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【研究室旅行】中国 深セン 騰訊(Tencent)AI Lab訪問レポート

こんにちは、広報の清水です。本年も松尾研をどうぞ宜しくお願い致します。

さて、年末年始のテレビ番組でも目覚ましい発展を遂げている中国 深センの特集が取り上げられていましたが、毎年恒例の研究室旅行でも昨年11月に深センに行き、何社か企業訪問をしました。
その中で既に当研究室と技術交流のある世界トップレベルの研究機関「Tencent AI Lab」の訪問レポートを今回はご紹介致します!

「Tencent AI Lab」とは

1998年11月11日に馬 化騰(Pony Ma) たちが 広東省深セン市のSeg Science Park で設立した中国トップレベルのインターネットサービス会社。2004年に香港証券取引所に上場。
時価総額ランキングでは世界第7番目の大企業に。
機械学習、コンピュータービジョン、音声認識、自然言語処理との四つの基礎研究、及びコンテンツ、ゲーム、ソーシャル、プラットフォームツールとの四つ分野への応用、そしてAIの意思決定能力、理解能力、創造力の向上に専念しており、”Make AI Everywhere”の実現へ躍進しています。
現在Tencent AI Labが開発したAI技術はすでに QQ、Tencent MyApp、QQ Music、など数百個の騰訊のサービスに応用されています。



騰訊(Tencent)AI Lab訪問レポート

作成者:韩知躬

2017年11月16日、東京大学松尾研究室の関係者らが深セン市にある騰訊(Tencent)AI Lab(以下Tencent AI Lab)を交流訪問しました。
東京大学松尾研究室は日本のAI産業に置いては中心的な存在で、教育、基礎研究、社会啓蒙、産学連携、スタートアップ育成、政府と経済団体の政策策定などの多方面で、日本人工知能業界の発展を牽引しています。
松尾研にとってはTencent AI Labの訪問は初となりますが、AI囲碁ソフトの開発面ではすでに技術交流を行なっています。
世界最強のAI囲碁ソフトに名を連ねる2つに囲碁ソフト、“絶芸“(Fine Art)はTencent AI Labが開発。
日本の“DeepZenGo”は、以前から囲碁AI zenの開発を続けてきた尾島陽児⽒・加藤英樹⽒を中心に、株式会社ドワンゴの計算機環境の提供、日本棋院の囲碁に関する専門家のアドバイス、そして松尾研のディープラーニング部分に関する協力により開発されました。

今回の訪問は 松尾 豊 特任准教授がリードし、Tencnet AI Labでは “絶芸”開発チームの主要メンバーたちが出席しました。“絶芸”プロジェクト囲碁顧問を担当する 羅 冼河(ら せんか)先生[1]も忙しいスケジュールの合間を縫い、挨拶に訪れてくださいました。

二時間にも及ぶ交流はTencent AI Labの沿革と現状の紹介から始まりました。インターネットを通じてすでに中国人の日常生活の隅々にまで浸透してきている騰訊(Tencent)。その巨大なサービスをAI技術で支援するのがTencent AI Labの主な仕事です。Tencent AI Labはゲーム、ソーシャル、コンテンツ、プラットフォームAIの四つの柱の中で、AIによりユーザー体験を向上させたケースをいくつかご紹介いただきました。例えば、ユーザーの個性に合わせるチャットボット、スマートニュース推薦、高度な写真・テキスト理解技術、写真にラップ音楽をつけるなど。


インターネットサービスへのAI技術の応用例の他、松尾研のメンバーたち向けに、学術研究における成果も紹介されました。人工知能の基礎研究において、Tencent AI Labは機械学習、コンピューター・ビジョン、音声認識と自然言語処理との四つの分野に力を注ぎ、過去の一年間で「Nature」誌サブジャーナルを始めとした、NIPS、ICML、CVPR、ACLなどのトップ会議とジャーナルで100本近くの論文が採録されています。これら発表論文の内容に関して、両メンバーたちによる質疑応答も行われました。
続いて、Tencent AI Labは有名大学との間に形成しつつあるマルチレベルの交流体系、オープンAIプラットフォーム計画、“AI+医療画像”などでの事業展開に関して説明くださいました。まさにTencent AI Labの掲げたスローガン“Make AI Everywhere”を如実に反映しています。

交流中、円滑にコミュニケーションを取れるようにするため、Tencent Al Labは 一週間前の“2017騰訊(Tencent)パートナー大会”[2]でデビューしたばかりの同時通訳技術を披露しました。その同時通訳の正確さと速さに松尾研のメンバーたちは驚き絶賛。現時点では中国語と英語との通訳しかできませんが、松尾特任准教授とTencent AI Labの 劉 永昇(りゅう えいしょう)部長は“中国語と日本語との同時通訳を一緒に開発してみませんか”とユーモアを交えて誘いあう一面もありました。

最後に、松尾研のメンバーたちはエンジニアと研究者のオフィスエリアを見学し、交流は円満に終わりました。

[1] 羅 洗河(ら せんか)九段、囲碁の世界チャンピオン。2006年1月三星火災杯世界オープン戦の決勝戦で、韓国の李昌鎬(イ・チャンホ)選手を2:1で下し、初優勝。同時に李選手の“十四年間決勝戦で外国人棋士に不敗だった”歴史にピリオドを打った。

[2] 2017.11.8、中国成都で開催された

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