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「今より一万倍良くなったら…...」株式会社ワールド情報・開発組織の原動力は、想像力と挑戦できる環境

こんにちは!採用担当の新井田です!
本日は、開発トップ宮下のインタビュー記事ご紹介します!

将来SEを目指している方、モノづくりが好きな方、最近就活を通してITに興味を持ち始めた方はぜひご覧ください! 

取材・執筆・編集=株式会社ユニーク[※]


新型ウイルス感染拡大、自動化、先端技術の進歩…...時代は目まぐるしく変わっています。

そうしたなかで、株式会社ワールド情報には、ビジネスや生活の中にある「不」を発見し、解決に向けて挑戦を重ねる開発組織があります。その開発組織のキーパーソンの1人が、取締役副社長 CTOを務める宮下氏。

現在の主要製品を取り扱うに至った経緯や自社製品開発の裏側、そして開発組織において大事にしている姿勢などについて伺いました。

今使っているものの性能が一万倍良くなったときに、なにができるのか


ー海外製品「MobiControl(モビコントロール)」を取り扱うに至るまでには、宮下さんが大きく関わっていると伺いました。

そうです。僕は、元々2003年からPDA(Personal Digital Assistant)関連、ハンディターミナルなどのモバイルに特化した開発を請け負う会社を経営していました。その頃は、モバイル端末が登場してきたりケーブルなしでインターネット上のデータにアクセスできるようになったりし始めた時期です。その流れを見ていて、今後ビジネスの潮目が大きく変わりそうだと思いました。

そうしたなか、もともとお客様の保守で、端末のアプリを更新したい、トラブルが発生したときの状況を把握したいといった業務上のニーズがあり、解決できるツールがないかと海外にも目を向けてツールを探していたところ、面白い製品を作っている会社を見つけました。この時に見つけたのが、MobiControlです。最初は業務に使うことを想定していたのですが、これが非常に興味深い製品で、今後のマーケットにも必要、需要が膨らみそうだと思い、見つけた1ヶ月後に開発会社があるカナダに飛びました。2007年のことだったと思います。

直接現地で開発会社の社長と、製品の話や技術の話などをしていくうちに意気投合し、最終的には日本での販売権を得ることができました。

ー当時、まだ日本では今ほど知られていなかった製品だったと思います。宮下さんからみて、どのあたりに見込みがあると感じたのでしょうか?

まず、遠隔地にある端末の設定の変更、アプリの変更、リモートで直接端末を操作することができたので、業務端末を持っている会社での運用コスト、純粋に手間を確実に省いていけるイメージができていました。例えば、その頃まだ現場で使用している端末は、メンテナンスをする人もまた現場に出向いて、端末の中身を入れ替える作業をしていました。その業務をMobiControlでカバーできると、人件費の面から導入企業側にメリットがあるのでは明らかじゃないですか。さらに、現場で扱っている端末が多ければ多いほど、ビジネスとしての可能性も膨らみます。時期的なものもあるのですが、iPhoneが出る少し前からサービスを開始し、iPhone, Androidが出たときには、確実に会社が使う携帯電話の置換え、その際のセキュリティ基盤としてのインフラ製品になることを想像していました。

特に日本企業は「安心」「安全」の意識が高いため、MobiControlのような製品は相性が良く、スマホを業務内で使う場合の必要不可欠なものになる!......と考えていました。

そうは言っても、実際はなかなか花が開かなかったですけどね(笑)。


ーすぐにうまくいったわけではなかったのですね。

最初の2, 3年はプロモーションに時間とお金をかけられなかったので、認知度がなかなか上がらず…...営業に苦労しました。マーケットのニーズや流れから見て「必ず需要が生まれる時が来る」と確信を持っていたんですけど。

代表の佐武と会ったのもその頃で、僕の想いや行動をみて、こういった人が社会で評価を受けるべき、一緒にできることをやってみようと思ってくれたみたいです。ただ内心は「本当に売れるのか?」と思っていたみたいですね(笑)。

想いやパッションで動く僕と、熱い気持ちを共有しつつ冷静に判断する佐武、という役割分担は今も健在です(笑)。僕は好奇心が強すぎてとりあえずやってみようと何でも踏み込みがちなのですが、佐武と会話し、ビジネスモデルを考えていくことで深く、粒度の高いものに仕上げていくバランスが取れたいいコンビなんじゃないかなと思っています。

ー現在、「MobiControl」を扱う海外ソリューション販売・サポート事業は、貴社事業の大きな柱に成長していると思います。いつ頃から軌道に乗り始めたのでしょうか。

2010年、展示会「Japan IT Week」に出展した頃が契機ですね。大手企業への導入が決まり始めたのを受け、展示会に出展してみたところ、多くの方が興味を持ってくれたんです。遠隔地からでも端末の管理を可能にする製品は日本にまだなかったので、初めて見た方にとってはインパクトも大きかったと思いますね。それからだんだんと導入企業が増えていきました。

コロナ禍でさらに需要が膨らんでいると感じています。

今振り返ると、当時そこに着目したのは、第一に業務上で端末の管理、更新に困っていたからということも背景にありました。

ー普段から製品や周囲の情報収集を行っているのですか?

考えてるというより、なんとなく気になるんです。「もっとこうだったら便利なのに…」「もっと楽にできないのかなあ…」と。たぶん、めんどうくさがりなんでしょうね。そこから気になったものは本やニュースで調べたり、気づいたことはメモしたりしています。アイデアって0から作り出すことは少なくて、知っている情報の組み合わせ方、重ね方だと思うんですよね。そのため、ニュースを見るにしてもいつもIT系の新しいことだけということではなく、何でも見る(笑)。 サイエンスの話も物理・宇宙、経済、怪しげなサプリも、本当に雑多な情報に対して幅広く興味を持って雑学を楽しんでいる。その結果、「あ、これ使えそう」という重なりを思いついて、とりあえずやってみる。9割はほぼ使えないけど1割は面白そうな結果がついてくる。深く調べる、楽しくなってくる、パッションがついてくる、この思いつきを佐武やメンバーと話すといった感じで、アイデア出しを進めています。

その上で意識していることといえば、「今、目の前にある製品の性能が一万倍良くなったとしたら、何ができるか」という観点を普段から大事にしています。

例えば、通信速度が速くなるかもしれない。データの読み書きや充電の速度が速くなるかもしれない。その未来では、どのようなことが便利になっていて、どんなことが新しい当たり前になってるか。そんなふうに考えていると、面白い気づきやアイデアに至ることがあって面白いですよ。

おそらく、今私たちが「こうなるかもしれない」と考えていることのほとんどは将来実現していくでしょうね。

こうしたプロセスの中でさまざまな刺激も受けつつ、新しいものを見つけてゴールまで考えること、実際に作られたものがお客様の現場で役に立つこと、一緒に準備してきた導入企業側の担当者がすごく評価されている場面ではやりがいを感じます。

「amie(アミー)」があれば、人はもっと価値を発揮できる


ー自社ソリューション「amie(アミー)」についても伺います。開発の経緯について教えてください。

最初のきっかけは、7,8年前です。IBMが開発したワトソンが「AI」として取り上げられ始めた頃です。アメリカのクイズ番組でAIが人に勝ったというニュースも流れていました。僕はそれを見て、「ただの曖昧検索じゃないのか」と思っていました。さまざまな情報も仕入れましたが、その頃から動いていたAIが(世の中の課題に対して)どんなソリューションになるのか、想像ができなかったんです。自分でも想像力や勘が利く方だと思っていたんですが…...。

「なるほど。そういうことか。IBMの天才は、ここまで考えていたのか」

そう気づいたのが、4,5年前。以前は機械学習の領域で僕の考えがとどまっていたんですが、その後調べてみたらディープラーニングが出てきたのが大きかったですね。人が認識できない特徴量を検出する仕組みで実際は何ができるんだろうと調べているうちに、「これだ!」と感じて今回のソリューション開発をすすめることになりました。

このDLの機能を使うことで、言葉から人がやりたいことを推論する、推論した結果をWeb APIを使って柔軟に外部連携することで、本当に人がすべきこと以外の様々なことをAIやツール連携が補助してくれるような世界も実現できるイメージが湧きました。

「ナイトライダー」ってわかりますか?1982年からアメリカで放送されていた特撮テレビドラマです。そのドラマの中で、人が話しかけると(人が手を触れずに)指定した場所に車が駐車されたりドアが開いたりするシーンがあったんです。その当時は特撮の世界だからこそ実現するものだと思っていた人もいたと思いますが、AIやディープラーニングを活用すればそんなことも本当に実現できてしまうんじゃないかと驚きましたね。

より現実的な業務シーンに置き換えると、業務上使っているカレンダーツールのアカウントとSFA・CRMを連携させることで、人が行っている作業を削減することもできると思います。人の手を動かさずとも、オペレーションのプロセスの中でカレンダーツールに日程が登録されたり、SFA・CRMから一定のパターンや条件に沿ってメールを自動配信することができたり。

ーそれができれば、人が行うべきことにより集中することができますね。

もっというと、今のブラウザでシステムへアクセスするのではなく、LINEやSlackなどのメッセンジャーツールがシステムのインターフェースとなる世の中になりそうだと考えています。このメッセージのやり取りの間でデータの補完を行うアプリとして、チャットボットをターゲットにすることにしました。

まずは、MobiControlを使う中でアラートをslackに送ると管理しているシステムをロックすることもできるんじゃないかと思い、実際に着手し始めました。進めるうちに会話の推論をするためにデータが必要となり、とりあえず弊社のデータを覚えさせてみようと考えました。ある程度の量があるデータのかたまりを探したとき、たまたま目についたのがMobiControlのマニュアル。それを一旦学習させたうえで、文章を作れるか、インプットした文章から推測、推論し、特徴的な部分を引っ張って質問に回答できるか、といったチャレンジをし始めました。1つか2つ具体的な機能にまで落とし込んでみて、未完成ながらも展示会に出展してみたところニーズがあることを確認できたんです。

今振り返れば、ここが自社ソリューション「amie(アミー)」の始まりです。

ーそこが、自社ソリューション「amie(アミー)」の原点というわけですね。

そうです。

営業の場面で例えるなら、本来人が発揮すべき価値は、獲得したアポイントに出向いてヒアリングを行い、様々な情報から適切な次のステップに繋げていくことだと思うんです。一方で、管理するためにはSFA・CRMのようなシステムへの入力もやらなくてはいけない。でもこれって結構な手間で人が本来やらなくてもいい作業なんじゃないかと思っています。

「amie(アミー)」は、そうしたときに本来人が発揮すべき価値が求められる領域以外のことを代わりにできる、補える存在を目指しています。その理想を叶えるためのソリューションとして、まずFAQの前準備をせずに簡単にサポートするための「amie(アミー)」シリーズのヘルプbotが展開されています。

ー自社ソリューション開発の裏側では、具体的にどんな技術を扱っているのでしょうか?

今、開発場面で主に触れているものは機械学習、深層学習系の技術。「テキストマイニング技術」を使っていますが、もう少し拡張して文脈検索系…...具体的には超大規模言語モデルやGoogleの「BERT」、OpenAIが出している「GPT-3」など大きな言語系のデータを使い、推論の精度を上げていくことをおこなっています。

これらの分野の新しい論文を読んでいて使えそうな技術・アイデアがあれば、うちの開発チームに渡しています。そこで、「こういう理由で使えません」「おもしろそうだけど、これくらい時間がかかります。どうしますか?」「これは有効なので、すぐに取り入れてみましょう」といったやりとりをしています。

ー新製品の開発過程には、多くの壁を超えていくプロセスがあると想像できます。どのように乗り越えているのでしょうか?

一言で言うと、正面突破しようとしているから壁になっているだけで、「横にドアがあることもあるじゃないか」という感覚で向き合っています。もっというと、あまりディテールにこだわりすぎず、目的の達成を最優先にして、達成までに必要なステップの数やアプローチ方法や柔軟に考えるようにしているんです。

技術的なブレイクスルーが必要な場面は少なくないですが、偏ったこだわりを持たず、様々な可能性と方法を用いて取り組んでいます。

無駄に見えるものも全て経験し、吸収すると好きが見えてくる


ーこれまで伺っていると、幅広くインプット・経験ができ、エンジニアとしてチャレンジできる場面も多くある会社だと感じました。

そうですね。自由な発想を持ってチャレンジできる環境があるのは、うちの特徴だと思います。その上で、新卒で入社したばかりのメンバーによく伝えることがあります。

「自分にやってくる全てのことから吸収したほうがいい」

もちろん、目の前のことを無駄だと判断して取捨選択するのは個人の自由です。ただ、そこで無駄かどうか考え、判断するためにエネルギー使うくらいなら全部吸収したほうがいいということを伝えたいんです。

たとえ無駄だと感じる場面があったとしても、何か理由があるからやっている、頼まれているわけです。そうした場面では、その背景や意図を想像し、周囲に質問もしながら、今目の前にあるポジティブなこと、ネガティブなこと、どちらとも判断できないこと…その全てを全部吸収し、アウトプットできるようにしていくことが大事だと思います。

自分の好きなことやできることは、その積み重ねによって次第に見えてくるものなんじゃないでしょうか。

新しいアイデアは、全く0から生まれるものは少なくて、すでに世の中にあるものの新しい組み合わせがほとんどなので、まずは組み合わせのもととなる「点」を増やさないと繋がりを作れない、だからこそ全部飲み込むくらいが丁度いいと思っています。

ーワールド情報には、未経験からエンジニアとして入社する人も少なくないですよね。

そうですね。学生時代の開発経験はゼロ、もしくは少しだけ開発経験がある人が入社することが多いんです。

そうすると新卒1年目は自分たちが知らないことばかりなので、必死にもがきながらも吸収して少しずつできるようになる。そのあと、努力と経験を積んで自分自身ができる範囲を広げていくと、2,3年目あたりで自分がある程度開発できるなといった感覚になることがあります。これは、「あるある」と言ってもいいくらいに多くの人が陥る感覚でしょう。

多くの人が、数年後には「できるようになった気で、昔は恥ずかしいことを言っていたな」と思いがちなんですが、一緒に働くメンバーにはどんな場面でも貪欲に吸収していく姿勢を忘れずに持っていて欲しいと願っています。

弊社では、自社ソリューション開発からお客様向けシステム開発まで幅広く行なっているため、Pythonや機械学習、ディープラーニング、Java、Ruby、PHP…吸収しようと思えば学べることは尽きないと思いますよ。この環境を活かし、多様な切り口から吸収し、活躍してもらえたら嬉しいです。

僕自身も、色々と吸収してきて今があります。新卒で入った会社、アメリカンドリームを追い求めて訪れたアメリカで知り合った現地の経営者、弊社を一緒に立ち上げた佐武…ここで挙げきれないほど多くの方から影響を受け、学んできました。


ーワールド情報を選んだ社員の成長を本気で願う宮下さんの気持ちが伝わってきます。

正直、僕自身はマネージメントされたくないと思う側の人間です。言われたことをタスクとしてこなす仕事には楽しさを見出せないんです。

だからこそ、僕は社員に対して「目的を伝えたらあとは自由にやっていい。でも、こういうところだけ守ろうね」という仕事の渡し方をするように心がけています。意識としては目的を正しく理解して、それに対してのアプローチやベストな方法を自分たちで考えて進めるための訓練だと考えています。

考えた結果のレビュー時に、私やGMの考えに近い場合はどんどん裁量を増やしていく、逆にまだ浅いなと思ったら、もっと考えてもらう。繰り返しこういった思考をすることで考える力が身についていくんじゃないかな。そうすると仕事が楽しくなってくるんじゃないかなと思っています。

こうしたコミュニケーションを通して、自分の経験や想像を裏切るようなメンバーの成長が見えると嬉しいですね。

編集者のひとこと

「今より一万倍良くなったら…...」

たった一言でこれほど想像力を掻き立てられるのか。

取材後、もっとも心に残った感覚でした。

さらに、想像力を掻き立てられる環境に加え、生まれるアイデアを実現しようとする挑戦を受け入れてくれる環境があることもまた、同社の特徴であると感じました。

多様な切り口、機会から成長と挑戦の機会を得られる環境に興味をお持ちになった方がいれば、ぜひ気軽に問い合わせてみてはいかがでしょうか。
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[※]株式会社ユニークは、コミュニティメディア運営(https://u-29.com/ )を主軸に、コンテンツ企画・制作・SNS・WEBマーケティング等を幅広く支援している企業です。

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