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「IT畑で培ってきた力で、新たな体験価値をつくっていく」MDX本部 柴谷栄治が経験した、DXを推進することのやりがいとは

データやテクノロジーを活用し、DXを推進していく専門家集団として2023年に立ち上がった、MDX(Marketing by DX)本部。その全体のタスクフォースを束ね、戦略を策定しているのが、MDX本部 柴谷栄治です。

これまで、複数の企業で新規事業の立ち上げを行い、IT畑でシステムやアプリ開発に携わってきた彼は、なぜユニ・チャームで働くことを決めたのでしょうか。その理由や実際に働く中で見出したやりがい、IT畑にいた人がMDX本部で実現できることなどについて、実体験を交えて語っていただきました。

■柴谷栄治プロフィール

2017年ユニ・チャーム株式会社に中途入社。前職では国内企業5社で新規サービスにおけるシステム開発やアプリ開発を担当。ユニ・チャーム入社後は新規事業開発室に所属し、生理管理アプリ、ペットQ&Aサービス、AI採寸サービスなどを立ち上げる。2020年よりワンドット、2021年よりファーストアセントの社外取締役に就任。2023年7月からはMDX本部の部長代理に就任し、MDX本部の全体統括を行うとともに、新規事業の開発を担っている。

「ユニ・チャームを変えていきたい」その強い意思に共感し、入社を決めた

――これまで、さまざまな企業で新規サービスの立ち上げに携わってきました。ユニ・チャームへの転職は、どのような経緯で決めたのでしょうか?

柴谷:転職活動は前職で大きなプロジェクトが終わったタイミングに、「次は何やろうかな」と新たなフィールドを探しはじめたことから始まりました。

ユニ・チャームとの出会いは、転職エージェントからの「ユニ・チャームという衛生用品のメーカーのお話しを一度聞いてみませんか?」という一言がきっかけでした。当時の私は、ユニ・チャームがどういう企業なのかあまり知らず、外資系の企業だと勘違いしていました。しかし、面接担当者と雑談をしながら企業のことを聞いたり、自分のキャリアについて話したりしているうちに、「ここで働くのもおもしろそうだな」と感じ始めたのです。

そして「これからの未来に向けて、ユニ・チャームを大きく変えていかなければいけない。そのために、モノからコトへの転換点においてIT分野で開発をしてきた人に入ってもらいたい。」という面接担当者の熱い想いに惹かれました。さらに、実際に中国における育児動画配信サービスを進めていると言う話を聞き、最初は昔ながらの企業という印象がありましたが、日本の市場に限らずグローバルにDXを進めていく大きな転換期をむかえていると感じ、挑戦しがいがありそうだなと思いました。

最終的に入社を決めたのは、「ユニ・チャームであれば、サービス開発だけでなく、工場のDX推進、グローバル展開など、これまで経験できなかったことに挑戦できそうだな」と思えたことが一番の理由です。

――さまざまなプロジェクトに携わる中で、ご自身の能力はどのように活かせていると思いますか?

柴谷:私の場合「突破力」が強みだと思います。特にユニ・チャームはこれまでDX推進の事例が少ないため、分からないことへの不安がたくさんありました。だからこそ、先頭に立ち不安の壁を壊して突破し、具現化していくことが必要でした。私自身、これまでさまざまな新規事業開発を担当してきましたが、全てゼロからのスタートで、試行錯誤を繰り返しながら何かしらの形に発展させ、適切な部門で運用が上手く軌道にのるようになるまでの土台をつくってきました。この観点からいえば、ユニ・チャームは自分の能力を最大限に活かせる環境だと実感しています。

消費者向けのサービスを開発。スピード感を持ち、多彩なプロジェクトを創出

――新規事業開発室では、これまでどのようなプロジェクトに携わってきたのでしょうか?

柴谷:入社して最初に担当したのが、生理管理アプリ「ソフィ」でした。当時、現MDX本部長代理である今川さんが、生理用品だけではなく女性の一生に寄り添い、ホルモンの影響などによる心身の不調に関わる様々な問題を解決するプロダクトとデジタルサービスを構想していました。そのサービスの一環として、生理管理アプリをつくりたいということで、プロジェクトが立ち上がりました。紆余曲折あり、形にするところまで1年ほどかかり、そこからアプリを開発。トータルで3年以上かけて2020年に生理管理アプリ「ソフィ」を公開することができました。

――アプリを開発する上で、どのようなところに苦労しましたか?

柴谷:最初の頃は、コンセプトを具現化するためのやり方が掴めず苦労しました。ユーザー調査を進めながらアプリのコンセプトをかなりのスピードで見直していったのですが、それに合わせて開発していく方法では一生追いつけないほどでした。そこで、最新のコンセプトを可視化するところから始めました。具体的には、ある程度ベンチマークを定めた上で理想に近づけていくというやり方です。さらに開発を進めていくと、「あれもこれも盛り込みたい」「もっとシンプルで使いやすくしたい」という、相反する要望も生まれてきました。そういう時こそコンセプトに立ち返り、「理想のコンセプトを体現できるか?」という判断基準で開発を進めていきました。

――そのほかに、印象に残っているプロジェクトはありますか?

柴谷:2021年にリリースした、シニア向けのAI採寸サービス「大人用おむつカウンセリング」です。このサービスは、LINE チャットトークの診断機能と、スマートフォンで撮影して採寸できる技術「Bodygram」を組み合わせたものです。私も親の介護をしているので、実際の使用シーンをイメージしながら考えることができたと思います。

シニア向けのおむつはS/M/L/LLの4サイズがありますが、ご自身のサイズより大きいものを選ぶとモレトラブルにつながってしまいます。しかしながら、多くの方が「サイズが大きい方がちゃんと吸収してくれる」と思いこみ、本来のサイズよりも大きなサイズを選んでしまう傾向がありました。そこで、ご自身のサイズを簡単に測定し、正しいサイズが選べるようにする必要がありました。さらに、どのおむつを選べばいいのか分からず、店頭で困った経験をお持ちの方も多かったので、おむつの種類を簡単に選ぶことができるカウンセリング機能も取り入れました。

シニア向けのAI採寸サービス「大人用おむつカウンセリング」でサイズを測定

服を着たままで、簡単にサイズを測ることができ、手軽におむつを選べる

▽「大人用おむつカウンセリング」のニュースリリース

人工知能を駆使した診断と撮影採寸で最適な紙おむつ選びを提供
「大人用おむつカウンセリング」を通じて介護者と要介護者間でコミュニケーションを創出

――新たなサービスを開発するうえで、心がけていることはありますか?

柴谷:情報が多い時代だからこそ、欲しい時に、欲しい情報がどれだけ素早く手に入るかが重要だと考えています。生理管理アプリであれば、生理前後の体調の変化や自分の体の悩みなどを記録管理することができます。AI採寸サービスであれば、店頭でおむつを購入する際の選択肢を与えてくれます。このようにサービスを使う方の使用シーンをできる限りイメージして、「いいタイミングでいいサービスに出会えた」と思ってもらえるように顧客体験を設計してます。

一貫した軸があるから、より突破力が強まる。ユニ・チャームで働いて得た気づき

――これまで多様なプロジェクトに携わってきた中で、ユニ・チャームに対するイメージに変化はありましたか。

柴谷:ユニ・チャームの社員は企業やブランドのミッション・ビジョン・バリューを深く理解した上で仕事をしていると感じるようになりました。入社当初「この企業は何か目標が定められると、そこに向かう突破力がすごいな」と感じていましたが、ミッション・ビジョン・バリューをもとに社員が同じ方を向いているからだと思います。ユニ・チャームの価値観にプロジェクトがうまく合致することで、チームの動きもより一層加速すると思います。

――ユニ・チャームで働いていて、ご自身の中でも変化は起こりましたか?

柴谷:そうですね。ユニ・チャームに入るまでは生理について全く知らなかったのですが、ソフィのアプリの開発に携わるようになって、ユーザーの女性一人ひとりに向き合った結果、自身のパートナーとも生理について気軽に話ができるようになりました。例えば、パートナーが生理で体調が悪そうな時には、「家に痛み止めがないから買いに行こう」とサポートすることもできるようになり、相手を思いやる気持ちが増えて、自分の暮らしにもいい循環が生み出されている気がします。このような何気ない日常を体感していくうちに、「ユニ・チャームが考える『共生社会の実現』という世界観ってこういうことだろう」と、より理解を深めることができました。

――生活に身近な商品を扱っているからこそ、社員もユーザーのひとりとして、自分ごととして考えていくことができるのですね。

柴谷:そうだと思います。だから、企業やブランドのミッション・ビジョン・バリューも自分事として捉えやすいですし、納得感を持ってプロジェクトを進めていくことができるのだと思います。

始動したMDX本部。目指すのは「エコシステムを回していく」こと

――今年7月、女性の一生に向き合い、デジタルの力を用いた新しい商品やサービスを生み出すMDX本部が立ち上がりました。柴谷さんはこのチームでどのような役割を担っているのでしょうか?

柴谷:ミッションは、全体統括です。新しいプラットフォームを構築することと、そのプラットフォーム上で新たな体験価値生み出すことです。その中でマネージャーとしてビジネスディベロップメントの戦略策定も行い旗振り役もしています。女性の一生に寄り添いながら、初経、妊娠、出産、閉経といったターニングポイントを入り口にさまざまな体験を創出し、エコシステムを回していく。そこまでをつくりあげるのが、MDX本部における私の仕事です。

――MDX本部での仕事には、どのような醍醐味があると思いますか?

柴谷:「グローバルに影響力がある」「当事者意識を持って取り組める」「社会的価値の高いことに貢献できる」という、3点だと思います。「どうせやるんだったら、大きい仕事をしたい」と、当事者意識を持って社会的価値の高い仕事を求める人が多いと思いますが、その市場が日本だけか、グローバルかでは全然違いますし、グローバルに展開して多くの人に触れてもらえる方が、やりがいは大きく、実際に取り組んでいても面白いです。

また、様々なプロジェクトに携われる点もモチベーションの一つになると思います。私は入社して7年経ちますが、兼務しているプロジェクトがたくさんあり、そのスピード感も1年に1個どころのペースではありません。全てが上手くいったわけではありませんが、失敗からの学びが次につながっているので、どの経験も自分の糧になっています。MDX本部でも、まさにそのスピード感でやろうとしていて、うまくいくものもあれば、失敗するものもあると思いますが、生み出したいプロジェクトの数は無限にあります。どんどん挑戦して、新しい体験価値をつくっていきたいですね。そのような点からも、MDX本部での仕事はチャレンジする甲斐があると思います。

求めるのは、粘り強くゼロからイチを生み出せる人

――今後、どのようなケイパビリティやパーソナリティを持っている方に入ってきて欲しいですか?

柴谷:ゼロからイチを生み出すことにモチベーションを感じられる人、そして粘り強さがある人にチャレンジしてもらいたいですね。MDX本部は新しい組織なので、一見華やかな部署に見えますが、結果が求められているので背負っている責任は重いです。こうしたプレッシャーがある中で、女性の幸せとはなにか、女性の周りの幸せも含めて多角的に考え、サービスをつくりあげていくことが求められています。要するに、ユーザーに興味を持ち、きちんと向き合っていけることが大切だと思います。

――組織をつくる上では、どのようなところに力を入れていきたいですか?

柴谷:私がユニ・チャームでここまで色々な仕事ができたのは、裁量権を与えられ、自由度が高い環境だったからだと思っています。これからMDX本部に入ってくださる方にも、そのような環境を提供したいと思います。特に日本は、課題先進国なので、掘り下げていけばいくらでも課題は見つかっていくはずです。だからこそ、自発的にプロジェクトを立ち上げられるようにもしていきたいですし、最終的にはデータやテクノロジーを活かす専門家集団として成長して、グローバルにおいても一目置かれるほどの結果を残していきたいです。

――最後に、入社を希望される方へメッセージをお願いします。

柴谷:MDX本部は、DXに関わる専門集団ではありますが、一人ひとりが自分らしく過ごせる環境を提供するための商品やサービスを生み出す組織です。そうした考え方だからこそ、いろんなスキルを掛け合わせて、自己表現の場として輝けるよう、「ここで働きたい」と思える良い組織を一緒に目指していきたいです。


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