〜 May the “Growth” be with you 〜
werollが大切にしているのは、「企業のグロースを叶えること」。意味のあるビジネスが、価値を創造し、世の中をよくするプロセスに立ち合いたい。成果を得られなくて価値を創造できないビジネスやクリエイティブがあるのなら、届けるための伝え方も、手法もツールも使いこなしてきたwerollが力になりたい。
werollの創業クロストーク連載《(how)we "roll" 》。ここでは、浅野雄介と北原豪、2人の共同代表がさまざまな視点で「ビジネスグロースのために考えていること」を語り合います。今回は、セッションテーマ「vision」のVol.01とVol.02に続き、Vol.03をお届け。
これまでに語られてきたのは、マーケティングは「手段」、ビジネスグロースは「目的」であるということ。つまり、今後さらに必要になるのは「マーケター的知見を備え、ビジネスをプロデュースするクリエイティブ・マインドでは?」とwerollは考えています。そしてその根底には、日本の企業文化に対する危機感もある。
日本のビジネスでは、「横並び」「海外のビジネスモデルの焼き直し」という正攻法に止まることが少なくない。売れたものを売れたやり方で売る。それでいいのか? という疑問を払拭できないのだ。それをよしとすれば、意味のあるビジネスに価値を見出そうとする企業文化は、薄まっていくだろう。語弊をおそれなければ、金の成る木ではなく、創造的な文化の種に水を注ぎたい。そうでもしなければ、日本はグローバルを相手に遅れを取り戻せないまま、終わってしまわないか? と疑問を抱かずにはいられないのだ。
「もっとおもしろい未来を描きたいと考えている」「今の日本の企業文化への危機感を抱いている」Wantedlyユーザーと共有したい、werollの想いがあります。
目次
01 二番煎じでいいのか? 実直にグロースを生むビジネスプロデューサーが必要
02 ビジネスプロデュースに、もっとクリエイティブを
03 GAFAの担当者をハックする。Amazon出身の代表がシェアするwerollのノウハウ
04 グローバルな視野で、“これからの企業文化”を想像しよう
本記事からあなたが得られること
weroll共同代表の浅野雄介と北原豪の企業グロースへの想い
werollが考える日本のデジタルマーケティングの課題
デジタルマーケティング領域における“ビジネスプロデューサー”の必要性
ビジネスにおけるクリエイティブ・ドリブンの可能性
werollの事業領域やポジション、Amazon出身の浅野のノウハウ
01 二番煎じでいいのか? 実直にグロースを生むビジネスプロデューサーが必要
浅野雄介(以下、浅野):2019年にwerollをスタートさせて、今年で4年目。Vol.02でも話してきたように、マーケティングとクリエイティブの両輪で緻密なPDCAを繰り返し、さまざまなビジネスグロースを支援してきました。ありがたいことに3期連続で180%の事業成長を達成し、受注過多状態。規模も拡大しています。
北原豪(以下、北原):濱口竜介監督の映画『偶然と想像』をはじめとする、映画興行のデジタルマーケティング支援も際立ってきましたね。Inclineが配給、werollがデジタル広告を担っていて、着実に成果を上げられています。
浅野:これから先のさらなる業務拡大を見据えて、デジタルマーケティングの運用をリードしてくれる20〜40代の新しいメンバーに参加してもらい、もっと良い仕事をしていきたい。相応の知見が求められますが、werollは失敗を恐れずにやってみるマインドを大切にしているので、僕らのノウハウを活かして実践する良い経験を共有できるはず。
スタートして日が浅いwerollですが、コンサルテーションから入って、チームで確実な成果を上げるノウハウが蓄積されていて。そういう部分でいうと、「戦略系コンサル × ITベンダー × 広告代理店」のような、普通のベンチャーともSlerとも異なるポジションをとれています。
なので、マーケだけ、システム開発だけといった業務単位でのクライアントワークをやっている人たちからよく聞く「これ何のためにやってるんだっけ?」みたいな虚無感はなくて。
北原:もちろん、さまざまな役割の人と協調して働くという意味では分業なんだけど、ビジネスという土台から組み立てた分業だから、きちんとコンテキストをもてる。だからwerollメンバーはみんな自覚的だし、だからこそクライアントのビジネスを自分事にして、いろんなトライアルを実践するポジションが経験できる。これがwerollに参加する面白さだと思います。
浅野:実は、もう必要以上にマーケターという言葉を使わないようにしていて。もちろん、マーケティングスキル自体は欠かせませんが、「どうビジネスを演出してグロースを最大化するか」というビジネスプロデュースの視点が、より大切だと思っています。
…それこそ、これから貨幣経済、金銭価値の時代は終わっていく。もうすでにいくらお金を払っても頼めないサービスやお店なんかもありますよね。会員制の日本料理店〈たかむら〉とか、紹介制の寿司店〈小松弥助〉とか。デザインワークなんかのクリエイションもそう。これからは「自分に何ができるか」という価値が、ますます対価(信用)になっていく。
北原:世界的には投資先を求めている状態で、二極化がすごくて。投資されない事業も多いけど、価値あるものには投資が殺到してる。だから、これからは「クオリティ × パーパスの世界」だと思う。その点werollは、希少価値の高いポジションで、網羅的にビジネスグロース支援に携わっているから、ポジティブで能動的に働けるんじゃないかな。
浅野:それでいうと、ここ数年スタートアップ界隈の動向を見てきて、どうしても投資対象が「海外で当たったサービスを日本でも展開します」みたいなほうに集まりがちなんですよね。これってある意味では当然のことではあって。投資家としては確実性が高いから。
でも、これからは、野のものとも、山のものとも、海のものとも、わからないみたいなもの、つまりビジョンへの共感で投資される状態にならないとダメなんじゃないか? と思うんです。そうしないと、もう、次の面白いビジネスは生まれない気がしていて。
北原:二番煎じでいいのか?って話だよね。そういう企業文化を変えていかないと、日本が世界の下請け業者みたいな状態は、この先も変わらないのかも。でも絶対日本はそんなものじゃないと思ってる。
浅野:そうですね。だからこそwerollの場合、海外拠点のテック企業との連携や、グローバル展開する企業のビジネスコンサルなんかにも参入しはじめています。グローバルな視野で日本の企業文化にカウンターを与えるような実績をつくっていきたいですね。
02 ビジネスプロデュースに、もっとクリエイティブを
北原:デジタルマーケティング領域だけでなく、下北沢のミニシアターK2、5社共同のクリエイティブファームで映画製作や配給からクラウドサービスまで行うIncline、クライミングジムROCKLANDSなど、身内のいろいろな事業に参加できるというのも、werollの面白いところかな。
浅野:全般的に、しっかりと“事業化として成り立たせていくこと”、“クリエイティブでみせていくこと”は意識していますよね。
ただ正直なところ、デジタルマーケティング領域の採用では、クライアントの規模や年収で比べる人も少なくないと思うんです。もちろん、僕らも大きな案件だと気分もモチベーションも上がるし、そういった側面があるのも間違いないけれど、大切なのは「規模の大小は関わらず、意味のあるビジネスで、適切に価値を届けて、グロースさせる」という僕らのrole(役割)ですよね。
北原:だから、採用広告でよくある人の不遇や不安を煽るネガティブなアプローチには興味がない。それよりポジティブなビジョンで共感できる人と一緒に働きたい。werollはそもそも付加価値の高いビジネスをしているので、しっかり稼いでいるのは前提だと思っています。そうなると多少の金額の多寡って、ハピネス指数というものが仮にあるとしたら(笑)、そこに跳ねて来ないんですよね。
浅野:そして、クリエイティブ・ドリブンが、僕らの試みのひとつ。ビジネスにおける表現は、最新がナラティブで、その先のことはまだ誰にもわからない。Amazonも最新がナラティブですよね。そこをもっとグラフィックや写真の表現で、適切に価値を届けるアプローチへ更新できないだろうかと考えています。werollという会社自体も、リブランディングをはじめたところです。アートディレクターはHIROCKさんにお願いしていて。言語だけでは伝えきれない価値やコンセプトが一目でわかる、クリエイティブの表現が、日本の企業文化をもっと面白くするんじゃないかと模索しています。
werollの事業内容
それぞれの事業に明確なコンセプトとネームを設定。
werollの多角的な事業をブランド化して展開していきます。
(また、映画配給やミニシアターの運営などを手がける
アートファンドInclineのデジタルマーケティングも担当)
weroll one
One for All , All for One.
リソース支援もコンサルティングもオールインワン。統合型のマーケティングサービス。
weroll Ads
Advertising for Everyone.
広告クリエイティブにかかる費用もオール・インクルーシブ。PDCAに特化した広告サービス。
weroll Productions
RE:edit , Culture and Growth.
地方のスモールショップから街の中華屋さんまで。カルチャーと価値を再編集します。
Poolside
Enjoy Your Private Life.
仕事のマッチングや遊びを中心とした新しいライフスタイルを提案する、遊ぶように働く人のためのサービス。
Incline
werollは、企業・自治体・インディペンデントのチャレンジを事業面とコミュニティ貢献面の両面で成功に導く、まったく新しいクリエイティブ・ファーム〈Incline(インクライン)〉のビジョンに賛同し、LLPを構成する1社として参画し、Inclineで推進する各プロジェクトにおいて、そのデジタルマーケティングを担当しています。
weroll productionsを中心に、アートディレクターにHIROCKさんを迎え、リブランディング。Poolsideでは、人と仕事をつなぐ自社サービスをスタート。イラストレーションを手がけてくれたのは金安亮さん。今後のそれぞれの事業推進と合わせて、雑誌制作やアパレル展開なども予定。「デジタルマーケティング支援の業態から、広告代理事業、デジタルだけではなく紙モノの制作や、映画の支援まで。もはやスタッフですらこの会社の正体がナニモノなのかわからなくなり始めていると思う(笑)」(浅野)
浅野:とはいえ、クリエイティブ・ドリブンはコンセプトみたいなものであって、これから一緒に働くメンバーは気負いしなくて大丈夫です(笑)。というのも、werollには「マーケティングに長けてるチーム」と「クリエティブに長けてるチーム」が両立していて、お互いの得意領域を発揮し合って、手を組みながら進めていけるので。
北原:werollは、ナショナルクライアントを相手にした相応の予算規模の仕事から、世界で大きな評価を得ている映画作品に関わる仕事まで、扱うボリュームや深さがあるから、一緒に働くメンバーにとっても、第一線のクリエイティブに触れるいい機会になるはずです。
03 GAFAの担当者をハックする。Amazon出身の代表がシェアするwerollのノウハウ
浅野:werollが出せる成果もレベルが上がってきていて。で、これってなぜできるの? というのは、一朝一夕、とはいかないんです。
どうしているかというと、「GAFAの各サービスやシステムが、どういう機械学習をどれくらい定量的に回しているか」とか「GAFAの担当者がどんな施策を打っているか」みたいに、GAFAの担当者をハックするような視点で、かなりの量、最新のナレッジを洞察しています。
そのうえ、僕らはアカデミックにやっていくタイプなので、機械学習に関する論文や学術書を読んで、アイデアを出し合ったり。そのエッセンスが高い要求レベルにも応えられる基礎力になっているんじゃないかなと思います。
あと、もっと得難いところでいうと、クリエイティブですよね。メディアや雑誌の編集をやっていたときから、国内トップのクライアント、フォトグラファーやスタイリスト、それこそHIROCKさんをはじめとしたトップレベルのアートディレクター・デザイナーさんと一緒に仕事をしてきたことが大きい。これって明文化しようのない編集者視点みたいなものだと思うんですけど、大手通信企業やAmazonとかを相手にしても、この編集者視点とマーケ的視点をもって、クリエイティブテストをけっこう繰り返していて。
その結果、werollなりの勝ちパターンも知見として貯まっていて、一緒にビジネスグロースをめざすメンバーには、希少性の高い価値あるナレッジを共有できるんじゃないかなと思っています。
北原:それでいうと、「これ専門です」と自分にできることが固まっているのも良いことだけど、能動的にいろいろな役割を全うしていくことが大切かもしれないね。
浅野:もちろんプロフェッショナルな人材も来てほしいんですけど、マルチプレイヤーも大歓迎。北原さんと去年くらいによく話していたのが、ヒップホップにたとえたら、フリースタイルでバトルが得意という専門性よりも、音源制作もライブもこなしていけるほうが大切なんじゃないかと。
「緻密に計画を立てて、多くのトライをしようとする人の失敗はいとわない」のがwerollなので、自発的にどんどん実践して、自分なりに成果を上げて、達成感を積み上げていくと面白いことになると思います(笑)。ぜひ楽しみながらトライしてもらいたいですね。
04 グローバルな視野で、“これからの企業文化”を想像しよう
浅野:いろいろな話をしてきましたが、クロストークVol.02でも少し話したように、日本の企業文化への課題感や危機感のところに共感してもらって、一緒に仕事をしていけることが、今は一番大事かなと思っています。GAFAレベルのノウハウや、海外に影響を与えてきた日本の雑誌のクリエイティブのイロハを知見として活かしながら、グローバルな視野で日本のビジネスをどうグロースさせていくか。さらにその先、結果的に日本の企業文化をもっといい状態にできたらと思っています。
北原:何かしら危機感や課題感を抱いている人って、結局、企業文化への疑問が大きいと思うんですよね。国内の閉じた中で、10年20年先を考えることに、行き詰まるというか。
だから、werollでは、“グローバル”というキーワードがたびたび上がってくる。グローバルを相手にビジネスをやっていきたいというのは、僕らの年齢的にもリソース的にも、いよいよ始めたいところでもあるから。〈THA BLUE HERB〉のBOSSじゃないけど、「また始めりゃいいだろ」って。
浅野:weroll productionsもそのひとつですよね。クリエイティブで引っ張って、海外を含めたローカルに人を呼び込むということをやってみたい。とはいえ、まずは、海外拠点のテック企業と連携したプロジェクトも始まったりするので、一歩ずつ前へ、ですね。
ーーー次回vol.04は、「マーケティング×クリエイティブ×テクノロジーを活かして、“企業文化を適切に演出する”werollの編集者視点」という話について。3月上旬更新予定です。
What Books weroll Read? 03
weroll Book recommendation
〜werollが考える「マーケティング仕事」の原点〜
『イノベーションへの解』クレイトン・クリステンセン
URL:https://www.amazon.co.jp/dp/4798104930
いろいろ迷ったときに立ち返る原点。でも、少し具体性が足りないところもあるので、より実践的な『The Jobs-to-be-Done Handbook: Practical techniques for improving your application of Jobs-to-be-Done』このあたりの書籍も読んで補完していくのが良いと思います。
(weroll CEO 浅野雄介)
PROFILE
浅野雄介
『HOUYHNHNM』や『EYESCREAM』などのライフスタイル雑誌/WEBマガジンの編集者・広告営業から、一転、AmazonのWEBプロデューサーに。その後、独立し、2019年デジタルマーケティング会社〈weroll Inc.〉設立。マーケターはDJのようなものだと考えているが、DJ自体はあまり上手くない。PDCAを含め、自転車、レコード、スケートボードなど、回るものが大好物。気持ちは生涯編集者。青山学院大学卒、中央大学法科大学院中退。千葉県出身。
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北原豪
大学在学中から音楽活動を始め20代をインディーズのバンドシーンに捧げる。このときに、作品や見え方にこだわり過ぎて周りが見えなくなる間違いや、限りある中でもこだわり抜いて最善を尽くす喜びを学ぶ。そのモノづくりの経験や挫折から、現在は企業やサービスの「伝えたい」ことを「伝わる」に変えることを信条に活動。WEBサービス・アプリの構築からグロースまで支援する〈株式会社Sunborn〉代表、マーケティングの力で企業のグロースを支援する〈weroll Inc.〉共同代表、ロープとボルダリングを併設した総合クライミングジム〈ROCKLANDS〉代表。2022年1月20日にオープンした〈シモキタ - エキマエ - シネマ K2〉支配人。クライマーです。
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interview & text:editor Takashi Miduki(LEFT WRITE)