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「プログラミングが好き」という思いと総合力。FLAT代表とテクニカルディレクターが考える、エンジニアに必要なスキルとは

継続的なスキルアップが求められるエンジニア。どのようなスキルを伸ばせばいいのか、どのようにしてスキルを磨いていけばいいのかは、多くのエンジニアにとって悩ましい部分だと思います。

そこで今回は、FLAT代表のサトウさんとFLATの技術顧問を務める塚口さんにインタビューしました。エンジニアに向いている人の特徴、求められるスキル、スキルの磨き方など詳しく伺いました。

サトウ ハルミ:代表/プロジェクトマネージャー
制作会社でマークアップエンジニアとして勤務。数多くの新規サイト制作を行う。 2016年にフロントエンド専門プロダクションFLATを設立。 典型的なO型。

塚口祐司 :技術顧問/テクニカルディレクター/エンジニア
1987年生まれ。DTP、動画配信・リッチコンテンツ制作、Web制作会社創業を経て、フリーランスとして独立し、会社を設立。デザインからフロントエンドの実装、CMS構築まで一貫した制作を行う。フリー素材サイト「PAKUTASO/ぱくたそ」の開発・運営中。

FLAT代表とテクニカルディレクターが関わってきた案件

ーーFLAT代表のサトウさんはエンジニア歴20年以上になるそうですね。

サトウ:そうですね。会社員で10年とフリーランスから起業して10年、あわせて20年以上エンジニアを続けてきました。ただ現在は、プロジェクトマネージャーやUXディレクターとして案件に関わることの方が濃いですね。しかし、最新技術は欠かさず追っており、デジタルハリウッド大学の渋谷校では外部講師として、Web制作を週に1回教えています。

ーー塚口さんも会社員とフリーランスのどちらも経験されていらっしゃるんですよね。

塚口:はい、会社員もフリーランスも経験があります。新卒で入社した動画配信会社ではWebデザイナーとして働いていましたが、独立してからは、デザインからフロントエンドの実装、CMS構築まで一貫した制作を行っていました。

現在は、FLATに技術顧問兼エンジニア兼テクニカルディレクターとして関わっています。並行して、フリー素材サイトの開発・運営も行っています。

ーーこれまでFLATでは、どのような案件を行ってきたのでしょうか?

サトウ:会社の黎明期は私一人だったので、運用までは手が回らず、主にWebサイトやLPなどの新規制作を受託していました。少しずつ人が増えてきてからは、CMSの構築や運用といった案件も請けるようになり、最近は大規模サイトやWebアプリケーションの案件も請け負っています。

塚口:FLATでよく担当しているCMSで言えば、WordPressやMovable Typeを使って、「サイトのリニューアルをしたい」という依頼が多いですね。サイト規模としては中規模から大規模ぐらいで、多言語のサイトやメディアサイト、オウンドドメディア、会員制サイトなど幅広い種類のサイト制作を行っています。

サトウ:官公庁からの依頼もありました。FLATを立ち上げた当初からフロントエンドの受託というのは変わりませんが、クライアントも案件も多様なものになってきています。

「プログラミングが好き」という要素が必要不可欠

ーーお二人とも、経験豊富なエンジニアだと思います。これまでの経験もふまえて、エンジニアにはどんな人が向いていると思いますか?

塚口:3つあります。1つ目は、プログラミングが好きな人。IT業界は新しい技術が次々と出てくるので、エンジニアは最新の情報を常にインプットしなければいけません。そもそも好きでないと、情報を追い続けることができなくなってしまうと思います。

2つ目は、課題解決へのモチベーションがある人。エンジニアの仕事には不具合やバグがつきものです。何が問題で起きているバグなのか、どうすれば解決するのかを考え、実行に移していかなければいけません。また、ただ目の前の課題を解決できればいいわけではなく、次から同じような課題が起きないための対策を講じる必要もあります。常にそういったことを考え続けられる人がエンジニアには向いていると思います。

3つ目は、効率化を考えられる人。仮に手作業でやらなければいけないことが、毎日1時間あったとします。その作業を「まぁ仕方ないか」と続けるのではなく、「一度2時間ぐらいかけて仕組みを整えてしまえば、毎日の作業が30分短縮できるかもしれない」と考え、実行できる人がエンジニアに向いています。

サトウ:手は少しだけ動かして、頭をたくさん動かすのがエンジニアですね。頭をたくさん動かすためには、やはり好きという気持ちが大事です。仕事のときだけではなく、プライベート情報を追いかけ、どうすれば課題が解決できるか、効率化できるかを考えられる人が向いていると思います。

ーーエンジニアには「プログラミングが好きである」という要素が必須だと。

サトウ:そうですね。ただエンジニアと一口に言っても、Web系、機械系、システムエンジニア系など業界は多岐に渡ります。その中でも、自分は何が好きで、何に適性があるのかは勉強して、実際に触ってみないとわかりません。

好きなもの、適性があるものが見つかれば、充実した仕事ができるのは間違いないと思います。自由度も高いですし、ものを作り出す喜びも味わえます。大変ではありますが、とてもやりがいのある仕事です。

エンジニアには、技術力とソフトスキルを合わせた総合力が求められる

ーーエンジニアとして活躍していくために必要なスキルはなんだと思いますか?

サトウ:どんなエンジニアであっても、扱うプログラミング言語やフレームワークなどの、公式ドキュメントをしっかりと理解していることがまず重要です。公式ドキュメントには、プログラミングを行う上で必要になる正確な情報が、すべて網羅されて載っています。

公式が推奨する実装方法やサンプルも載っているので、参照するだけではなく実際に触ってみて、どのような挙動をするのかを確認することが大事です。公式ドキュメントをしっかりと理解できれば、技術力の基礎は固められると思います。例えばWordPressの最新リリースの内容を知る場合は公式ドキュメントのリリース記事を参照するのが正確な情報を知る方法です。

WordPress.orgのリリース情報

Releases | WordPress.org 日本語
以下の内容は WordPress.org 公式ブログの記事「 WordPress 6.2 "Dolphy" 」を日本語に訳したものです。 誤字脱字、誤訳などありましたら フォーラムまでお知らせください 。 WordPress 6.2 "ドルフィー" をご紹介します。木管楽器のジャズ界の達人でありマルチ・プレーヤーでもある エリック・アラン・ドルフィーJr. にちなんで名付けられました。 ...
https://ja.wordpress.org/category/releases/

個人ブログの解説記事はわかりやすく要約はしてありますが、正確でないこともあります。

塚口:サトウさんがおっしゃってくださったことには完全に同意です。基礎的な技術力はまず身につける必要があります。その上で、技術力以外のスキルもとても重要だなと思っています。

コミュニケーション能力やタスク管理能力、ビジネスツールへの理解などのソフトスキルがないと、お客様から仕事を依頼してもらえません。お客様に「この人になら仕事を任せて大丈夫」という安心感を与えられるような人間であることが大事です。

サトウ:スキルを磨こうと考えるエンジニアは非常に多いと思いますが、FLATでは「エンジニアとしての総合力を高めよう」という話をよくしています。総合力の高いエンジニアとは、技術力だけでも、ソフトスキルだけでもなく、その両方を兼ね備えたエンジニアのことです。

エンジニアだけで完結する仕事はほとんどありません。特にFLATのように受託制作を行うのであれば、必ずお客様とのやり取りが発生します。もちろんディレクターがいて、お客様とのやり取りは必要ない場合もあると思いますが、それでもディレクターやチームメンバーとのコミュニケーションは必要です。
コミュニケーションが円滑に取れないと、良いサービスは開発できないと思います。

ーーコミュニケーションが苦手だからエンジニアを目指すみたいな人もいるように感じます。

塚口:FLATにも、お客様とのコミュニケーションは苦手という人はいますね。ただチームメンバーとのコミュニケーションはできる、チャットでの質問なら問題なくできるといったメンバーが多いです。

エンジニアに必要なコミュニケーション能力は、自分の職務を遂行するために必要なやり取りができることだと思います。自分のやるべきことが理解できて、わからない点は聞いたり、相談できる。そういったコミュニケーションができれば、問題ありません。

ただコミュニケーション能力を始めとするソフトスキルを磨くと、エンジニアとしてよりレベルアップできると思います。例えば、お客様に対して「こうした方がもっと良いサービスになると思う」と提案できるプレゼン力や公式ドキュメントを正しく理解できる読解力、チームの管理をしていけるマネジメント能力などがあれば、エンジニアとしてできることの幅が広がっていくはずです。

スキルを磨くのに、実務に勝るものはない

ーーどのようにしていけばエンジニアはスキルを磨けると思いますか?

サトウ:大前提、優先順位を決めることが大事です。自分はどのようなエンジニアになりたいのか、そのために何が必要で、何から学んでいくべきなのか。そこを明確にし、やらないことを決めると、効率的にスキルを磨いていけます。

その上で、スキルを磨く方法はいくらでもあると思います。動画でも、本でも、自分に合った方法でスキルを磨いていけばいいと思います。ただ、実務に勝るものはないですね。

実務を行ってみて、自分に足りないところを把握し、そこを復習する。教えてもらえる人がいれば教えてもらう。それが一番の近道だと思います。

塚口:日々情報をキャッチアップして知識を身につけたとしても、ほとんどの場合、実務になるとうまく活用できません。それは実務レベルでのアウトプットが足りていないからです。

身につけた知識を使って個人開発することでアウトプットもできますが、大半の場合、完成せずに終わるか、完成したとしてもきちんと長期間運用することはないと思います。実務だと、そういったことはなくきちんとアウトプットできるため、知識が定着させられるはずです。

サトウ:そういう意味で、フリーランスよりも会社員の方がスキルは磨きやすいのかなと私は思っています。フリーランスは基本的に「いまできること」をベースにした案件しか依頼されませんし、売上を安定させるために新しいことへなかなか挑戦できなくなってしまいがちです。

私自身、フリーランスとして活動しているときは、これまでに経験した案件に似通った案件しか受注できなく、課題感を抱いていました。またフリーランスの場合、一人では手が回りきらないような大規模サイトの案件も基本的には依頼されません。

そのため会社員の方が携われる案件の種類は多く、さまざまな実務経験が積めると思います。

ーー確かに、会社員の方が関われる案件の種類は多いですよね。

サトウ:あとフリーランスは、自分でコントロールできるところが多い分、やらないといけないことも多くあります。経理や営業など、エンジニア以外の業務も自分でやらないといけません。だから実務に割ける時間やスキルを磨くための勉強の時間は、会社員に比べると相対的に減ってしまうと思います。

塚口:フリーランスでスポットで案件を受けていると、新しいディレクターやデザイナーと関係性を1から構築していかないといけません。そうすると、どのように進めていくのか探り探りでやらないといけないので、非効率的になりがちです。会社員の場合は、関係性がある程度できているメンバーと業務を行えるので、効率的に業務を行っていけると思います。

またフリーランスは、コミュニティやスクールに入らない限りは、新しい知識を得るのも基本的には一人でしなければいけません。しかし会社員の場合は、チームメンバーの書いたコードを見れたり、案件で分からないことを相談できたりして、知識を得られます。

自分では興味なかった領域についても自然と情報が入ってくることもあるので、より多くの知識が得られると思います。

メンバーそれぞれの個性を伸ばしつつも、脱属人化を

ーーFLATはエンジニアが学べる環境だと思いますか?

塚口:そう思います。理由は2つです。1つ目は、FLATには勉強会やプロジェクトの振り返り会、LT大会、1分間スピーチなど、インプットやアウトプットができる機会がたくさんあること。

2つ目は、受託会社で、さまざまなプロジェクトに関わることができること。プロジェクトごとに取り入れている技術も異なりますし、コードの書き方も異なるので「こういうやり方もあるんだ」という発見がたくさんあります。

サトウ:普段からコミュニケーションを取り合うことは意識しています。例えば、毎週金曜日にアイスブレイクという時間を作っていて、プライベートな話を共有し合う時間があります。「プログラミングを始めたきっかけはなんですか?」「おすすめの旅行先はどこですか?」といった内容です。頻繁にコミュニケーションを取り、チーム全体で仲が良いからこそ、学び合い教え合いが気兼ねなくできるのだと思います。

ーー最後に、今後の目標を教えてください。

塚口:FLATの教え合い学び合う文化を今後も守り、進化させていきたいと思っています。新人だからと教えてもらう側に固定されてしまうのではなく、新しい技術や領域についてなど全員で共有し合えるチームでありたいですね。

サトウ:メンバーそれぞれの個性は潰さず、脱属人化したいというのは考えています。メンバーによって興味のある分野や得意領域は異なっています。それは良いことだと思うのですが、「特定のメンバーしかこの業務はできない」といった属人化には注意していて。

フロントエンド領域の案件だったら、どのメンバーに任せても安心という状態を作っていきたいんです。そのために教え合い学び合いの体制はより強化していきたいと思います。

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募集職種の確認・応募はこちらの公式サイトやWantedlyで行っていただけます。

フロントエンドを一生の仕事にしたい方、エンジニアとして技術を高めたい方、FLATに少しでも興味を持っていただけた方は、ぜひお話しましょう。


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