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5年で社員数400名突破も未だ道半ば!ノンデスク産業の社会課題に挑むX Mile CEOが語るこれまでの軌跡とこれから

ノンデスク産業向けSaaS・HRプラットフォームを提供するX Mile株式会社(読み:クロスマイル)。当社が主に支援する物流業界では、働き方改革関連法の適用に伴い14.2%の輸送能力低下が懸念された「物流2024年問題(※1)」が、さらに少子高齢化による労働力不足の加速や、ECの普及による宅配需要の拡大などの影響により34.1%もの輸送能力の低下の可能性が指摘される「物流の2030年問題(※2)」が迫っており、これらは日本社会全体にとって大きな課題でもあります。

こういった「モノが運べなくなる」可能性が懸念されるという、業界の大きな課題である物流2024年問題への支援や、2030年問題に備え、企業規模も拡大を続けている一方で、本人談によると何と起業当初の予定からはビハインドしているとのこと。

今回は会社に込めた想いや今後の展望について、代表の野呂さんにインタビューしました。

◾️プロフィール
北海道出身、国際基督教大学(ICU)卒。在学中、テラモーターズ(株)ベトナム支社にてジョイントベンチャー立上、カンボジア拠点長を経験。帰国後、Payme創業に2番目社員として参画し、取締役COOとしてFinTech・SaaS事業を管掌。令和元年(2019年)にX Mileを創業。

設立5年で社員数が400名を突破するも、当初の予定からはビハインド!?

ー本日はよろしくお願いします。直近、社員数がとても増えていますが今は何人ほどいらっしゃるのですか。

この1年で社員数400名を超え、拠点も2拠点(東京、大阪)から6拠点(東京、大阪、福岡、名古屋、広島、札幌)へ成長しました。事業としては、ノンデスク事業者向けのHRプラットフォーム「クロスワーク」に加え、物流業界に特化したSaaS・プラットフォーム「ロジポケ」など、ノンデスク産業特化の経営プラットフォームを展開。直近では、誰もが知る大手企業様にも当社のサービスを導入いただく等、事業を広げてきています。

ー順調に拡大を続けている印象ですが、ここまでの成長を遂げているのは、野呂さんとしてはどういうお気持ちですか?

実を言うと、自分が設立時に立てていた当初立てた目標からは少しビハインドしています。計画と近い数値で推移しているものの、未来の理想型から考えると、まだまだ遠いなという感じです。

X Mileとしてありたい姿の何合目まで来ているかは定かではありませんが、まだ1合目といったところですかね。


泥臭く積み重ねた信頼で、力強い仲間が集まるように

ーまだ1合目とは驚きました。とはいえ、ここ数年は毎年社員数が倍増してきた中で(※3)組織としての変化も出てきていると思います。特に気になった最近のトピックスはありますか。

最近は、社外の交流会などいろいろな所に顔を出すようにしているのですが、まず単純に当社のお客様と出会うことが増えました。また、何気なく目に入ってくるトラックなどのロゴなどを見てもX Mileの取引先であることが多く、企業として大きなインパクトを発揮してきていると感じています。

また組織面では、すごく大きな変化が出てきています。一昨年はまだ社員数が100名ほどで、私とCOOの渡邊さんの2人で経営からマネジメントまで見ていました。しかし昨年から、メガベンチャーで事業部長を勤めた方、子会社の立ち上げに携わった方、上場企業に事業を売却した経験がある方、なかには3,000名を超える企業で役員をやっていた方など、経験豊富かつ優秀な30代〜40代の仲間が増え、共に企業としての方向性を考え、経営まで踏み込んでくれる方が増えてきました。その一方で、社内で数年経験を積み、20代でマネージャーに昇進した若手社員も台頭してくるなど本当に強いチームになってきている感覚があります。「計画からはビハインドしている」と言いましたが、組織として良い状態に前進しているのは間違いありません。


2024年には投資銀行とベンチャーキャピタルでの経験を持つ松尾さんをCFOとして迎える等、経営体制を強化

最初のプロダクトがまだ出来上がっていない時代には、私が自ら企業に出向いて必要な人材をヒアリングして案件を受注し、そこから直接必要な人材を集客して採用支援するなど泥臭く活動していました。その後、物流ドライバーの転職を支援するプラットフォーム「クロスワーク」を本格的に開始し、COOの渡邊さんと2人で法人顧客の開拓から転職希望者の集客、企業と候補者をつなぐキャリアアドバイザー業務、そして人事労務業務まで、とにかくありとあらゆる仕事をやっていました。無事ユーザーの転職が決まったときには、渡邉さんと缶ビールを手にささやかな祝杯を挙げたことを今でも覚えています。

会社を立ち上げてからの数ヶ月は、西新宿にあったワンルームの私の自宅マンションを拠点にしていました。「1,000名以上が働く会社にしよう!」と、2人で夢を語り合い、実際に創業1年目から採用活動も進めました。2020年春には新卒約10名の入社が決まっていたのですが、入社目前の2月末になっても理想に見合う広さのオフィスが見つからず、ドタバタと入居先を決め、入社前の内定者のメンバーに手伝って貰いながら、軽トラックを借りて自分たちで引っ越しをしました。雪が降りしきる中での引越し作業は今でも忘れられません。


創業当初の野呂さん自宅のワンルーム。写真に写っているのは、COOの渡邊さん。

今ではオフィスの規模も大きく変わりました。月に一度、締め会という名の懇親会を開催しているのですが、創業当時、COOの渡邊さんと2人で缶ビールを手に乾杯していた頃が信じられないほどの賑わいです。

今まで一つひとつ積み重ねて得た信頼によって、優秀な仲間が入ってくるようになり、長くいる社員の成長もあいまって組織はさらに強くなりました。ある程度の規模感がないと世の中にインパクトを与えるような大きなことはできないと考えているので、面白くてワクワクする未来が近くなってきたなと思っています。

ーマネジメント層や現場の社員も増えてきたと思いますが、今では、野呂さんや共同創業者でもあるCOOの渡邊さんは現場からは退いているのですか。

いえ、今でもまだまだ現場に出ています。直接商談に行ったり、採用面接の場に同行したり、ときにはリファラルも兼ねて社員の友人と飲みに行ったり等、ずっと走り回っています。年末には視察も兼ねて海外に行きたいと思っています。いよいよグローバルにも乗り出していきたいですね。

それ以外は直近ですと、国と共同でのイベント開催や、業界を巻き込んでの「物流DX」のカンファレンスの企画を実施するなど、自社の枠を超えて、物流業界全体に関わるような動きも増えてきています。


物流メディア媒体を発刊されるLOGISTICS TODAY株式会社代表取締役/編集長 赤澤 裕介氏と物流DXのカンファレンスで登壇

現場のお客様や海外人材も巻き込みながら、業界課題の解決に動く

ー組織として力強さを増しているX Mileですが、今後の5-10年先のビジョンを教えてください。

事業面でいうと、今は物流業界のシェアが大きいですが、これからは物流業界に限らず、建設や製造といったノンデスク産業全体に使ってもらえるサービスを目指します。X Mileがないと、ノンデスク産業が成り立たなくなるような、圧倒的ナンバーワンを目指していきます。

当社のサービスを導入いただく企業も増えてきてはいますが、業界の生産性の向上等、潜在的な課題はまだ多くあります。例えば生産性向上のためにソフトウェア導入を進めることに対する理解度は、ノンデスク産業では10%に満たない印象です。ただ漫然と商品を売るのではなく、自分たちの作り出したい未来を訴求し、現場を巻き込みながらサービスを作っていくことが大切です。実際、お客様に当社のサービスを使っていただく中で、新たな課題が見つかり、その課題に対してまた新たなソリューションを提示するという好循環も生まれつつあります。今後もそのようにして、お客様と一緒にサービスを進化、成長させていきたいと考えています。

とはいえ、組織的にはまだまだ小さな規模だと思っているので、事業成長と共にまずは1,000名を早期に達成したいです。女性管理職の登用や、海外進出も今後のチャレンジです。

当社がメインターゲットとする物流業界では、働き方改革関連法の適用により、既存の労働者数のままでは14.2%の輸送能力低下が懸念される「物流2024年問題(※1)」があります。さらには、少子高齢化による国内の働き手不足に対して、コロナ化で加速したECの普及による宅配需要の拡大などの影響により、需要に反して34.1%もの輸送能力の低下の可能性が指摘される「物流の2030年問題(※2)」があるなど、国内の人材不足は極めて深刻です。

日本の労働人口だけでは今のノンデスク産業に対する供給を満たせないことがすでに指摘されている中、海外で活躍しているドライバーを日本に呼び寄せる形もよいのではないかと考えています。

先日アジアで事業をやっている人に話を聞いたところ、中東には10万人ほど大型トラックのドライバーがいるそうです。アジアは親日の国でもありますし、当社も契約事業者数を増やし続けていますので、海外のドライバーを呼び寄せていくことは、日本の労働人口問題を解決するだけではなく、彼らに対して日本での職や学びの場を提供できることでもあるため、面白そうだと感じています。

若手事業家人材が生まれる、「令和を代表するメガベンチャー」を目指して

ー野呂さんは、過去に海外でのビジネス立ち上げや留学の経験もありますよね。そんな中、日本で起業して感じるこれからの日本に対する想いを教えてください。

日本はとても平和で、規律を重視している国です。それ自体はとても良いことですが、競争せずとも暮らしていけるので、努力や挑戦をする必要が少なく、あえてリスクテイクしてでも起業する若者が世界に比べて少ないのは仕方ないことかも知れません。例えば世界には、18歳でホテルプラットフォーム「OYO(オヨ)」を創業したインドのRitesh Agarwal(リテシュ・アガルワル)氏や、19歳のときにブロックチェーンの「Ethereum(イーサリアム)」を作ったロシアのVitalik Buterin(ヴィタリック・ブテリン )氏などの、若い創業者が今も多く誕生し続けています。

幕末や戦前戦後など、復興期の日本にはあった起業家精神が薄れてしまっている現状は、非常にまずいと言わざるを得ません。経済低迷期の今の日本では、新しい事業や産業、価値を作る、まさに起業家精神が求められています。

いつの時代も、イノベーションの担い手はハングリーな新興企業から生まれています。令和元年創業の私たちは「令和を代表するメガベンチャーを創る」をビジョンに、新しい産業を生み出し、次世代のリーダーを育て、歴史に残る企業を目指しています。

今、X Mileの平均年齢は20代後半と若く、日本の巨大産業を変えよう、自分自身が成長して力を付けようといった、志の高い者が多くいます。リクルートやサイバーエージェント、DeNA、メルカリのようにゆくゆくは若手の事業家人材が、各分野で新しい価値を作っていくような未来を想像しています。

当社の掲げるバリューの一つに「今、この瞬間を全力でやり抜こう(JSIK)」があります。JSIKとは、人生一回の略です。私が学生時代ずっと体育会サッカーに打ち込んでいたのと、創業当時リクルートでは円陣を組んだ時の掛け声があったと聞いたので、何か一言欲しいなと生まれた掛け声で、「人生一回」は創業当時は全社での掛け声だけでなく、乾杯の掛け声としても使っていました。

創業期はお金もなかったので、ミッション・ビジョン・バリューを語る前に、お金を稼がないと雇用が維持できず、事業が継続できないような時期でした。前職で苦労した経験もあり、利益も出しつつ社会に還元していくことが大事だと感じていました。それを実現するには、1日1日全力でやらないといけません。

たった一回の人生で、今ここに全力を尽くして業界や社会の課題を解決していくことが、未来の日本を作ることに繋がると考えています。

今のX Mileは、膨大なお客様のニーズに対してまだ人手が不足している状態です。まずはそこに取り組んでいくこと、そして、将来的には日本を出て世界で競争し、応援する社会を築いていくことを目指しています。

誰にとっても人生は一回です。その人生を賭けてでも本気で打ち込める仕事、ミッションに取り組みたい。そんな思いを抱いている仲間がもっと増えるように、X Mileもさらなる成長を目指していきたいと思います。



■関連情報
(※1)(※2)引用元
https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/seisakutokatsu_freight_mn1_000023.html

(※3)
2022年:50名→2023年:100名、2024年200名と社員数が増加



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