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werollで働くとは?Case 09. 大村直之 シニアマネージャー

「長く勤めた映像・映画の仕事を辞めて、『もう映画はいいや』と思っていたんですが、もし浅野さんのビジョンを実現するために自分ができることがあればやりたい。私がジョインすることで、映画関係の事業が立ち上がっていくなら面白いんじゃないかと考えたんです」

——20代の頃に映像業界に飛び込み、大手エンタメ企業時代にはプロデューサーとして、日本映画の制作を手がけてきた大村さん。一度は諦めかけた映像制作の仕事ですが、werollでは広告運用という立場から、再び映画に携わっています。これまでの経験や、werollにジョインしたきっかけ、映画業界出身者として社内で担っている役割などについてお聞きしました。

浅野さんは現実味をおびたしっかりしたビジョンをお持ちで、説得力を感じたので、ついていくことに決めました

———大村さんは、以前は映像業界で働いていたそうですね。その頃の経験について教えてください。

映像業界でのキャリアがスタートしたのは、26歳くらいの頃でした。東京のCMやテレビの制作会社の人に誘われて、ADになるために地元の宮城県・仙台市から上京したんです。その後はフリーランスになって、MVやCM制作の仕事を転々としました。そんなあるとき、もともと映画やドキュメンタリーが好きだったことから、映画関連の仕事の紹介を受けて、大手エンタメ系企業に入社。映画事業を担う部署で、自主映画監督の劇場デビューをサポートするプロジェクトに、プロデューサーとして携わりました。企画から公開、海外映画祭への出展、DVDなどのパッケージ化まで、一連のプロセスに関わって。在籍中には劇場公開映画5作品と、文化庁助成の短編映画などを手がけました。だから、映画の作り方、そしてそれが世に出るところまでは、ほとんど理解していると思います。
だけど同時に、働くなかで、邦画業界の“先行き不透明感”を思い知りました。配信が一般的になってきた現在でも、劇場での興行が映画における収益のベースになっていることに変わりはないですが、邦画においてはほとんどの作品が興行で苦戦する状況を打破できていない。それは私が関わった作品でも同じでした。そんな状態だったので、担当していた劇場公開映画の制作プロジェクトにも継続困難の話が出たんです。
それまで、ずっと「映画製作が人生の目的」というふうに思っていましたが、いよいよ邦画に未来が見出せなくなってきて。次の生き方を模索しないといけない時期にきていると感じました。そう考えたときに、寝ても覚めても仕事ばかりの環境を変えたいという思いもあって、映画や映像業界でのキャリアに区切りをつけて、安定した仕事をすることにしたんです。

———「安定した仕事」というお話が出ましたが、映画・映像業界を離れたあとは、何をされていたんですか?

転職をして、IT系企業に勤めていました。初めは業務委託というかたちで大手の通信・IT会社の子会社で働き、その後グループ内で何度か移動をしたあと、最終的に親会社で出向社員として勤務していました。IT業界はまったくの未経験だったんですが、初めに入社した企業では、テレビなどの映像に関連した業務もあって。それまでの経験がある程度活かせたので、別業界でのスタートとしてはわりとスムーズだったと思います。映像に詳しいことを強みにしながら、ITの勉強もできる、みたいな。ITといっても、werollでやっている広告やWebサイトの運営とかとは違う領域でしたが、それでも近しい知識を前職のときに得られたことで、今の仕事ができています。

———浅野さん(※1)、そしてwerollとの出会いについて聞かせてください。

浅野さんと出会ったのは、前職のIT企業にいたときのことです。私が当時担当していたプロジェクトに、別会社としてジョインされていたんです。浅野さんのほかに恒松さん(※2)もいて、その時に2人と知り合いました。それが5〜6年くらい前かな。特に浅野さんとは、仕事以外でのコミュニケーションが出会った当初から多くて。何かって言うと、好きなファッションとか音楽、アート、それに映画みたいな、いわゆるカルチャーについての会話。仕事の話はほとんどしていなかったくらいの感じでした。それですっかり意気投合したんです。だから、それからは仕事仲間というよりは友人関係というような感じで、たまに飲みに行ったりしていました。もちろん、werollを設立したことも本人から聞いていて、「こういうプロジェクトを今度会社でやるんです」みたいな話を随時教えてくれていたんです。私はもともと、自分から積極的にコミュニケーションをとるタイプじゃないんですが、その分浅野さんが気にかけて、忙しいなかでもこまめに連絡してくれていました。
そういう付き合いが続いていて、ちょうど会社を辞めたタイミングで、浅野さんが「これから会社を大きくしていくとなったときに、映画の事業も含めて手広くやっていきたい」とおっしゃって。「だから、大村さんと一緒にできたらいいよね」みたいな話を持ちかけられたんです。初めは、浅野さんの会社で働くことなんて全然考えていなかったんですけど、2人でいろいろと意見交換をしているうちに、気づいたら入社していました(笑)。でも、入社を決めた理由としては、浅野さんのビジョンに共感したことが一番大きかったかもしれません。浅野さんはすごく明確なビジョンをもっていて、しかもそのビジョンには確実性があるように感じました。長く勤めた映像・映画の仕事を辞めて、「もう映画はいいや」と思っていたんですが、もし浅野さんのビジョンを実現するために自分ができることがあればやりたい。私がジョインすることで、映画関係の事業が立ち上がっていくなら面白いんじゃないかと考えたんです。だから、それ以外の広告だったりマーケティングだったりの話は、実は一切していなくて。具体的に自分がどんなポジションになるかっていうところも、正直入社する直前までよくわかっていなかったんです(笑)。それでも、浅野さんがビジネスとしてやりたいことに興味・関心がありましたし、現実味をおびたしっかりしたビジョンをお持ちで、説得力を感じたので、ついていくことに決めました。

(※1)浅野雄介(あさの ゆうすけ)。weroll Inc.代表取締役CEO。HOUYHNHNMやEYESCREAMなどのライフスタイル雑誌/Webマガジンの編集者を務めたのち、AmazonのWebプロデューサーに転身。その後独立し、weroll Inc.を設立した。
(※2)恒松毅宥(つねまつ たかひろ)。weroll Inc.取締役CMO。詳しくはWantedly ストーリー『werollで働くとは? Case 06. 恒松 毅宥 取締役CMO』(https://www.wantedly.com/companies/weroll/post_articles/411164)をご覧ください。

———入社前に浅野さんから聞いていた話のなかで、特に可能性を感じたビジョンやプロジェクトはどんなものでしたか?

それこそ、K2(※3)の話は可能性があって面白いと思いましたし、印象に残っています。weroll単体の話ではないですが、Incline(※4)という会社に参画をすることで、さまざまなネットワークができて、各社がもっているリソースが結合していって、しっかり映画館が成立していますよね。これに関しては、聞いていた話が、本当にその通りになったというふうに感じています。

(※3)2022年1月に、東京・下北沢に設立されたミニシアター。演劇、音楽、飲み文化などのカルチャーが根づく下北沢で、それぞれの文化の結節点となるべく生まれた。
(※4)werollを含む共同運営5社からなるクリエイティブ・ファーム。werollの共同代表である北原豪が役員を務める。

映画について理解している身として、広告の面でサポートして映画作品を成功させることっていうのが、私の存在価値のひとつだと思っています。

———大村さんは普段、どんな業務をされているんですか。

weroll Adsのマネージャーとして、ほとんどの案件を統括、管理しています。仕事をしていて、werollの独自性だと感じるのは、デジタル広告の案件のなかで映画の広告が占める割合が大きいということです。マーケティングの会社としてはちょっと変わっていて、これもInclineに参加することで、映画制作・宣伝配給にかなり近い立場を築けている証拠だと思います。過去にも、黒澤清監督の『スパイの妻』や、濱口竜介監督作品の制作の一部にかかわっただけでなく、werollで広告も担当しました。映画について理解している身として、広告の面でサポートして映画作品を成功させることっていうのが、私の存在価値のひとつだと思っています。デジタル広告、特にInstagramとかTwitterとかのSNS広告自体は、映画業界でもよく使われていて、運用を担当している業者もたくさんありますが、他のどこよりも、映画に対しての理解を広告として展開できる会社じゃないといけない。ただ広告を打つだけでなくて、価値を高める会社でいないといけないというふうに考えています。
個人的な仕事の話をもう少しすると、チームの動きを全体的に把握する立場として、スケジュール管理は徹底していますね。weroll Adsでは、基本的に案件ごとに主担当が決まっていて、個々の案件をそれぞれのメンバーがやっています。その分、自分たちの仕事だけに集中して、視野が狭くなりがちです。だから、それぞれの案件がスケジュール通りに進んでいるか、クライアントが置き去りになっていないか、というように、横断的に物事を見ることができる人が必要で、それがマネージャーに課せられた役割。案件の規模感を含めて、ハンドリングないしスケジューリングして、やるべきことを落とさないようにするだとか、クライアントワークとして何が足りないかに気づくだとかっていうのが、私のポジションに求められていることだと思います。
それと、全体を見ていくうえでは、話し合いが大事なので、チームのみんなとは密に連絡をとっています。リアルで会えない日も多いですが、通話やオンラインミーティング、コミュニケーションツールなどを使って、頻繁に会話をしているので、そのあたりのロスや不全感はまったくありません。

———大村さんはweroll Adsチームのマネージャーをされていますが、同時に、映画制作に携わってきた立場として、werollのカルチャー面を引っ張っていく存在でもあります。そうしたポジションで、これからの目標はありますか?

werollのメンバーには若い人が多くて、そういう若い世代はあまり映画を観ない層でもあるので、まずは社内のみんなに映画、特に邦画に興味をもってもらうことが目標です。そして、実はこれは、エンタメ会社で映画を作っていたときにやっていたことの、再チャレンジだったりするんです。邦画、特に単館系の作品は、大体封切り2週間から1ヶ月の期間、都内で劇場公開され、その間にどれくらいの興行収入をあげられたかで、その後の地方などでの公開館数や巡業スケジュールが見えてきます。だから、短期間での興行収入っていうのが、ほとんどイコールでその作品の成績になってしまう。つまり、映画は基本的に、映画館で観てもらわないとペイが難しいシステムなんです。それが映画業界の現状としてあって、そんななか若者向けに作られた映画を、ちゃんとターゲットに届けて、映画館で観てもらうための取り組みを、プロデューサー時代は一生懸命にやっていました。若い人に人気の俳優をキャスティングするだとか、映画祭の情報発信の仕方や劇場公開のポスターのクリエイティブを工夫するだとか。あとは、舞台挨拶のときに出演者の撮影をOKにして、来場者に拡散してもらったり。若い人をひっかけるためのフックみたいなものを、常々考えていました。
だけど、思うように結果が出なかった。当時は「もうダメじゃん」と打ちひしがれていましたが、ある意味でリベンジの機会が、今になって回ってきたという感じです。
社員が映画を観ない、特に邦画を観ないっていう状況を変えられたら、その結果が、これからweroll Adsで運用する広告のヒントになる部分もあると思います。まったく興味とか関心がない人たちに、そのカルチャーを展開することの難しさっていうのを映画の仕事をしているときに実感して。改めて「werollのメンバー」っていうペルソナがはっきりしているうえで、映画館に足を運んでもらったり、カルチャーに興味をもってもらったりするための正解を探すのが、今後の課題だと思います。自社でも映画の事業をやっているし、これからもいろいろな案件が控えている以上、必要なことなんじゃないかな。

werollの一番の特徴は、メンバーが若いこと。それだけその人たちの立場が認められていて、意見が通りやすい風土があるんだと思います。

———werollにジョインして感じた、社内のいいところや特徴を教えてください。

まず一番の特徴は、メンバーが若いことだと思います。社員のなかでは、40代の私と藤井さん(※5)が最年長。若い人たちが中心に活躍している会社です。それってどういうことかというと、一般的な年功序列の企業とはまったく違うってことです。どれだけ社会がフラットになってきたとはいえ、大半の企業はまだ年功序列の組織ですよね。そういう社会のなかで若い人が元気でいられる企業っていうのは、それだけその人たちの立場が認められていて、意見が通りやすい風土があるんだと思います。よくある表現を使うと、働きやすい会社ということ。そういう意味でwerollはいい会社だと思いますね。それと、浅野さんはじめ、北原さん、恒松さんたち経営層は、押しつけるかたちの仕事はしていないはずです。そういう会社は結構珍しいと思います。社員の自立性というのを大事にしてくれているというか。むしろ、自立していないとこの会社では働けないと感じます。
私が以前勤めていた映像業界は、いわゆるプロの世界で、年齢は関係ありませんでした。20代でも自分の名前で食べていける人がたくさんいるんです。一方で50代〜60代でも、中途で入社してくる技術の方がいたりもして。そんなふうに、年齢関係なく実力勝負の世界で働いてきたので、今でも一緒に仕事をするメンバーを年齢で見るようなことはしていません。実際、werollには若くても私よりも業界経験があったり、実力がある人もたくさんいると思うので。私は、年齢問わず相手の仕事ぶりをリスペクトするように心がけていますし、会社としてもそういう環境があって、若い人たち自身もプライドをもって働いている。他の会社にはない特徴だと思いますし、私としてはやりやすいですね。ただ、逆に年下のメンバーが私に気をつかって働きにくくなっていないか、という懸念はありますが(笑)。

(※5)藤井大志(ふじい たいし)。詳しくはWantedly ストーリー『werollで働くとは? Case 05. 藤井大志 セールスディレクター』(https://www.wantedly.com/companies/weroll/post_articles/407685)をご覧ください。

———最後に、werollへのジョインを検討している方にメッセージを。

仕事を自分ごととして考えられる人、「一人称」で業務を任せられる人にぜひジョインしていただきたいです。現在、weroll Adsではディレクターを募集中。運用オペレーティングからクライアントフェンシングまで、スタンドアロンで案件を進行できる方を求めています。
werollには、上司・部下関係なく、対等に向き合ってフラットに意見を出し合える環境があります。私たちが一番大切にしているのは、社内の上下関係でも、言ってしまえばクライアントでもなくて、クライアントの先にいるお客様、エンドユーザーの方々です。クライアントと同じ事業者の視点で、サービスや商品を、ユーザーにとって価値があるものにするためにはどうすればいいかを考える。そうした意識をチームで共有して、それぞれが当事者意識をもって業務にあたり、日々意見を交換しています。だから、今後werollのメンバーになる方にも、尻込みせずにどんどん自分のアイデアを提案していってほしいです。
werollはまだまだ成長途上。これから、映画関連の事業も含めて、新しいプロジェクトが展開していきます。一緒に会社を盛り上げてくれる方のジョインをお待ちしています!

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