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女性のキャリアにアップもダウンもない~再就職支援をしていて感じたこと~


こんにちは。

株式会社Waris共同代表で、フリーランス協会理事キャリアコンサルタントの田中美和です。

今回は、女性のキャリアについてお話ししてみたいと思います。

▼目次
1. 女性のキャリアにアップもダウンもない
2. 女性の働き方は多様化している
3. キャリアは働いてる人だけのものではない
4. 離職期間があったからこそできた経験がある

女性のキャリアにアップもダウンもない

結論から言いますと・・「女性のキャリアにアップもダウンもない」ということ。

このキャリア論は、元々、有名な学者であるサビカス博士の言葉なのですが、女性のキャリアにアップもダウンもないんだな・・とつくづく感じています。

キャリアの話をしていると、「私になんてキャリアはないです」「そんなにすごいキャリアは私にはないです」とおっしゃる方が結構いらっしゃいます。

そしてキャリアと聞くと、ともすると・・報酬も肩書きも上へ上へと登っていくような、そんなキラキラしたイメージを持ってる方が多いのかなと思います。

でも実はキャリアというのは、決してそういう意味だけではないんですよね。

キャリアの語源はラテン語だと言われていますが、元々は荷馬車や車の通り道、轍(わだち)を意味する言葉だったと言われています。

それが転じて、人の経歴や足跡を意味するようになったと言われています。

ですから、キャリアという言葉には、「人の経歴」や「人生全体」を表すような意味があるんですよね。

女性の働き方は多様化している

私がキャリアにアップもダウンもないと思うようになったのは、女性の働き方が多様化しているということが背景にあります。

私は2013年から、フリーランスとして働きたい女性と企業との仕事のマッチングをする会社を行っていますが、ご登録されてる女性が本当に増えています。

最初はゼロから始めた会社ですが、今は約20,000名ほどのご登録者がいらっしゃいます。

そして、日本全体でもフリーランスの方は462万人いると言われていて、これは日本の労働力人口の6.7%を占めるまでになってきています。近いうちに1割を超えるだろうとも言われているんですよね。

私自身もフリーランスで働いてた時期がありますが、私がフリーランスになったのは2012年のこと。

その当時はフリーランスになると言うと、「もう二度とここへは戻れない」「二度と会社員には戻れない」という決死の覚悟で辞めました。

けれども最近は、キャリアの形は多様になっていて、個人の方達の動き方も軽やかになってるなと思います。

フリーランスで数年経験された後に、また組織で働きたいからと会社員に戻る方もいらっしゃいます。その戻った会社が副業OKなので、ということでフリーランス時代のクライアントのお仕事をそのまま続けてるという方もいらっしゃるんですよね。

そうすると、フリーランスや会社員という境目が、本当に曖昧になってきたなと思います。

加えて、最近は副業の副業希望の方も非常に増えていて、フリーランスOKの会社が企業の半数以上を占めるようになったというデータもあります。副業としてフリーランスをしたい方も増えてますし、社員に副業してもOKだよという企業も増えています。

本当に、社員とフリーランスの境目がボーダレスになってきたなと、ますます感じています。

キャリアは働いてる人だけのものではない


ただ、こういう話をしているとキャリアというのは働いてる人だけのものなのですね、という風に取られてしまう方もいるのですが、決してそういう訳ではないんですよね。

今まさにそのキャリアは「その人の生きてきた全て」「その人が歩んできた道のりすべて」を指しますので、今働いているか働いてないか、仕事があるかないかではありません。

それをとても強く感じるのが、私の会社では現在離職中の女性の再就職支援の事業もしていますが、その事業を通じて、キャリアは働く人だけのものじゃないんだな、みんなのものなんだな。仕事があるとかないとかそういうことではないんだな・・と感じています。

実際に、再就職支援にご登録されるのは、やはり40代を中心とした女性の方々だったんですね。

皆さん育児や介護、あと多いのは・・配偶者の転勤です。配偶者の転勤についていくために、仕事を辞めざるを得なかったというような方達が中心です。

あとは・・今はお仕事をされてないけれども、もう一度働きたいという方達ですね。

ですが実際、その方たちのご支援をさせていただいていると、離職期間が十数年、中には16年近く働いてないという方もいらっしゃいます。

ただその方は、私たちのプログラムを通じて、あるIT 関係の会社で、今は一緒に活き活きとお仕事をされています。

お仕事をされてないからって、何もしてないわけではないですよね。

例えば・・何か語学の勉強されてたり、大学に行かれてたり、何か講座で勉強されていたり。あるいは地域活動だったり、お子さんの学校の活動などをされています。

そういった「離職期間でなければできなかった経験」というものが、きっとありますよね。

あとは・・転勤などで離職された方々に関しては、転勤をすることで全く自分が知らない土地へ行って、そこで家族と生活を作っていくという「ゼロから何かを作る」「環境変化に対応する力」が養われてるという側面があります。

離職期間があったからこそできた経験がある

ですので、仕事をしていない期間があったからこそ、働くことに対して高いモチベーションが維持できたり、ゼロから学ぶ意欲をお持ちなんですよね。

離職期間があったからこそできた経験というのが評価されて、お仕事に繋がっていくことがあります。

ですので、色んな選択肢があることを知った上で、人生のフェーズ毎で自分にぴったりくる選択肢を選び取っていただけると嬉しいなと感じております。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。



※この記事はWaris共同代表の田中美和が音声プラットフォームVoicyの自身のチャンネル「自分らしいキャリア100のヒント」にて配信した内容を元に作成(一部追記/修正あり)したものです。

Waris共同代表・国家資格キャリアコンサルタント
田中美和

大学卒業後、2001年に日経ホーム出版社(現日経BP社)入社。編集記者として働く女性向け情報誌「日経ウーマン」を担当。フリーランスのライター・編集・キャリアカウンセラーとしての活動を経て2013年多様な生き方・働き方を実現する人材エージェントWarisを共同創業。著書に『普通の会社員がフリーランスで稼ぐ』。一般社団法人「プロフェッショナル&パラレルキャリア ・フリーランス協会」理事

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