今回は、Warisの中で中堅~大企業を取引先として、人材紹介を通じた様々なコンサルテーションを提供しているソリューションチームのメンバーが、フリーランスを上手に活用できている企業のスタンス・特徴などについて率直な意見を交換しました。フリーランスの活用は未経験という採用担当者や人事担当者の皆様には必読の内容になっています。フリーランス活用はハードルが高いと躊躇されている方に、ぜひご一読いただければ嬉しいです。
#多様性発信プロジェクト
フリーランスの人材紹介を得意とするWarisの中でも、とりわけ中堅企業から大企業を対象に、多角的な提案を手掛ける「ソリューションチーム」。今日は「覆面座談会」として、担当者名も担当企業名も明かさないからこその本音トークで、大企業のフリーランス活用について語ってみたいと思います!
大企業でも広がる「フリーランス活用」
──今日は、ベンチャー企業が取引先のほとんどであるWarisの中でも、特に「大企業」の顧客を担当している方々に来ていただきました。今、みなさんが担当している大企業ってどのくらいの数あるんですか?
Aさん:どこで切り分けるかによりますが、Warisの取引先だと300名以上の会社が1割くらいです。
──現在の取引先者数が約1700社なので、計算してみると170社くらいになりますね。意外と多かったです。
Bさん:徐々に増えてきている印象はありますよね。大企業からのご依頼の特徴としては、これまでは産休に入られる方の代わりとなるポジションが多かったです。私の担当先は外資系の大企業が多く、ヘッドカウントが厳しく決まっていて、そうそう正社員を採用できないという特徴があります。だから、代替要員として業務委託の方を活用されています。
Aさん:新規事業関連の部署に、事業開発やマーケティングのご経験があるフリーランスの方に入っていただくことも増えています。印象的だったのは、B to Bでの部品供給などを主な事業としていた会社が、B to Cの新規事業を立ち上げるにあたって、フリーランスの経験者に週1〜2日入ってもらった事例です。社内に知見がないので、その方がハブになって事業を立ち上げる中、「塾」みたいな感じで教えを乞う社員さんが続出したと聞きました。
Bさん:新規事業の種を見つけるためのリサーチ部分だけを切り出すという企業さんもありますよね。リサーチ会社に頼むよりも、フリーランスのリサーチャー1人に入っていただくほうがリーズナブルですし。同じような形で、人事領域で社員がコア業務に集中するために、研修の運営など「経験ある方が自律的に回す」ことで価値を発揮できる業務を「プチBPO」的に切り出す企業さんも増えつつある印象です。
「仕事の依頼方法、切り出し方がわからない」大企業
──大企業ならではのフリーランス活用の「つまずきポイント」ってあるのでしょうか?
Cさん:私の担当企業では、業務委託の方に、社員並みに細かなタスクをガンガンに振ってしまう企業がありました(笑) 背景も説明せず、日程調整とか、ちょっとこの人にメールしておいて、みたいなものも振ってしまうのです。「その仕事の依頼の仕方だと、偽装請負(※)と言われてしまうリスクがあります」と伝えて、仕事の振り方を変えていただきました。
※偽装請負:業務委託契約であっても、社員同様に勤怠管理、指揮命令などを行ってしまい、実態として直接雇用と見なされるような働かせ方をしてしまうこと。
Bさん:業務委託の仕事をお願いするときって「仕事の切り出し方」が大切ですよね。ただ、企業側が「ちゃんと切り出さなきゃ」と思うあまり、フリーランスの方を待たせてしまう例もあります。Warisからご紹介するプロフェッショナルの方って、今困っていることも含めて全部内情を共有しちゃう方が早かったりするんですよね。なので、一度概要からすべて共有してもらう打ち合わせをセットして、フリーランスの方から「じゃあ私はこう動きますね」と提案してもらいました。
Aさん:「仕事を切り出す」=「タスク出しをする」じゃない、ということですよね。自分の仕事をミッション起点で捉えている企業は、フリーランス活用がうまい気がします。逆の言い方をすると、企業によっては、フリーランスを「業者扱いしてしまう」というか、対等なパートナーとして働いてもらうという感覚が薄いこともあるように思います。
フリーランス活用が上手な大企業の特徴
──フリーランスと働くって、「社員と働く」と「外部業者を利用する」の中間的なところがありますよね。今少し話が出ましたが、フリーランス活用がうまい企業って、どんな特徴がありますか?
Bさん:さっきAさんが言っていたように「ミッション型で依頼する」ことが得意な企業はフリーランス活用もうまいです。目指すべきことはこれです、あなたの役割はこれです、予算はいくらで、報告はこのタイミングでしてもらうけど、タスクややり方は自分で決めてね、みたいな。
Aさん:ベンチャー企業は「やりたいことが先にあって、人手だけが足りない」という状態の企業が多いので、「ミッション型の仕事の依頼」にならざるを得ないところがありますよね。大企業の中でも「達成のためならなんでもやっていい」みたいな風土で、マネージャーに権限移譲がされている企業だと、フリーランスと共に働くのがうまい。会社の卒業生に「ちょっと手伝ってよ」と声かけて一部入ってもらっていたり。
C:私が出会ったフリーランスの使い方がうまい企業は、フリーランスの方であっても社員同様に扱うというか、入る時にウェルカムランチを設けてくれたり、体調をとても気遣ってくれたりと、「メンバーの一員だよ」ということを伝え続けてくれる企業ですね。
Aさん:それはありますよね! 社員だけでなくフリーランスの方にも1on1をしている企業さんから、最初は「フリーランスの方だし自由にやりたいかな……」と遠慮して実施していなかったけれど、一度やってみたらフリーランスの方から「やってもらってよかった」と言われて、全員に実施するようになったというエピソードを聞きました。実はフリーランス側もコミュニケーションを求めているんですよね。
多様な人材のマネジメントが必須な時代へ
──最後に、大企業で働く方々や人事・経営層に、メッセージをお願いします!
Aさん:今は、大企業さんからのご依頼ってキーパーソン主導型が多くて、特定の部署からしか依頼がこないことが多いです。でも、「多様な人材をマネジメントして成果を上げる」ことって、これからのビジネスリーダーにとってすごく大事なことだと思うんです。これからの世の中、部下がどんどん多様になることはあっても均質になることってないはず。そういう時に、稼働時間が限られているけれど、スキルの高いフリーランスと一緒になって働いた経験があると、ビジネスパーソンとして一段も二段もレベルアップできるはずです! だから、大企業の経営層や人事の方には、人材育成の一環と思って多様な契約形態の方の活用に取り組んでほしいですね。
Bさん:Warisでは「社会関係資本」という言葉が社内用語としてあります。これは、フリーランスのプロフェッショナル度を見て行くときに「どれだけ今の職場以外の繋がりを持っていて、そこからもお仕事をもらえるか」という点を評価するために使っています。「同じ会社の人だけでなく、社外の様々な人とつながり関係をつくっていく力」ってこれからのビジネスパーソンに必須ですよね。
C:大企業でも、社員の方がライフステージの変化で一時的に業務委託になったり、フリーランスの方が社員になったりなど、出たり入ったりしやすい組織になるとよりいいですよね。フリーランス活用が上手な企業は、時短の働き方を選択している方や、定年再雇用の方、一時的にチームを抜ける方など、多様な社員がいても変わらず成果を出しやすくなるはずです。組織として強くなる練習として、フリーランスを活用していってほしいですね。
執筆者プロフィール
Warisソリューションチームメンバー
ベンチャー企業向けの人材マッチングだけでなく、中堅〜大企業を主に担当し、研修や人事コンサルティング、フリーランスチーム組成による「プチBPO」などをご提案。メンバーは30代女性が中心。子育てに趣味に仕事に複数ポジションの兼務と、パワフルに活動中。
Warisソリューションチームでは、Warisご登録パートナーの活用を中心とし、企業への新しい働き方への提案(社員副業支援、D&I推進、女性活躍支援…)などさまざまなコンサルテーションを行っています。
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≪多様性発信プロジェクトとは≫
趣旨:Warisはこれまで、女性社員が多く、雇用形態や働き方も柔軟であるため、「多様な人が働きやすい会社」として社内外に認識されてきました。ただ、どうしても「女性の働きやすさ」に偏った活動であることや「自社のノウハウを社外にも展開していくこと」には繋がっていないのではないかという反省がありました。そこで、これまでの評価に甘んじて歩みを止めず、これまで以上に多様な人が働きやすい会社・社会になっていくために、発信活動を強化していくことにしました。それが、「多様性発信プロジェクト」です。
①Warisのなかにある多様性に関する発信
②多様性に関しての視野を広げる発信
③Warisビジネス上の多様性の重要性・Waris事業活動に関する発信
などの活動を、企業ブログ・Wantedelyの発信を通じて行っていきます。