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「女性の人生に選択肢を増やしたい」ソフィのブランドチームをリードする長井千香子が語る変革のビジョン

創業62年目を迎えるユニ・チャームは、多様な人々がそれぞれに自分らしく暮らすことができる社会を目指し、ウェルネスケア、フェミニンケア、ベビーケア、Kireiケア、ペットケアの分野で、時代のニーズに応えながら、商品・サービスを進化させ、生活者の心とからだの健康をサポートしています。

そして、より消費者への理解を深めるべく、DXの活用をさらに加速させ、消費者の潜在的な欲求(インサイト)の探索や、商品機能に新たな価値を付与する技術革新を行うため、新たにMDX(Marketing by DX)本部を2023年7月に発足しました。

この立ち上げメンバーのひとりが、生理用品「ソフィ」のマーケターを長年務める長井千香子です。これまでも「生理期間中も自分らしく過ごせる社会の実現」を目指して情熱を注いできた彼女が、MDX本部で挑戦しようとしていることとは? ユニ・チャームだから実現できる「これからの女性の一生に寄り添う方法」について語ってもらいました。

■長井千香子プロフィール
グローバルフェミニンケアマーケティング本部ジャパンブランドマネジメント部長。2004年ユニ・チャーム株式会社に入社。翌年よりマーケティング事業部で生理用品ブランド「ソフィ」を担当し、新商品立ち上げと、ブランド育成を行う。2019年には「ソフィ」ブランドで、生理について気兼ねなく語れる社会の実現を目指す「#NoBagForMe」プロジェクトを立ち上げ、現在も活動を続けている。2023年7月よりMDX本部にも参加。

MDX本部が始動。ユニ・チャームが本気で目指す「共生社会」の実現とは?

――今回、ユニ・チャームが新しく立ち上げたMDX本部とは、どのような組織なのでしょうか?

長井:ユニ・チャームグループでは、2020年の中長期ESG目標で、「共生社会」の実現を目指して環境問題や社会課題の解決などSDGsに取り組むことを公表しました。特に「5.ジェンダー平等を実現しよう」は目下の課題であり、女性がより自立し、快適に生きられるような支援に取り組むことはユニ・チャームの重要な使命のひとつです。

――具体的には、どのようなアプローチをされているのでしょうか?

長井:これまでは生活者のライフステージ毎に、顧客のニーズに応える形で新しい商品を出していました。それに対してMDX本部では、「女性の一生」を起点に置いて、初経〜閉経までの生理がある約40年間や、閉経後を含めたホルモンバランスの影響を受ける長い期間に着目しました。その中でおこる体調やメンタルのゆらぎ、それだけでなく、社会的な立ち位置の変化や家族との関係性なども含め、女性が抱えている様々な悩みや痛みにフォーカスを当てています。

特に今は、「自分の人生を自由にデザインしたい」と考え、誰かが良いと言ったから自分もそれを選ぶのではなく、自分で選び決めていくという女性が増えてきています。そんな方々をターゲットにして、ウェルビーイングが続くようにするために、商品に限らずどのようなサービスが提供できるのか、私たちの強みは何か、選択肢を広げてもう一度考え直していくところから始めています。

――確かに「女性の一生」を起点にして考えると、色々な要素が複雑に絡み合い、悩みや痛みが生まれていると感じます。現在はどのようなプロジェクトに取り組んでいますか?

長井:まだ組成して間もないので構想を練っている段階ではありますが、生理期間中だけでなく、女性の一生に寄り添いながら、顧客が認識していない、あるいは諦めている問題の解決を支えるDXソリューションと、顧客視点でUX(ユーザー体験)を変える新商品やサービスをつくり出そうとしています。

これまでも議論をしている中で、PMS(月経前症候群)や更年期障がいによって体調や気分のアップダウンが起こっているのに、それに気づかず自分の性格を責めてしまったり、なにか病気なのかもしれないと不安を感じたりする女性が多いという話がありました。知らないことで振り回されて、頑張り時にうまく波に乗れなかったり、無理をしてしまったりして、身も心も疲れ切ってしまう、そういう女性がすごく多いのです。

ですからまずは、自分の体調や心身のコンディションを予測して可視化し、その波にうまく乗っていくためのサポートができるものがないかと考えています。

高い専門性を持つ精鋭が集結。活動が始まり、見えてきた変化とは?

――現在はどのようなメンバーが集まっているのでしょうか?

長井:経営企画や開発、マーケティングなどの専門知識や多様な能力、そして課題意識を持つメンバーが集まり、プロジェクトを進めています。

――長井さんご自身は、どのような課題意識を持ち参加していますか?

長井:「ソフィ」のマーケティングを担当していたときから、生理の時に起こる「ベタベタした気持ち悪さ」「漏れていないか不安」といった個人の「不快」にフォーカスを当ててきました。この女性の不快に注目するのは、ユニ・チャームの企業理念である「NOLA&DOLA(Necessity of Life with
Activities & Dreams of Life with Activities)」にもとづくものです。ただ、個人の不快だけを解決しても、本質的な解決にまでは至っていないと感じることがありました。たとえば経血の量が多い女性の場合、自分ひとりで悩むばかりでパートナーや親しい友人に打ち明けることができず、苦しんでいる方々が多くいます。個人の不快にアプローチするだけでなく、周囲の人との相互理解を促すこともすごく大事だと気づきました。

なんとなく「生理は個人の問題でしょ」と思っている社会を変えないと、結局その空気感が個人を孤独にさせてしまい、「みんなつらくない顔をして頑張っているから、つらいと言えない」という状況に陥ってしまう。社会が不寛容で理解されないということは、分断を生みます。そこで、生理や女性の身体について気兼ねなく話せることを目指して、「#NoBagForMe」というプロジェクトをスタートさせ、今も「7日間は変えられる」というメッセージを発信しています。

プロジェクトに参加した女性からも「身近な人に気軽に話せるようになって、すごく楽になった」という声があり、男性からも「知ることができてよかった」と言っていただけています。私たちメーカーが一歩を踏み出せば、社会の意識も変えていけるという手応えを感じました。このように、ユニ・チャームが実現しようとしている「共生社会」は、自分が助けられるなら誰かを助け、自分が困っているときは誰かの助けを受けられる、そんな社会です。相互理解を促し、社会の寛容さを拓いていくために何をしたらいいのか、さらに深く、広く考えたいと思ってMDX本部に参加しています。

――MDX本部に所属したことで、どのような変化が生まれましたか?

長井: MDX本部に所属してからは、同じ志を持つメンバーと、それぞれの性別に関わらず、「女性の一生」を起点に、互いに想像力を働かせながら意見を出し合っています。たとえば女性にとっては不快なことが当たり前になり、意識にも上がっていなかったことを、男性のメンバーが「それはやり過ごせないことだよね」と気づいてくれて議論することができたり、社会的な課題や男性が抱えている困りごとなどに気づけたりして、様々な視点にハッとさせられることがあります。今まで以上に、広い視野を持って取り組めていると感じています。

この会社だから、社会に大きなインパクトを与えていける

――ユニ・チャームのMDX本部ならではの強みはなんだと思いますか?

長井:ユニ・チャームが「共生社会」の実現を目指し、SDGsに取り組むということの社会への影響力は、計り知れないと思っています。これまでも、ユニ・チャームは女性のみならず男性も、育児や介護などみんなが自分の人生をより自分らしく生きるために、さまざまな商品やサービスを世に生み出してきました。その過程で、色々な悩みを抱えている人たちがたくさんいることを理解し、その歴史を踏まえて先進的な提案をするということは、社会に与えるインパクトも大きいと感じています。

――MDX本部を組成して間もない段階ですが、成し遂げたいことを教えてください。

長井:女性は10歳ぐらいから生理が始まり、閉経するまでに妊活をする方や、出産や育児を経験する方もいます。それは選択肢の一つにすぎません。

女性の選択肢を増やし、自分に一番合うものをどんどん取り入れて、人生をもっと謳歌してほしいと思っています。そして、日本のジェンダーギャップ指数をトップランキングに引き上げ、世界的にも低い自己肯定の偏差値を上げていけたらと思います。

生理がある約40年間、ずっと「ソフィ」を愛用していただける方は非常に多いです。そのような方々の人生そのものに長年携わってきたユニ・チャームだからこそ、習慣の変化から社会を変化させる大きな道筋をつくっていけるのではないかと思います。

求めるのは、本気で変化を起こしていきたい人

――今後どういった方々とMDX本部のプロジェクトを推進していきたいですか?

長井:現在も、ホルモンバランスに関わる不調、性教育の問題や貧困など、閉ざされている問題がたくさんあります。それを見過ごさず、異議を唱え、どんな人にも寛容な社会をつくりたいという意志を持つ人。男女問わず、自分とは置かれている環境や考え方が違う人を含めて、互いに理解し合い、想像力を働かせることができる人。そしてこれまで当たり前だと思われてきたことやモヤモヤを感じることに対して、「なぜ我慢しなければならないのか」「なぜ諦めなければならないのか」と疑問を投げかけ変革を臨む人と共に働くことを心から望んでいます。


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