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【社員インタビュー】「クリエイティブを科学する」に込められたアイレップの想いとは? 前編

プロフィール

湯浅 直人(ゆあさ なおと) ※写真右

2013年に新卒で入社。学生時代は、2年半ほどグラフィック事務所でアシスタントとしてデザイナーを経験。アイレップ入社後はデザイナーやクリエイティブディレクターを経験し、2016年よりマネージャーに就任。プランニング・施策設計・デザイン・効果検証など幅広い領域を担当する。2018年度マネージャーオブザイヤー受賞。現在、クリエイティブUnitでUnitマネージャーを務めている。

長谷川 朝則(はせがわ とものり) ※写真左

2019年に中途で入社。大学卒業後は、テレビCM制作会社に入社。2年後にフリーランスとなり、約13年間にわたりプロデューサー&フォトグラファーとして広告撮影と動画制作を中心に活動。中国で医療ビジネスの案件に携わり、北京の検診センターや国際病院などの立ち上げにも関わる。アイレップへ入社後、インタラクティブデザインUnitで生活者目線の成果重視のクリエイティブを担当し、クリエイティブディレクターとして金融・通信・保険・食品・飲料・自動車・化粧品・旅行・アパレル分野等の案件に携わる。現在、 Divisionマネージャーを務めている。

―本日はよろしくお願いします!まずはじめに、所属部門の紹介をお願いします。

湯浅:クリエイティブUnitでUnitマネージャーをしています、湯浅直人です。よろしくお願いします。

クリエイティブUnitは、パフォーマンスクリエイティブ(以降PCR)領域で運用型広告のクリエイティブを設計・制作・分析をおこなう部門です。具体的なアウトプットとして、テキスト広告、動画広告、バナー広告、LP(ランディングページ)、Webサイトのコンサルティングなどがあります。

長谷川:インタラクティブデザインUnit (以降iD)でDivisionマネージャーをしています、長谷川朝則です。iDでは、湯浅さんのPCR領域と連携をしながら、マーケティングファネル(※1)を横断してあらゆる生活者にアプローチすることに取り組んでいる部門です。具体的には動画広告やテレビCMの制作、ブランディング、統合コミュニケーション施策などやっています。

※1 マーケティングファネル
一般的に生活者が商品やサービスに対して認知してから購入するプロセス、また購入後のリピートや拡散までのフェーズのことを指す。


―アイレップのクリエイティブの部門としては、もともとPCRがあり、その後iDが発足しましたが、その経緯についても具体的に教えてください。

長谷川: “4マス”時代からデジタルへ、世の中や広告の潮流がシフトしていた当時、アイレップは既にアッパーファネルからロワーファネル領域まで展開していて、運用型広告以外も事業として手がけていました。ですが、フルファネルでの施策を実現するためには各ファネルの領域ごとのソリューションや武器が必要で、それらをどのファネルでも一気通貫で活用できるようにする必要がありました。iDはその目的を達成するために発足されて、動画広告やソーシャル広告といったさまざまなソリューションを各領域で横断させ、ロワーファネルにつなげていき、フルファネルマーケティングを実現させていきました。

―(フルファネルマーケティングについては、後編で詳しく伺います!)

ビジネスにおいて高まるクリエイティブの重要性

―昨今では、広告だけでなく、ビジネス全体においてクリエイティブの重要性が高まっており、クリエイティブなデザイン思考を経営に取り入れていく「デザイン経営」といった考え方も見聞きします。長谷川さんは、なぜここまでクリエイティブの重要性が高まっていると感じていますか。

長谷川:クリエイティブ思考がビジネスに直結することは、以前から感じていました。新規事業を立ち上げるときに、既存の方法でトライしても、想定以上の成果が出ることはあります。ただ、既存の面白いアイデアに対して、あたらしいユニークな発想力が掛け合わさったときに、よりよいものが生まれると考えています。自分たちがいる業界・業種の領域の中から見ているだけではできないことを、クリエイティブによってジャンプさせ、発想力豊かに創れるようになることが、クリエイティブが求められている理由だと思いますね。

まさにこれからの時代、経営にもデザイン思考が必要になっていくと感じています。組織を運営していくこと自体もデザイン思考で考えていく。縦割りで部門化するのではなくて、組織を一体としてデザインしていくようなイメージですね。これがなかなか難しいのですが…(笑)。


インタラクティブデザインUnit 長谷川 朝則


―ありがとうございます。アイレップとしてもクリエイティブに一層力をいれるようになった背景について、湯浅さんはどう感じていますか。

湯浅:アイレップがクリエイティブに力を入れるようになったターニングポイントはふたつあると感じています。

ひとつ目は、クライアント企業が広告宣伝費やマーケティングの予算をデジタルにシフトさせる流れが加速したことで、デジタル広告そのものの重要性が高まり、広告施策の幅が広がったこと。ふたつ目は、テクノロジーによる自動化が進む広告配信設計において、最も大きな可変要素であるクリエイティブの重要度が増していること。このふたつの結果、「最後に大事になるのはクリエイティブ」という思考プロセスになっていったと感じます。

―時代の変化をあらためて感じましたが、この数年間の大きな変化や、アイレップができるようになった事業領域の幅について教えてください。

湯浅:10年前と圧倒的に違うのは、誰に対して、何を狙ってクリエイティブを見せていくかの観点での配信技術の進化です。10年前は、キーワードを検索してくれたユーザーに対して広告を出したり、一度Webサイトを見たユーザーにバナー広告や動画広告を見せたりする「ダイレクトレスポンス広告」が主流にありました。それがここ数年で、媒体側のテクノロジーの発展があり、今まで商品と全く接点がない、自分から検索や情報収集をしない潜在層のユーザーにも、精緻にターゲティングして広告を見せることができるようになりました。つまり「誰にどのような広告を見せるのか」の「誰に」の幅が圧倒的に広がりました。

そのため、われわれもクリエイティブの企画性をチューニングする必要がでてきたり、媒体側でも、例えばバナー広告やLPだけでなく、動画広告なども見せたりする必要がでてきました。社会全体に、広くクリエイティブを提供していくニーズが高まったと感じています。

―広告を見る手段が増えたのもありますが、広告へのニーズの高まりにアイレップとしても対応できるように変化してきたのですね。

クリエイティブを科学する

―アイレップのクリエイティブについて、長谷川さんはどのような特徴があると感じていますか。

長谷川:まず価値の源泉になるのは、クリエイティブの運用ができることです。生活者に認知してもらってどうだったか、興味・関心をひいてどうだったか、運用でクリエイティブの成果は数値化できるので、ユーザーの獲得というゴールから逆算した設計ができます。

―アイレップのクリエイティブ職には、生活者とのコミュニケーションを一気通貫で設計できるポジションがあるということですよね。

長谷川:その通りです。クリエイティブの領域は、これまで「聖域」的な部分で、あまりクライアント企業が入り込めない領域でした。クライアント企業としては、発注したもののその先の工程や成果が目に見えないことが多かったのです。例えば制作サイドにどんなディレクターがいて、どんな工程で制作が進められているのかなど、横から口を出せない雰囲気がありました。

そんな中で、アイレップは「クリエイティブを科学する」というミッションを掲げ、制作のフェーズを分解することでクライアント企業との共通言語を持つことができるようにしました。例えば、AIやデータ、バーチャルプロダクションといった要素を組み込むことで、クライアント企業と一緒に制作物を作ったり、広告配信前にAIに成果判定をしてもらったりできるようになりました。

―ありがとうございます。湯浅さんの運用サイドから見たアイレップの強みを教えてほしいです。

湯浅:ひとつは結果に対して逐一それを振り返ること、もうひとつは改善し続けることです。このふたつはアイレップが大切にしている強みですし、クライアント企業や社会から求められていることですね。

デジタルマーケティングエージェンシーとしてクライアント企業に向き合う中で、広告成果は常に目に留まります。デジタルでは、広告やクリエイティブの結果の善し悪しが一目でわかります。またそれらを見た生活者やユーザーがどんな感情を持っていて、なぜその広告が人の心を動かせたのか、あるいは心を動かせなかったのか、それらの要因は何かを数字をもとに考察し、次のアクションにつなげることができます。これらは「クリエイティブを科学する」上で重要な向き合い方ですし、アイレップならではの求められている要素です。また、広告を運用する中で蓄積してきたノウハウを掛け合わせて応用することができることも強みとなっています。

―「クリエイティブを科学する」ことを実現することで、クライアント企業や社会に対してどういった価値を提供しているのでしょうか。また、なぜアイレップがそこまで「科学する」ことを大切にしているのでしょうか。

長谷川:よくクリエイティブは「アート」だと思われていることがあるのですが、「アート」だけだと人によって見方が違ってきます。ですから、クライアント企業に対して、「アート」の要素にデータといった「サイエンス」を掛け合わせることが「クリエイティブを科学する」という概念だと説明しています。それがないと、誰かの主観や感覚だけでクリエイティブの善し悪しが判断されてしまいますしね。結果をデータや数値でしっかり可視化して判断することが、「クリエイティブを科学する」ことの意義だと思います。課題となる情報を整理し、データを活用して解決に向けた打ち手を出すことが、我々のクリエイティブです。

湯浅:その「アート」の領域を民主化するために、私たちに何ができるかというと、成果・数字という「手がかり」をクリエイターに与えることだと思っています。例えば有能なクリエイターであれば、数字を使った発想ですら頭の中で自然にできるかもしれない。ですが、適切な人に適切なメッセージを適切なタイミングで届けるためには、プロセスを作る中でさまざまな要因を数字で可視化することが、大きな手がかりになると思っています。


クリエイティブUnit 湯浅 直人


―実際にアイレップのクリエイティブは、クライアント企業からどう評価されていると感じますか。

湯浅:デジタルシフトが進む中で、クライアント企業の担当者は今までよりもマーケティング活動における細かな数字を追いかけることを求められるようになりました。そのような状況で、我々がクリエイティブ担当者として数値にもとづいた説明責任を果たせていることは、クライアント企業から評価いただけている点だと思います。例えば、たまたま単発のクリエイティブがヒットして成果が出たとしても、その成果に至った具体的な背景や数値的な根拠を持ち合わせないままでは、再現性がないですからね。

アート×サイエンス

―とはいえ、例えば美大・芸大出身などでアートにおけるバッググラウンドを強く持っている方の中には、データやサイエンスのようなアプローチには抵抗感や窮屈感を感じる方もいるのかなと思います。おふたりは実際に働く中で、そういった悩みに直面することはありますか。

長谷川:僕らが手がけるクリエイティブは、アート作品のように一度作ったら終わりじゃないし、かといって、大量に同じ作品を量産するものでもないです。だからこそ、手がけたクリエイティブがその後どうなったのか、可視化された結果を知ることは大切です。

結果を知ることで、次のクリエイティブのアイデアが生まれます。また、我々のパーパス(※2)に「発明」という言葉が入っていますが、クリエイティブはまさに発明でもあるので、その挑戦をしていくうえで大事な要素だと捉えてほしいですね。

※2 アイレップは2022年11月に25周年を迎え、新たにパーパスを策定しました!https://www.irep.co.jp/company/policy/

湯浅:実は、僕も最初は数字や分析が得意なタイプではなくて…(笑)。でも、やっていく中で感じたのは、全部が全部数字にしばられるような窮屈感を抱く必要はなくて、どちらかというと、数字を手がかり・ヒントにしていってほしいということです。

仕事をする中で、生活者に情報を届けるために自由に発想していくことはいいのですが、その時にいろんな方向にアイデアのベクトルが向くんですよね。そのベクトルが、実は正解と違う方向に向いていることがあって、そのベクトルを起動修正するために数字を活用していく、というイメージが持てると良い気がしています。

―データがむしろクリエイティブを手助けするものになるということですね。ちなみにおふたりが業務に携わる中で、どのようなときに達成感や仕事の面白さを感じていますか。

湯浅:僕は、成果を数字でダイレクトに可視化できたときにモチベーションを感じます。例えば、クライアント企業や社内の方から、なんとなく成果を褒められたものの、生活者にどのような影響を与えたのかまではわからないときって、なんだかモヤモヤするんですよね。成果が数字でわかる瞬間や、生活者についての仮説と結果がマッチしていることを数値的な根拠をもとに振り返られたときに、達成感を感じますね。

長谷川:クリエイティブを打ち出すときに、自分たちで立てた仮説とその根拠がありますが、それらをもとに実際にアウトプットしたものがどうインパクトを与えたのか、自分の目で見たときに面白さや達成感を感じると思います。アイレップでさまざまな業種の商材に関わって経験を積んでいく中で、自分の中の基準値を高められ、さらに次のステップへとつなげられると思いますし、それが成長の醍醐味になるのではないでしょうか。

―ありがとうございました!後編ではアイレップならではの向き合い方であるフルファネルマーケティングについて詳しく伺います!

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