事業の方向性や自分のやり方に対する不安が押し寄せました。
「なぜ結果が出ないのか」「何を変えればいいのか」。一見好調に見えていた事業でしたが、目に見えない要因が積み重なり、事態は深刻化していきました。この時期、伊澤さんは一度、自分自身と事業をゼロベースで見直すことを決断します。
苦悩と葛藤――変革への決断
「インプットばかりで、アクションが足りなかった」と振り返る伊澤さん。2023年の苦悩の中で感じたのは、自分が頭の中で考えすぎて、実際の行動に移すスピードが遅かったということでした。例えば、新しい施策を思いついても、その実現可能性ばかりを考え、すぐに動き出すことができなかったのです。
一方で、自分よりもスピード感を持って大胆に行動する経営者たちとの対話が大きな転機となります。Xvolveの他の役員や外部の経営者と話す中で、伊澤さんは「変化を起こすためには、スピードを意識し、時にはリスクを恐れずに大きなアクションを取ることが必要だ」と痛感します。この考えを胸に、再び前に進む決意を固めました。
再構築へのステップ
2023年後半、伊澤さんは事業の根本を見直し、ビジネスモデルを再構築していきました。彼の強みである「抽象的な変化のゴールを具体化する力」を発揮し、これまでに蓄積したアイデアを大胆に実行へと移しました。その一環として、既存のプロダクトやサービスに新しい価値を加える施策を次々と打ち出し、組織全体に変化の波を起こしていきます。
ただし、この過程は決して簡単なものではありませんでした。内部の反発や新しい施策の実現に向けた試行錯誤、そして目に見える成果がすぐに現れない焦り。再び結果が出始めるまでには、多くの忍耐とチーム全体の協力が必要でした。しかし、伊澤さんは「行動し続けること」が成長の鍵であると信じ、持ち前の粘り強さで前進し続けました。
2024年の飛躍――成功への一歩
そして、ついに2024年、伊澤さんが手がけた事業は劇的な成長を遂げ、利益は倍増します。彼が提案した新しい施策や事業モデルが実を結び、成果が目に見える形で表れた瞬間でした。この成功の背後には、何度も挑戦し、失敗を恐れずに新しいアイデアを実行に移し続けた彼のリーダーシップがあります。
伊澤さんは「どんなに厳しい状況でも、リスクを恐れず変化を起こし続けることで、必ず道は開ける」と振り返ります。この経験は、新規事業を立ち上げようとする人にとって、非常に貴重な教訓となるはずです。
若い世代へ送るメッセージ
伊澤さんは、これから新規事業を立ち上げたいと考える若い世代に向けて、「大きなビジョンを持ち、自分を信じて挑戦することが大切」と伝えます。「世界を変えるのは、大きな資本や経験だけではありません。行動力と新しい価値を創造し続ける意志が、最も重要なのです。」
彼は今後も、Xvolveを通じて「世界を変革する組織」を目指し、次世代の起業家たちと共に、新しい挑戦を続けていきます。彼のように、新規事業の立ち上げに情熱を持つ人にとって、伊澤さんのキャリアはまさに理想のロールモデルとなるでしょう。
最後に
私(筆者)はこれまで様々なスタートアップや大企業の組織や採用と向き合ってきましたが、Xvolveの特異性は、なんと言っても「挑戦する環境」です。
多くの学生さんたちが「社会の役に立ちたい」「ビジネスの創造に携わりたい」と、就活の時期に強く希望し、考え、悩み、自分のキャリアと向き合います。
その選択肢の中でも、若くして自分ごととして、痛みを伴う本当の「事業家」になれる機会は多くはありません。Xvolveという選択肢は、そんな稀有な経験を社会に出た瞬間から手に入れることができる、貴重な社会人人生の第一歩となるでしょう。
執筆:野村有希
大手企業からIPO前後のスタートアップまで、人事領域を中心として活躍中。
現在GovTech領域のSaaSプロダクトを抱えるスタートアップにて役員をやりながら、
人事アドバイザリーとしても活躍中。延べ3万人以上の面接を経験し、特に採用領域に強みを持つ。