1
/
5

お客様の声を起点にした製品開発を可能にする―トプコン品質保証部の仕事とやりがい―

眼科用の医療機器メーカーとして、グローバルで存在感を発揮するトプコン。繊細な目の医療を確実に届けるためには、医療機器の安全性の担保が欠かせません。そして、製品の品質を担っているのが「品質保証部」です。

直接、製品開発に関わることはない部署でありながら、よりよい製品づくりのためには品質保証部の存在は欠かせません。今回は品質保証部の4名へのインタビューを通して、そのやりがいや得られる成長について聞きました。

「目の医療に貢献したい」多様なキャリアのメンバーが集まる品質保証部の原動力

―まずはみなさんのキャリアから聞かせてください。

日吉:私は品質保証部の部長をしている日吉と申します。2002年に新卒で当社に入社し、最初は企画開発に配属され、設計、海外赴任、製造技術、CSなどを経験し今に至ります。

トプコンに入社した理由は、眼科医療領域に携わりたいと思っていたからです。高校時代に野球をしていた私は、硬式ボールが目に当たって失明する恐れのある怪我をしました。それを機に眼科領域に興味を持ち、大学でこの領域について学び、アイケア事業部があるトプコンに入社したのです。「ものが見える喜びで世界を救いたい」をモットーに入社以来ずっとアイケアの事業に関わっています。

八木沢:私は品質保証部安全管理課の八木沢です。前職は臨床開発や治験をデザインする外資系の会社に勤めていました。

トプコンに転職したのは2019年のことで、息子の目の病気が発覚したのがきっかけです。検査機器の不具合により、2歳児検診で目の病気を見落としていたことが3歳児検診で発覚しました。大事にはならなかったのですが、それを機に目の医療機器の品質保証に興味を持ったのです。そんな時、トプコンが安全管理のメンバーを募集していたので応募しました。

中山:品質保証部のQMS課の課長をしている中山です。私はトプコンが5社目です。医療機器や、化学品・材料の各製造業者での経験を経て、再び医療機器メーカーに戻りたいと考え、トプコンに入社しました。

化学品や素材・材料における品質マネジメントシステム(QMS)も経験しましたが、自分には医療機器におけるQMSの方が向いていると感じ、今に至ります。眼科系の医療機器に携わることは初めてですが、QMS活動は分野が多少変わっても考え方は同じですので、これまでの経験を活かせていると感じています。

藤崎:評価技術課の藤崎です。私は2008年に新卒で当社に入社しまして、最初はアイケアの国内営業をしていて、品質保証部に移ってきました。かれこれ10年以上、品質保証部で働いています。


安全な医療機器を届けるための「品質保証部」の多様な役割

―品質保証部のミッションについて聞かせてください。

日吉:アイケア品質保証部は、製品開発の上流部からお客様の手に渡った後まで、製品の品質・品位を確保するため、各部門の品質保証プロセスを監視し、監査する部署です。当社アイケア品質保証部はそれぞれのチームによって役割が分かれており、製品を評価する藤崎のチームや、安全管理及び市販後調査を行う八木沢のチーム、そしてISOなどの規格に準拠しているかをチェックする中山のQMSチームがあります。

―上流の製品開発では、どのように品質保証部が携わるのでしょうか。

藤崎:私たちは直接、製品を作ることはありませんが、お客様の声を設計や製品に反映させるのが仕事です。

そのため、お客様に寄り添った製品開発をサポートする役割をしています。また、その設計によって出来上がった製品に対して、本当に要求を満たした機能が搭載されているのか評価するのも私たちの仕事です。

―商品を流通させてからの品質保証についても聞かせてください。

八木沢:製品を市場に流通させる前に品質をチェックするのは抜き取り検査を行う1~2個ほどですが、実際に市場に流通する数は少なくとも100以上です。そのため、想定していなかった不具合が生じることもあり、それがお客様からの苦情に繋がります。その声を聞きながら不具合の原因を調べ、設計・開発部門などと協力して不具合を解消していくのが私たちの仕事です。

また、私たちが扱っているのは医療機器なので、不具合の様子によっては、お客様や患者様に危険を及ぼす可能性があります。そのような不具合が続くようであれば、出荷を停止したり、回収判断するのも私たちの仕事です。また、不具合の危険度によっては、規制当局に報告しなければなりません。

―QMSでは、どのような仕事をしているのでしょうか。

中山:QMS活動は、仕組みを整え、その仕組みを回していきながらよりよくしていく活動です。例えば、設計開発、製造や調達など、ものづくり活動を実行していくために必要な組織体制やルールを整備し、そのルールに従い活動していく中で仕組みを改善していくことです。


「お客様の声を起点に製品を進化させる」品質保証部ならではのやりがい

―みなさんが品質保証の仕事に感じているやりがいについても聞かせてください。

日吉:私たちは直接製品を設計できるわけではありませんが、品質保証部にしかできない方法で、次の製品開発や現行品の品質改善に貢献できるのがやりがいです。私たちは、社内で最もお客様の声に近く、苦情についても最も把握しています。

そのため「苦情を処理するストレスフルな仕事」というネガティブな印象を持たれがちですが、逆に言えばそれだけ会社を成長させられるタネを持っているということです。机上の空論ではなく、お客様の声を基にしているため、他部門の人も説得しやすく、それが私たちの強みでもあります。

―具体的に、製品を改善したエピソードなどはありますか。

日吉:開発時に想定していなかった製品の使い方を突き止め、改善に貢献できたことがあります。

ある時、ソフトウェアのバグが改善しないという苦情がありまして、患者様がいる現場に立ち会い、1日中お客様が機器を使用するのを観察しました。そして、当初想定していなかった機器の操作をしていたことに気づきました。詳細調査をしてみると他にも同じような操作をしているお客様もおり、イレギュラーな使い方もソフトウェアに組み込むことで、より使いやすいサービスにブラッシュアップできたのです。

―八木沢さんがやりがいに感じていることも聞かせてください。

八木沢:何か問題が起きた時に、解決に向けてリーダーシップを発揮できるのがやりがいです。問題が起きた際は、品質保証部だけで解決するわけではなく、各部署と協力しながら解決に向かっていきます。その取り組みをマネジメントするのが私たちの仕事です。

たとえば調査についても、他の部署に調べてもらって、その結果をもとに出荷を停止するのか、回収するのか判断するのが私たち。責任ある仕事に携われるのは、大きなやりがいですね。

―中山さんが感じるやりがいはなんですか?

中山:QMS課の仕事は、八木沢や藤崎の活動と少し異なり、製品に直接的に携わる仕事ではありません。ものづくりのためのプロセスを整備し、そのプロセスが適切に実行できるように自分たちで監視をしたり、外部機関からの点検を受けたりする仕事になります。

そして、大事なのが一度ルールを作ったら終わりではなく、そのルールが問題なく運用できているか、より良くしていく必要がないかを関係部署と対話しながら、改善を続けていくことです。私たちの活動はものづくりではありませんが、仕組みを設計し、その通りにできていることを確認していくことなので、見方を変えると設計開発に近いかもしれません。その辺りにわたしは面白みを感じています。

―藤崎さんはいかがでしょう。

藤崎:日吉や八木沢が言っていたように、私たちは社内で最もお客様の生の声を聞いているチームです。そのため、その声を製品開発に反映する義務があります。他部署の人も、私たちが持つお客様の声を求めており、彼らと一体感を持って製品をよりよくできるのがやりがいです。

また、業務を通じて専門性を磨けるのも、成長を感じられるので嬉しいです。特に私は営業をしていたので、品質保証の仕事はほとんど知りませんでした。しかし、長年業務をしながら、他の部署の人と話して知識などが身についたのを実感できるのは嬉しいです。

―たとえばどのような知識が身についたのでしょうか。

藤崎:私も目が悪くてメガネをしているのですが、以前は眼科の方に言われるままにメガネを作っていました。しかし、仕事を通して知識が身につくと、検査結果の意味がわかったり、医師とコミュニケーションできるようになったり、よりメガネ作りにこだわれるようになって。

医学的な知識をもとに、自分の目の状況がわかったり、どんなメガネが自分にあっているかわかるのは嬉しく思います。それは私個人の話ですが、そのような目線で人の役に立つ製品が作れていることで、世の中に貢献できているのを感じますね。

グローバルな視点で成長できる。トプコン品質保証部が育む多様なスキル


―成長の話が出ましたが、トプコンの品質保証部で働くことで、どのような成長を得られるか聞かせてください。

中山:QMSの仕事では、対話能力や調整能力が身につくのではないでしょうか。ISOなどの国際規格や規制当局で決められたルールを守るための仕組みは、トプコン社員が守れるルールである必要があります。我々の事業活動の中で、どこまでルールに落とし込む必要があるか、各部門・部署の皆と協議を重ね、規格や規制に適合するための手段を考えていくことが私たちの仕事です。もちろん、外部機関からの審査の中でも対話や議論が必要な場面が生じてきます。このように様々な人たちとの対話を通じ、互いの目線を合わせていく中で、対話能力や調整能力が自然と磨かれていくと感じています。

―八木沢さん、品質保証部で働くことで、どんな成長を感じていますか。

八木沢:グローバルでの医療機器ルールについて詳しくなりました。私たちの事業はグローバル展開しているので、品質保証も各国のルールに合わせなければなりません。共通するルールも多いですが、国によって厳しさは様々です。それぞれの国に合わせて対応できるようになったのは、大きな成長だと思います。

また、自分で業務改善・効率化ができることも、トプコンならではと感じました。前職は外資系企業のブランチオフィスだったので、業務ルールを改善しようと思っても聞いてもらえることはほぼありませんでした。トプコンでは、よりよい方法を思いついて提案すれば、実際に業務ルールを変えられるので面白いですね。

―日吉さんは部長として、どんな成長ができる職場だと思うか聞かせてください。

日吉:様々な成長の可能性がある環境だと思います。日本のオフィスはヘッドクォーターとして、様々な機能が集結していますし、時には海外ともコミュニケーションしなければなりません。そして、品質保証部は自分たちで製品を設計できないからこそ、様々な人とコミュニケーションして情報を集め、事実を伝える必要があります。

そのように幅広い業務と関わる仕事だからこそ、成長を感じられますし、キャリアの幅も広がります。海外で働く機会も多いので、オンラインオフライン関わらず、グローバルに働きたい人にとっても恵まれた環境だと思います。

―品質保証部で働くにあたり、どのようなスキルを求められますか。

八木沢:法規制の知識が必要なので、医療機器メーカーなどで安全管理をしていた経験を持つ方を求めています。製品に関する細かい知識などは、業務を通して慣れていけばいいので、扱っていた製品がアイケア製品である必要はありません。

実際にレポートを書いていく時は、設計部門や製造部門とも協力しながら書いていくため、働きながら知識を身に付けていければいいと思います。また、家電メーカーなどであっても、法規制に詳しかったり、キャッチアップできる素養を持っている方であれば、一緒に働きたいですね。

―スキルや経験以外で、求めているソフトスキルもあれば聞かせてください。

藤崎:自ら積極的に行動し、学びに変えていける姿勢です。私たちの仕事は、様々な専門知識が求められるため、ゼロから勉強することも珍しくありません。そのため、最初から専門知識を持っていたとしても、働くうえで知らないことにぶつかるでしょう。

そのような時に自ら情報を得て学んでいく力が求められます。私自身も、営業から品質保証部に移ってきた時は、専門知識を持ち合わせていませんでしたが、そこから自ら学んで知識を身に着けていきました。未知に対して、ポジティブに受け止められる方が向いていると思います。



株式会社トプコンからお誘い
この話題に共感したら、メンバーと話してみませんか?
株式会社トプコンでは一緒に働く仲間を募集しています
1 いいね!
1 いいね!

同じタグの記事

今週のランキング

北原 一真さんにいいねを伝えよう
北原 一真さんや会社があなたに興味を持つかも