みなさん、こんにちは。うるるの小林です。
うるるでは、11月1日にこんなプレスリリースを出しました。11月1日、犬の日に因んで、犬のプレスリリースです!
※犬の日とは、社団法人ペットフード協会により1987年に制定された記念日で、犬の鳴き声である「ワン (1) ワン (1) ワン (1) 」にちなみ、11月1日と決められました。
「唐突か!」
というツッコミが入ってくる内容なのですが、このリリースにはうるるのマーケティングと広報の戦略が込められています。
今日は、このプレスリリースに込められた、マーケ&広報戦略についてお話していきたいと思います。
まず、このプレスリリースに出てくるうるるの主力サービス「NJSS」についておさらいです。
入札情報速報サービス NJSS
うるるでは、2008年より「入札情報速報サービスNJSS(エヌジェス)」という、官公需入札情報の検索サイトを運営しています。(界隈では、結構有名なサービスにまで成長しました)
NJSSは単なる"入札情報の検索サイト"ではなく、官公需入札の健全化や透明化を推進すべく、より多くの民間企業へ入札情報を届ける使命があると、うるるは考えています。
こちらは、NJSSのデータベースを用いて、「犬の日」に、ちなんで調べた「使役犬」に関する入札案件の情報です。
NJSS上では、こんな感じで案件を調べることができます。
ちょっと入札について深堀させてください。皆さん、官公需入札って知ってますか?
官公需入札を語る際に、よくこんな例え話をします。
私:「Aさんが東京都庁(お役所)に就職したとします。上司にパソコンを100台買っておいてと言われました。Aさんはどうしますか?」
Aさん:「上司に予算と必要なスペックを聞いて、家電量販店やECサイトを自分で調べて一番安いところで購入します」
私:「民間企業であればそのやり方はOKですが、役所ではNGです。」
Aさん:「どうしてですか?」
私:「民間企業であればパソコンを購入するお金は「Aさんの会社のお金」なので、最終的にはAさんや上司が購入先を自由に決められます。でも役所がパソコンを購入する際には「税金」を使って購入するので、「パソコンを100台購入します」という情報を役所のホームページ等に"公示"しなければなりません。そしてその情報を見たパソコン販売業者が役所に対して金額などを提示して、役所は一番最適な業者に発注をしなければならないというルールがあります。この一連の流れを「官公需入札」と言います」
この流れでこんな話もします。
私:「国や自治体などの役所から民間企業に多くの仕事が発注されています。年間いくらくらい発注されていると思いますか?」
Aさん:「1兆円くらい・・?」
私:「年間約22兆円です」
Aさん:「どひゃーー」
私:「もう一個問題です。国や自治体などの入札案件を出している機関は全国にどの位あると思いますか?」
Aさん:「2,000機関くらい・・・?」
私:「8,000機関くらいはあります(うるる調べ)」
Aさん:「どひゃーーー」
要は、国や自治体や独立行政法人などの各種機関から、毎年22兆円もの仕事が民間企業に発注されています。「22兆円」って、想像つきますか?天文学的な数字ですよね。
さて、このブログを読んでいるあなたが働いている会社は、22兆円マーケットの入札に参加をしていますか?
きっと多くの方は「NO」もしくは「知らない」と答えるのではないでしょうか。
まだまだ入札の存在自体が一部の大手や老舗民間企業向けのものであるという”既成概念”が社会的には強く、事実として全国約400万社ある企業のうち、全省庁統一資格保有企業は約7万社、つまりほとんどの民間企業は入札に参加をしていない状態です。
※入札に参加をするためには、入札参加資格が必要("普通の企業"であれば、必要書類を揃えて申請すれば大方取得できます)で、一番スタンダードな資格が、「全省庁統一資格」という官公庁系の案件に参加をできる資格です。
犬の日のリリースを出した背景
先述の通り、「入札」自体が、一般の民間企業にとってまだまだ身近ではないということがあり、まずは入札をもっと身近に感じて欲しいという思いが我々にはありました。
そこで、NJSSのマーケティングチームと、広報担当である私・小林とで連携をし、入札を身近に感じてもらえるような施策を仕込んでいくことにいたしました。
10月某日のマーケ×広報会議にて
マーケ:「入札がなかなか普及しない背景には、そもそも入札が知られていないことや、自分の会社には関係ないことだと思っている企業さんが多いっていうのがあるんですよね。」
広報:「確かに。セミナーをしていてもそういう感じはありますよね。」
マーケ:「入札をもっと身近に感じてもらえるような打出し方をすれば、今まで届けられなかった層に入札の情報を届けられるんじゃないかなぁと思うんですよ。」
広報:「そうですよね。知らないとか、関係ないと思っている層にアプローチするために、入札を身近にする施策を考えましょう!」
議論は白熱・・・そしてNJSSの新たなマーケ×広報戦略が生み出されました。
マーケ:「入札を身近に感じてもらうための良い戦略・企画ができましたね!」
広報:「この戦略を確実に育てていかないと。効果を最大化するためには・・・いきなりこの内容を発表するよりも、一個前に布石となるリリースを出しておきたいですね」
(一同考える)
広報:「"身近に感じてもらう"ことを目的とするならば、何か僕らの身近なものに関する入札の情報とかを一度リリースしてみましょうか?」
マーケ:「"身近"でいくと、たぶん仕事よりもプライベートな感じの方が良さそうですよね。癒し系とか・・・例えばペットとかどうですか?犬の入札とかってありますかね?笑」
(「ないでしょ~」と思いながらも、皆でNJSSで「犬」を調べる・・・)」
一同:「沢山ある!!」
広報:「広報的にはリリースを出す際に"なぜ今そのリリースなのか?"を大事にしたいので、タイミングと内容を合わせられるとベストですねぇ。犬が盛り上がるタイミングってあるんだろうか?笑 例えば"犬の日"みたいな 笑」
(「ないでしょ~」と思いながらも、皆で記念日を調べる・・・)
ここから調べましたw → 日本の記念日一覧 - Wikipedia
マーケ:「あった!11月1日はワンワンワンで犬の日(笑)!11月1日の犬の日に、犬にちなんだ入札案件のレポートをリリースしてみましょう」
・・・といった流れで、この企画の布石となる「犬の日のレポート」のリリースが決まりました。
NJSSのマーケティング×広報
(再度になりますが)
日本の民間企業400万社のうち、入札参加企業(全省庁統一資格保有企業)は7万社。この現状では、行政を通じて我々国民に提供される製品やサービスは、ほんの一握りの企業のものになってしまいます。
そして、諸外国企業の強さが目立ってきているこの時代、もっと多くの民間企業が官公需入札を通じて受注機会を増やし、活性化をしていかなければならないと感じています。
もっと、入札を身近なものに感じてもらいたい。
もっと、沢山の企業に入札の情報を届けたい。
そんな我々の思いを実現するためには、サービスの運営だけではなく、マーケティングや広報の動きを通じ、より多くの方に入札に関する認知を拡大していかなければと考えています。
入札をより身近に感じてもらうための企画は、近々リリース予定です。
そして、そのリリースをキッカケに、入札に関するムーブメントを創っていく予定です。
入札を通じて、日本を元気にいたします。
皆さん、こうご期待を!